カーリルの杉山です。図書館って、誰でも気軽に無料で利用できるもの。
でも利用できることを知らない人って多いなーと、最近思ったのです。
調べてみたところ、山手線沿線の区では、都内在住者なら誰でも利用者カードを作ることができそうです。そこで、東京23区内在住のワタクシ、勇んで山手線を一周する計画を立ててみました。
題して「山手線一周、図書館カードを作る旅」!
勝手ルール
勝手に決めたルールは以下の通り。
- 山手線が通っている区を全て回る(計11区)
- 山手線以外の電車は使わない
- 図書館で利用者カードを作ったら、館内を一通り見て回る(合計30分くらいで)
用意は周到に
そして準備したものはこちら。
- カメラ…回った図書館の証拠写真を残します
- 23区の地図…ちょっと古いしアナログですが、信頼感あり
- 身分証(運転免許証)…カードを作る際に現住所が確認できるものが必要です
- スケジュール表…事前にルートを決めて、かかる時間もチェック! 8時間強と見積もり
歩きやすい格好で、いざ出発です!
果たしてスケジュール通りに一周できるのでしょうか。
* * *
23区内の図書館は多くのところが9時開館。
9時前には、既に開館を待つ人たちの姿が見られました。
京橋図書館は、区役所と隣接しています。
後ろに見える高い建物が中央区役所。同じ敷地内なので間違える人が多いのかな。
市役所から図書館に入ろうとしたのは私です。
入り口には図書館の案内がありました。
建物に入って右手に、貸出・返却カウンターがあり、利用者カードはすぐに作ることができました。
図書館の中央にレファレンスデスクがあり、階段で書庫に降りられるようになっているようです。入ってみたい。。下の階には、一般の人も入れる地域資料室もありました。
朝早いこともあって、混んではいませんでしたが、小さいお子さん連れのお母さんや定年退職したくらいの年の方が多かったです。
カードを作って館内を一回りしたら、次に向けて出発です。
有楽町駅までは、徒歩13分の距離。
有楽町駅に到着。いよいよ山手線に乗って出発です。
今回はここから北上して、反時計回りに一周する計画を立てています。
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2駅進んで神田駅。
図書館までは駅からたった4分なのですが、進んでいる方向がわからなくなって早速迷いかける。
タバコ屋のおばちゃんに道を聞いたらすぐそこでした。
神田まちかど図書館は、小学校と隣接しています。太鼓を練習する音が聞こえました。
図書館の一角に学校図書室があり、一般の利用者も学校図書室の本を借りることができるそうです。面白いつくりですね。
こちらも時間が早いためか、定年退職したくらいの方が多くいらっしゃいました。
利用者カードも無事に作れました。
カードだけ作って帰るつもりだったのですが、DVDの棚で気になるタイトルを発見。思わず借りてしまいました。全部の図書館でやっていたら荷物が大変なことになるよー。
図書館入口の向かい側にはお稲荷さんが祭られていました。徳川時代の初めころに伏見稲荷の御分霊として移された由緒ある神社だとか。
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神田駅から更に北上し、今度は日暮里で下車します。
駅から徒歩10分。
わかりやすい目印がなく、曲がる道を間違えそうになって人に道を聞きながら歩きます。
この辺りはお寺が多く、そこら中に霊園があります。お散歩してる方もちらほら。
コンビニでもお参り用の花を買うことができます。
この建物の2階部分が図書室です。
写真の右手には大きな広場があり、こどもたちが走り回っていました。
入り口には新刊の案内が。
横長のワンフロアに本棚が並び、窓から爽やかな風が入ってきてとっても気持ち良い空間でした。
私が生まれる前に刊行された大きな画集や、下町の魅力を紹介する雑誌『
谷根千』など、ゆっくり読みふけりたい本がたくさん。
この谷中コミュニティセンター、平成24年11月から建替え工事のため2年間休止するそうです。行ってみたい方は、お早めにどうぞ。
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次の図書館へは、電車を使わずにそのまま歩きます。徒歩20分。
よみせ通りを通ります。上の地図でいうと、右に曲がった辺りから。
途中、谷中ぎんざを通り過ぎます。そっちの商店街もブラブラしたい。
延命地蔵さま。長寿を祈ろうと思いましたが、延命とは違うのかな?
田端図書館前には、区のコミュニティーバスが止まります。
入り口には区民センターの情報コーナーがありました。
図書館は建物の2階で、エレベーターも利用できます。
コンパクトにまとまってはいるものの、雑誌の種類も多く、明るく清潔で過ごしやすそうな印象を受けました。児童書コーナーの机にはメダカの泳ぐ水槽があり、爽やか。
利用者カードは11ぴきのねこのイラスト入り。かわいい!
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次はお隣文京区へ行くのですが、大きな道路を挟んですぐの距離。ご近所の方は、2館利用できて便利ですね。
図書館を出て正面の細い道を進みます。
道路の向かい側に赤レンガの建物が見えて来ます。この裏側が図書館(最初迷った)。
元は都電事務所と車庫だったそうで、隣の講演には都電車両がありました。
この時点で、予定より10分遅れ。でもまだまだ焦りません。
本駒込図書館は、広ーいワンフロア内に色んな資料がゆったりと並べられていました。
入ってすぐの特集コーナーには、文京区図書館を使った調べる学習コンクールの入賞作品が展示されていたり、児童コーナーには「こまちゃんへの手紙(*)」と回答がまとめてあったり、ゆっくり見たくなるものがたくさん。
*こまちゃん:多分本駒込図書館のゆるキャラ。子どもたちからの手紙に返事を書いたりしている模様。
森鴎外生誕150年事業も色々あるようです。気になる。
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次の図書館へも歩いて行きます。山手線は駅同士の間隔も短いし、歩ける範囲に色々あるんですね。
ここも商店街のようなところを通って行きます。
先日焦がしてしまったフライパンの、気になるセールを横目にどんどん歩きます。既にちょっと疲れて来ました。
駒込駅に到着! 線路下のトンネルをくぐって進みます。
図書館への入り口がわからず、敷地をぐるっと回ってみたらありました。こちらも赤レンガの建物ですね。
入り口付近には自転車がいっぱい。人気の程が伺えますね。
ちょうど昼休みの時間帯ということもあってか、利用者が多く、ビジネスマン風の人が目立ちました。お昼休みに図書館にふらっと立ち寄れるなんてうらやましい!
YA(ヤングアダルト)コーナーには、中学生手書きの本のおすすめコメントの掲示があり、入り口近くには都区内の様々な行事や施設のパンフレットコーナーもありました。
ちょっと都内の様子を知りたいときに重宝しそうですね。
この時点でワタクシ、計画表にお昼休憩を入れ忘れたことに気づきました。
空腹のまま一周することも考えたのですが、日頃の運動不足が災いし、若干疲れが出てきたので昼食をとることに(公園でパンをかじる)。大幅なタイムロス発生。
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次にやってきたのは新大久保駅。韓流の町ですね。
駅前には韓流タウンの案内図があり、お兄さんがパンフレットを配っていました。
駅からは徒歩9分。ほぼ真っ直ぐだし、すぐに着くだろうと思っていたら、人が多くてなかなか進めない。。お昼過ぎでちょうど人通りが多い時間だったのでしょうか。
何やら飲食店のようなお店の前に集う人々。この辺りが一番混雑してました。
韓流通りの喧噪を抜けた辺りで、左に曲がるとすぐのところに大久保図書館はありました。到着時点で予定を50分程オーバー。ちょっと焦る。
建物は図書館と地域センターが併設されています。
場所柄、館内の案内板には日本語・韓国語・中国語を併記しているものがあり、韓国語や中国語の雑誌や書籍のコーナーが充実していました。
すごくちっちゃい手塚治虫全集がガラスケースに展示されており、時間があれば全巻読破したいところでしたが、ただでさえ時間がおしているので断念。
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続いてやってきたのは、若者の街・原宿。
無謀にも、竹下通りを通るルートを選択。韓流タウンで人ごみに懲りたつもりですが、今更予定のルート変更は致しません。
いざ、竹下通りへ突入。でも平日で思ったほど人が多くなくて、意外とスルスル歩けました。
平成22年5月にリニューアルオープンしたそうで、新しくてきれいな建物です。
こちらは1〜4階が図書館、5階は会議室などのスペースになっています。
さすが中央図書館、広い!
入館すると、 右手の児童コーナーでちょうど「よみきかせ会」が始まるところ。
幼稚園くらいまでの子どもとお母さんたちが『はらぺこあおむし』の朗読を真剣に聞いていました。
2階に上がってすぐのところにはファッションの特設コーナーが。場所柄でしょうか。
それから、教科書コーナーもありました。小学校から高校までの教科書がずらりと並んでおり、見比べてみても面白そうです。
自動貸出機があるとのことだったので、一冊借りてみました。自動貸出機、初めて使ったけど、簡単! カウンターが混んでいるときにも便利ですね。
今度は
この本を読んで、すごい虫を探す旅に出てみようかしら。
1階にある喫茶室には、飲料の自販機と、手作りお菓子の販売コーナーがあります。
休憩している時間はなかったので、買って帰りました。調べものなどで長時間滞在したいときに、飲食できる場所があるのは助かりますね。
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原宿駅から3駅進み、目黒駅にやって来ました。ところで目黒駅って品川区にあるらしいですね。なんだか騙された気分。
目的地は駅から徒歩12分。川沿いを歩くのは気持ち良さそうです。
権之助坂の途中にある和食屋さんらしきところ。水槽でふぐが泳いでいます。
目黒川。春は川沿いにずっと植えられている桜がとってもきれいなんだそうです。
川沿いの道から区民センターの敷地に入る場所がわからずうろうろし、結局大回りして到着(知らぬ間に通り過ぎていた模様)。予定から1時間遅れです。方向音痴万歳!
こちらの図書館、フロアが変わったつくりですね。
中央にカウンターがあり周囲が書架なのですが、書架は中2階や半地下みたいになっていて、ちょっと迷路っぽいです。小さい子どもだったら探検したくなる感じ。本用のエレベーターがありました。
目黒区の利用者カードにはさんまくんがいます。以前お邪魔した八雲中央図書館では、テーブルもさんまの形になっていました。
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次に訪れたのは大崎駅。
残るはあと2館、日も傾いて来て少しずつ涼しくなってきました。
南口の方は開発が進んでいて、大きなオフィスビルが並び、通路が整備されています。ビジネスマンがいっぱい。
せっかくなので、整備された通路を通ってみようと思ったら、またしても迷う。
道行く人が親切だったのに救われました。
大崎図書館は坂の上にありました。
階段を上る手前にブックポストがあるのが嬉しい。
1階は入って左手に児童コーナー、真っ直ぐ進めば一般書があります。奥に行く程天井が高くなっていて、開放感があって気持ちがいいです。
2階は”ビジネス支援図書館”。
見たこともないような業界紙や会報などが壁一面にぎっしり詰まっています。インターネットのデータベースも色々使えるようです。
保存期限が過ぎた書籍を配布していたので、携帯用はんだごてを持ち歩くほど溶接作業が好きな@ryuuji_yへのお土産に、一冊頂きました。
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そしてついに、最後の駅にやって参りました! 田町!
図書館までは駅から徒歩4分と近いですね。
駅から続く歩道を使えば、大通りで信号待ちをする必要はありません。
三田図書館、多くの利用者でにぎわっていました。ちょうど仕事が終わる時間帯だからか、特にサラリーマン風の方が多かったように思います。
2階に裁判の判例集を集めた棚があり、どれだけ多くの裁判が行われているのかとびっくり。3階は自習室とラウンジ。ラウンジでは飲食できるようです。
4階は郷土資料館になっていて、クジラの骨にさわれるとか。開いてたら見てみたかった!
こちらは図書館の入り口にあったガソリン計量機。パッと見は電灯っぽいですよね。旧赤坂区役所でつかわれていたものだとか。
ラスト、港区立図書館の利用者カード!
* * *
まとめ!
こうして、18時頃ようやく山手線一周図書館利用者カードを作る旅は終わりました。
所要時間約9時間。長かった!
カードを並べてみると壮観です。
私が回った以外にも、沿線にはたくさんの図書館があります。順番や館を変えて、チャレンジしてみても面白いかもしれません。(紹介した図書館の中には、都内在住でなくても利用者カードが作れるところもたくさんあります! こちらでチェックしてみてください。)
今回は紹介しませんでしたが、山手線の内側には国立国会図書館や東京都立中央図書館もあります。誰でも利用可能ですので、未体験の方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
それから、都立多摩図書館では10月14日(日)に、編集者で書評家でもある松田哲夫氏の講演会「書籍の明日(あした)、雑誌の明日(あした)」が行われるそうです。ご興味のある方、どうぞご参加ください。