COVID-19 : 蔵書検索サービスへの影響について

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)への対策として、各図書館において館内サービスの縮小や閉館などの対策が実施されています。この影響により、図書館のインターネットサービスに影響が発生しています。

新型コロナウイルス感染症への対策として、図書館のインターネット関連サービス、特に蔵書検索サービスを停止することには何ら合理的理由がなく、カーリルでは資料の利用可能性に関わらず、検索サービスについては最低限提供されるべきだと考えています。

蔵書検索サービスを停止している図書館

2020年3月9日10時現在(カーリル調べ)

  • 千葉県市川市 2月28日(金曜日)朝9時から当面の間、図書館Webサービスを停止いたします
  • 千葉県松戸市 令和2年3月3日(火曜)午前9時30分から、インターネットサービスを停止(アクセス不可)します。
  • 千葉県鎌ケ谷市  令和2年3月3日(火)から令和2年3月24日(火)まで図書館のすべての館を休館とします。休館中に停止するサービス インターネットサービス(資料の検索、予約、延長など)

関連情報

COVID-19対策に関するご協力のお願い

このリリースは主に図書館関係者向けの内容です。カーリルの提供するサービスそのものには影響はありません 。


COVID-19の感染拡大に伴い、図書館においては、今後、集客施設としての機能を停止し、各種情報の提供や調査・研究の支援などに注力することが求められる可能性があります。 このようなとき、安定した検索サービスの提供は重要になると考えています。


カーリルでは、従来からすべてのメンバーがリモートワーク(テレワーク)で活動しています。しかし今後も、国内で継続的なウイルスの蔓延が見込まれるためサービスを安定的に提供するため、さらなる対策を実施することにしました。これにともない、連携協定などにより様々なプロジェクトを共同で実施している図書館や各機関、カーリルの各種APIの導入にご協力いただいているシステムエンジニアの皆様にはご負担をおかけしますが、ご協力をお願いします。

打ち合わせ・会議参加の全面停止

対面による打ち合わせ、会議への参加を、全面的に停止します。 当面のあいだ、 これらはすべてウェブミーティング(Zoom)により対応しますので、環境構築にご協力ください。

ウェブミーティングキットの提供

ネットワーク環境などが準備できない場合には、カーリルから「ウェブミーティングキット」を送付します。このキットには、ネットワーク契約済みのiPadおよび複数名での会議に対応したスピーカー・マイクが含まれています。必要な場合はカーリルに連絡ください。キットの利用にかかる費用はカーリルがすべて負担します。既にスケジュールされている打ち合わせについては、順次対応について案内します。

学会・展示会などへの出展停止

企業としての各種展示会などのイベントへの出展・参加を停止します。カーリルの各種サービスについてのお問い合わせはお手数をおかけしますが、個別にご連絡いただくようお願いいたします。なお、現在のところ5月末までに予定されているイベントへの参加予定はございません。

電話対応の自動化

事務負担低減のため、電話対応を音声認識による自動対応に切り替えます。音声認識の結果を各担当にテキストで転送し、必要に応じてメールなどのオンラインの手段を優先してご返答いたします(認識しやすいように、ゆっくりわかりやすくお話しください) 。

技術開発への影響

当面のあいだ、社内で実施している開発合宿の開催を中止します。

カーリルローカルがアップデートされました

2019年11月、地域資料の横断検索サービス「カーリルローカル 」 を大幅にアップデートしました。アップデートは昨年から段階的に行われていたため、日常的にご活用いただいている方は、すでに気づいているかもしれません。改めてアップデートの概要と今後の計画について整理したいと思います。サービスは停止時間なく切り替えられました。

新しいカーリルローカルの検索画面

主な変更点

  • 検索対象図書館を大幅に拡大しました
  • 従来のカーリルローカルと比較して大幅な高速化を実現しました
  • 検索対象となる図書館が、各都道府県の相互貸借ネットワーク(図書館同士の協定)などとなるべく一致する運用になりました
  • 従来のカーリルでは検索対象に入らなかった、ISBNでの検索が十分にできない図書館も検索対象に追加されました
  • スマートフォンで快適に操作できるようになりました
  • カスタム横断検索とお気に入り図書館の横断検索機能は完全に廃止されます。これまでは廃止予告はしていたものの、そのまま維持されていました。(2017年3月に告知した内容
  • 「Internet Explorer 10」などの古いブラウザのサポートが完全に終了しました

カーリルローカルの歴史

カーリルローカルは2011年2月にサービスを開始しました。それまでのカーリルはISBNの付与された本のみを検索対象としていました。そのため主に図書館司書からの「すべての本を対象にしてほしい」との要望が多く(本当に多かったのです)寄せられたことを受けて開発されました。当時は都道府県立図書館による横断検索サービスが提供されていない地域もあり、またあったとしても十分に機能していない場合もあったため、必要性は極めて高いと考えられました。しかし広告収入などが期待しにくく、収益性が確保できない状況が続きました。そのため、カーリル本体の補完的サービスとして提供されているに過ぎませんでした。あるいは、いろいろな限界がある中で、まずはできることのひとつだったのです。

もちろんこのようなサービスモデルに満足することができなかったため、次世代のカーリルのための技術開発として、図書館の蔵書検索に関する新しいAPIの開発に取り組んできました。いろいろな偶然が重なり、その技術開発の成果は最初に京都府立図書館の横断検索サービスに採用されることになりました。

京都府立図書館の横断検索サービス powered by カーリルと表示されている

ウェブサービスを安定的に提供するためには、インフラへの継続的投資が必要になるため、収益性の確保は大きな課題です。(特にサービスの継続性にフォーカスすればなおさらです)もともとこの投資は、カーリルそのものを改善するためにも必要な技術でもあったため、これをきっかけに多くの図書館と運用コストを分担できるようになったことはとても幸運でした。

またカーリルローカル開始時に同時に提供された「カスタム検索機能」は自由な組み合わせの横断検索サービスをだれでも無料で作れる画期的なものでした。このサービスそのものは廃止されてしまいますが、このとき私たちが実現したかったことは「Unitrad ローカル」に継承されています。

富山県砺波市の図書館では、検索結果に県立図書館と混ぜている

2019年度の予定まで含めると、47都道府県中で11の府県立図書館がこの 「カーリル Unitrad API 」 を採用しました。これにより、図書館が提供する横断検索サービスの品質が向上すれば、カーリルローカルは終息してよいのではないかという議論がカーリルのチーム内ではあがります。それが2017年の一部サービス廃止のブログからも読み取れます。しかし、この予想に反して、カーリルローカルのアクセスは増え続けました。残念ながら、多くの図書館では技術的評価もないまま同じ業者にシステムを丸投げしているため、横断検索サービスの品質はさらに低下しており、結果として図書館業務においてカーリルローカルの利用が増加していたのです。このことは、アクセス統計などからも明らかでした。

カーリルローカルの優位性

私たちは新しいカーリルローカルのミッションは、国内の図書館蔵書の検索性に関する「最低保証」だと考えました。カーリルローカルは、機能面や速度面では決して優位性があるものではありません。しかし、当たり前の検索を、当たり前にできるようにするための継続性が必要です。 このようなニーズに対応するため、 2018年からこれまでバラバラに運用していたカーリルローカルのバックエンドインフラを「カーリル Unitrad API 」と共通化するための開発を進めてきました。

可能な限り共通化をしながらも、Unitrad APIで投入された、キャッシュによる超高速化や並び順の最適化、データストリーミングによる通信量の圧縮、リアルタイム書誌同定など、快適性や業務効率を上げるために必要な複雑な技術をバイパスし、横断検索に最低限必要な機能のみで再構成しました。これにより運用にかかるデータセンターのコスト(CPUやネットワーク、メモリなど)を最大限に圧縮しました。複雑性を排除したことにより、データセンターでの障害時にもより安定して継続したサービスの提供が期待できます。これらのさまざまな地味な工夫により、今後さらにアクセスが増加したとしても、広告なし、かつ無料でサービスを提供できる見通しが立ちました。

さらにシステム更新時の対応速度は、これまでカーリル本体と比べて遅く1週間~1か月程度であったものが、3日程度に短縮される見込みです。

今後の計画

カーリルローカルは、今後はトップレベルのサービスとしてメンテナンスされます。現時点では、ウェブアクセシビリティへの対応が不十分なところもありますので引き続き改善を予定しています。また、ご意見ご要望について、これまで多くのフィードバックをいただいていたにもかかわらず、このような事情から十分な対応はできていなかったのではないかと思います。改めて、現状のサービスをご活用いただき、フィードバックをいただければカーリルチーム一同とても励みになります。

今回廃止された「お気に入り図書館の横断検索」については、カーリル本体との統合を計画しています。この機能をご利用いただいていた方にはご不便をおかけしますが、今後のアップデートに期待してください。

これからもカーリルをよろしくお願いいたします。

開発者のための日本十進分類法「ndc.dev」を開始しました

2019年4月1日、カーリルは、開発者のための日本十進分類法「ndc.dev」を開始しました。このプロジェクトは日本十進分類(NDC)をソフトウェアやウェブサービスを開発・運用する際により扱いやすくすることを目指します。また開発成果を継続的に維持することで、開発者の負担を軽減し、NDCをより活用しやすくします。

カーリルでは、日本図書館協会に対して、デファクトスタンダードの図書館分類法「日本十進分類法」のオープン化を強く要請してまいりました。

日本図書館協会は、2019年3月13日、国立国会図書館電子情報部との共同研究の成果として、NDCデータ(NDC8版および9版)を公開しました。これにより日本図書館協会のオープンデータ化への取り組みは大きく前進しました。しかし、公開されたデータには永続性(バージョニング)に加えて、不整合や扱いやすさの点で問題があるため、カーリルでは、コミュニティベースでこれらの課題の解決に取り組むことにしました。NDCデータの効果的な運用には、整合性だけではなく、現場での運用実態や暗黙知もあわせた合理的な判断が必要となるためです。今後、合理的で使いやすいAPIプロトコルについて議論を進め、夏頃を目標に正式APIやライブラリをリリースする予定です。

現在のところ、以下のような取り組みを公開しています。

  • JSON形式の簡易的なAPI
  • IME辞書ファイル

詳しくは https://ndc.dev をご覧ください。

県立長野図書館とカーリルが連携協定を締結しました

県立長野図書館(館長・平賀研也)と株式会社カーリル(代表取締役・吉本龍司)は10月31日に「連携・協力に関する協定書」を締結いたしました。
現在県立長野図書館が計画する信州・知の情報基盤の構築や、県立図書館の提供する各種検索サービスの充実など、様々な領域で協業して新しいサービスの実現を目指すとともに、研究結果・実証結果などの幅広い公開を進めます。

本協定は、京都府立図書館とも締結しており、これまでの京都府立図書館との取り組み成果も相互に共有を図ってまいります。

10月31日(水)図書館総合展会場にて(左:カーリル/吉本、右:県立長野図書館館長/平賀氏)