一部サービスの終了について
カーリルでは、図書館業務向け高速横断検索API「Unitrad API」や、自由な書誌情報API「openBD」など、サービスを本質的にに改善するインフラ技術の開発に注力してきました。現在カーリルでは、これらの成果をウェブサービス上で一般のユーザーの皆様にも広く還元できるよう新しいサービスの開発を進めています。
それに伴い、開発リソースを集中するため、いくつかのサービスを廃止することにしました。現在、該当のサービスをご利用中の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、後継サービスをご利用いただきますようお願いします。
廃止されるサービスは次の通りです。
- カーリルのiモード版
― 2017年6月末まで - カーリルローカル カスタム横断検索
― 2017年3月24日で新規受付を停止(4月末まで)
カスタム横断検索は代替サービスを2017年夏以降にリリース予定です。
業務用途でご利用の方は、有償のUnitrad APIに移行できます。業務用途で、2017年3月24日までに継続的にカスタム横断検索を活用いただいていた図書館については、最大60カ月間、Unitrad APIを無償提供いたします。(contact@calil.jpまでお問い合わせください)
図書館レファレンス支援システム「リッテルナビゲーター」の事業譲受について
日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する株式会社カーリル(所在地・岐阜県中津川市、代表取締役・吉本龍司)は、図書館レファレンス支援システム「リッテルナビゲーター」の営業権及び特許使用権を株式会社ネクストより譲り受ける事業譲渡契約を締結いたしました。
同システムの開発者、清田陽司博士には引き続きアドバイザーとしてご協力いただき、同技術の幅広い活用を目指します。
「リッテルナビゲーター」は、東京大学情報基盤センター学術情報研究部門の自然言語処理に関する研究成果を元に開発されたサービスで、図書館分類体系(統制語)とWikipediaカテゴリ(非統制語)の統合利用を目指したものです。
各種機関による書誌データのオープンデータ化やopenBDのような民間ベースでの情報共有も進んでおり、今後はリッチな書誌データベースを前提とした、シンプルな検索技術(インターフェース)が求められます。カーリルでは、同技術を発展させウェブサービス内で活用するとともに、図書館業務向けに展開する各種サービスにおいても標準搭載していく予定です。
なお、従来のサービスを契約いただいている図書館においても、2017年4月以降も引き続きこれまで同様に同サービスをご利用いただけます。
株式会社ネクスト リッテルラボラトリー
販売代理店 : 紀伊國屋書店によるリッテルナビゲーターの紹介ページ
京都府図書館総合目録ネットワークシステムの充実を図る産官学連携プロジェクトに参加します
カーリルは、11月30日に京都府立図書館から発表された「京都府図書館総合目録ネットワークシステムの充実を図るための産官学連携プロジェクト」に参加します。
カーリルが提供する業務用高速横断検索API「Unitrad API」では、ISBNによる高速な書誌同定(各図書館が所蔵しているタイトルで同一のものをまとめて表示)を実現しました。しかし、ISBNの運用は出版者に任されているため、しばしば誤ったバーコードが印刷されてしまったり、重複してコードを利用している例があります。またISBNのない本については、同一かどうかの判定が機械的にできないため、バラバラに表示されます。このような状態を図書館用語で”書誌割れ”と呼びますが、検索キーワードによっては書誌割れが多く十分な精度の検索結果が提供できない場合がありました。
今回のプロジェクトでは、これらの問題にクラウドソーシング(L-Crowd)により書誌同定のヒント情報を集め、それらのヒント情報により書誌割れを抑制し、検索精度を大幅に向上することを目指します。このプロジェクトは国立国会図書館・同志社大学・筑波大学・千葉大学・株式会社カーリルとが連携して、実際の京都府内の書誌データをクリーニングすることにより、検索精度を向上したり情報の豊富化を図るなど、サービスの充実を図るものです。
カーリルでは、共同プロジェクトの成果を技術開発に生かし、全国規模での蔵書検索の精度向上を目指します。
横断検索向け高速連携プロトコル「Unitrad Fast-Link」を提唱
カーリルは、横断検索向け高速連携プロトコル「Unitrad Fast-Link」を提唱し、図書館システムの開発企業と広く協力して革新的なサービスの提供に取り組みます。
Unitrad APIは横断検索システムの効率を飛躍的に向上することで大幅な高速化を実現しました。しかし、各横断検索先とのデータ交換プロトコルには、まだ大きな改善の余地があり、さらなる高速化と効率化が期待できるのです。そのため、各図書館のシステムと効率的にデータ交換できる負担が少なく実用的なプロトコルが求められていました。
今後、オープンソースとして公開した汎用的な蔵書検索インターフェース「Unitrad UI」でもこのプロトコルをサポートすることにより、カーリルのクラウドサービスを通過できない非公開OPACや館内OPACなどでもこのプロトコルの恩恵を受けられるようになる可能性があります。シンプルなプロトコルで実装されたシステムは一般的に速度や安定性が向上するため、長期的にはWeb-OPACの信頼性向上につながります。