カーリルローカルがアップデートされました

2019年11月、地域資料の横断検索サービス「カーリルローカル 」 を大幅にアップデートしました。アップデートは昨年から段階的に行われていたため、日常的にご活用いただいている方は、すでに気づいているかもしれません。改めてアップデートの概要と今後の計画について整理したいと思います。サービスは停止時間なく切り替えられました。

新しいカーリルローカルの検索画面

主な変更点

  • 検索対象図書館を大幅に拡大しました
  • 従来のカーリルローカルと比較して大幅な高速化を実現しました
  • 検索対象となる図書館が、各都道府県の相互貸借ネットワーク(図書館同士の協定)などとなるべく一致する運用になりました
  • 従来のカーリルでは検索対象に入らなかった、ISBNでの検索が十分にできない図書館も検索対象に追加されました
  • スマートフォンで快適に操作できるようになりました
  • カスタム横断検索とお気に入り図書館の横断検索機能は完全に廃止されます。これまでは廃止予告はしていたものの、そのまま維持されていました。(2017年3月に告知した内容
  • 「Internet Explorer 10」などの古いブラウザのサポートが完全に終了しました

カーリルローカルの歴史

カーリルローカルは2011年2月にサービスを開始しました。それまでのカーリルはISBNの付与された本のみを検索対象としていました。そのため主に図書館司書からの「すべての本を対象にしてほしい」との要望が多く(本当に多かったのです)寄せられたことを受けて開発されました。当時は都道府県立図書館による横断検索サービスが提供されていない地域もあり、またあったとしても十分に機能していない場合もあったため、必要性は極めて高いと考えられました。しかし広告収入などが期待しにくく、収益性が確保できない状況が続きました。そのため、カーリル本体の補完的サービスとして提供されているに過ぎませんでした。あるいは、いろいろな限界がある中で、まずはできることのひとつだったのです。

もちろんこのようなサービスモデルに満足することができなかったため、次世代のカーリルのための技術開発として、図書館の蔵書検索に関する新しいAPIの開発に取り組んできました。いろいろな偶然が重なり、その技術開発の成果は最初に京都府立図書館の横断検索サービスに採用されることになりました。

京都府立図書館の横断検索サービス powered by カーリルと表示されている

ウェブサービスを安定的に提供するためには、インフラへの継続的投資が必要になるため、収益性の確保は大きな課題です。(特にサービスの継続性にフォーカスすればなおさらです)もともとこの投資は、カーリルそのものを改善するためにも必要な技術でもあったため、これをきっかけに多くの図書館と運用コストを分担できるようになったことはとても幸運でした。

またカーリルローカル開始時に同時に提供された「カスタム検索機能」は自由な組み合わせの横断検索サービスをだれでも無料で作れる画期的なものでした。このサービスそのものは廃止されてしまいますが、このとき私たちが実現したかったことは「Unitrad ローカル」に継承されています。

富山県砺波市の図書館では、検索結果に県立図書館と混ぜている

2019年度の予定まで含めると、47都道府県中で11の府県立図書館がこの 「カーリル Unitrad API 」 を採用しました。これにより、図書館が提供する横断検索サービスの品質が向上すれば、カーリルローカルは終息してよいのではないかという議論がカーリルのチーム内ではあがります。それが2017年の一部サービス廃止のブログからも読み取れます。しかし、この予想に反して、カーリルローカルのアクセスは増え続けました。残念ながら、多くの図書館では技術的評価もないまま同じ業者にシステムを丸投げしているため、横断検索サービスの品質はさらに低下しており、結果として図書館業務においてカーリルローカルの利用が増加していたのです。このことは、アクセス統計などからも明らかでした。

カーリルローカルの優位性

私たちは新しいカーリルローカルのミッションは、国内の図書館蔵書の検索性に関する「最低保証」だと考えました。カーリルローカルは、機能面や速度面では決して優位性があるものではありません。しかし、当たり前の検索を、当たり前にできるようにするための継続性が必要です。 このようなニーズに対応するため、 2018年からこれまでバラバラに運用していたカーリルローカルのバックエンドインフラを「カーリル Unitrad API 」と共通化するための開発を進めてきました。

可能な限り共通化をしながらも、Unitrad APIで投入された、キャッシュによる超高速化や並び順の最適化、データストリーミングによる通信量の圧縮、リアルタイム書誌同定など、快適性や業務効率を上げるために必要な複雑な技術をバイパスし、横断検索に最低限必要な機能のみで再構成しました。これにより運用にかかるデータセンターのコスト(CPUやネットワーク、メモリなど)を最大限に圧縮しました。複雑性を排除したことにより、データセンターでの障害時にもより安定して継続したサービスの提供が期待できます。これらのさまざまな地味な工夫により、今後さらにアクセスが増加したとしても、広告なし、かつ無料でサービスを提供できる見通しが立ちました。

さらにシステム更新時の対応速度は、これまでカーリル本体と比べて遅く1週間~1か月程度であったものが、3日程度に短縮される見込みです。

今後の計画

カーリルローカルは、今後はトップレベルのサービスとしてメンテナンスされます。現時点では、ウェブアクセシビリティへの対応が不十分なところもありますので引き続き改善を予定しています。また、ご意見ご要望について、これまで多くのフィードバックをいただいていたにもかかわらず、このような事情から十分な対応はできていなかったのではないかと思います。改めて、現状のサービスをご活用いただき、フィードバックをいただければカーリルチーム一同とても励みになります。

今回廃止された「お気に入り図書館の横断検索」については、カーリル本体との統合を計画しています。この機能をご利用いただいていた方にはご不便をおかけしますが、今後のアップデートに期待してください。

これからもカーリルをよろしくお願いいたします。

第20回図書館総合展に出展します

カーリルは10月30日から開催される、日本最大の図書館の展示会「図書館総合展」に出展します。今年は、ミニブック「いまやっていることリスト#1」を作りました!ブース番号86を探してカーリルブースにお立ち寄りください。

カーリルブースの見どころ

高速書影撮影を体験してみよう

カーリルが8月に発表した、汎用的な書影撮影システム「Open Book Camera v1」の実機デモを行います。実際の撮影を体験できます。また、システムの組み込みや機械学習を活用する方法について直接エンジニアが質問に答えます。

Unitrad APIで新しいサービスを実現しよう

カーリルの各種APIを活用したサービスがたくさん誕生しています。カーリルの提供する無償のAPI及び、図書館業務用の高速APIの活用例を紹介します。具体的な導入事例を紹介しながら、未来の図書館サービスを考えます。
★関連情報 Unitrad APIの運用を開始します。

カーリルオンラインショップ【期間限定】

カーリルが2016年の図書館総合展で販売したオリジナルマグカップに、新しいデザインが登場!マグカップの大きさや形は前回と同じなので並べてお使いいただけます。今回もカーリルの本社がある岐阜県内の陶器メーカーにご協力いただきました!図書館総合展に来られなくても大丈夫。期間限定でオリジナルグッズのショップを開設しました。

カーリルオリジナルマグカップ2018(ディスカバリー)

図書館総合展は、誰でも無料で入場できます。ぜひ足をお運びください。

日時: 2018年10月30日 (火) – 2018年11月1日 (木)
会場:パシフィコ横浜
公式HP http://www.libraryfair.jp/

今日は準備中

10月28日は、ブースの説明をしています。状況は随時掲載します!(10時48分更新)

Open Book Camera v1を開発しました

日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する株式会社カーリル(所在地・岐阜県中津川市、代表取締役・吉本龍司)は、書影(本の表紙画像)を効率的に撮影する専用カメラ(ブックカメラ)を開発しました。

カーリルでは、「図書館をもっと楽しく」をミッションとしています。このミッションを実現するためにストレスなく本をあたりまえに探せるようにすることは重要なテーマとなっています。今日、新刊の商用出版物については書影(本の表示画像)の流通性は飛躍的に効率化しましたが、図書館が所蔵する地域資料や一般流通に乗らない本の書影情報は流通することがありませんでした。カーリルでは、この問題を解決するため、まったく新しい撮影システム(ブックカメラ)を開発しました。私たちはこのブックカメラの活用シーンを広げるため、開発したすべての設計図面・制御用のハードウェア・ソフトウェアをオープンソース・オープンハードウェア(クリエイティブ・コモンズライセンス)として公開することにしました。商用・非商用を問わずだれでも自由にブックカメラを複製し、改造したり、製造、販売することができます。

2秒で3面高速撮影

ブックカメラは、表紙・裏表紙・背の3面を同時に撮影します。ウェブサービスやアプリの開発者からは、背の画像が欲しいという要望が多く寄せられています。背の画像がデータベース化されることにより、本をまとめて表示する際の表現の多様化や、本棚を撮影することによる本の自動認識など様々な技術革新が期待できます。また、ISBNや図書館で貼付される管理バーコードも同時に読み取ることができるため、撮影時に撮影対象の固有コードを管理する必要はありません。

本を置いたら自動撮影

高性能センサにより本が置かれたことを適確に検出し、自動的に撮影を開始します。撮影中はコンピューターの操作は一切不要です。本棚から本を取り出し、撮影台にセットする時間を考慮すると、1分間に約15冊の本を撮影することができます。

スタンドアロン動作

撮影ソフトウェアは、地下の書庫などインターネットの無い環境でも動作します。そのため、電源さえ確保できればどこでも撮影可能です。

また、いち早くブックカメラを検証し、様々な業務フローやサービスへの活用を検討いただくために、完成品(テストキット)の販売を開始します。企業・学術機関等による研究、検証目的の購入も歓迎です。

詳しくはオープンブックカメラ・ウェブサイトをご覧ください。

WordCamp Ogijima2018に行ってきた

2018年7月15日(土)に香川県の男木島(高松市)でWordCampOgijima2018というWordPressのコミュニティイベントがありました。カーリルのブログもWordPressで作っていますが、WordPressをすでに使いこなしている人も、これからやってみたいという人もみんなで学ぼうというスタンス。イベントは、お昼前から夕方までみっちりシングルセッションで組まれていて、グッズやお弁当もついているという豪華さ!(参加費は1人2,000円)しかも、それが実行委員の皆さんのボランティアで運営されているということもかなりの驚きでした。

WordPressは、そのシステム自体もオープンなしくみになっており、さまざまな機能やデザイン(テンプレート)も日々開発されて進化しています。この記事もいま盛り上がりまくっているプラグインエディタ「Gutenberg」を使って書いています(グーテンベルクといえば図書館の人たちにとっても熱いトピックですよね!このキーワードを、WordPressコミュニティの皆さんが毎日ツイートしているのをみると別の意味で胸が熱くなります)。WordPressは図書館のウェブサイトでも活用が進んでいて、2018年7月時点では全体のおよそ1割程度の図書館で利用されていることがわかっています(カーリル調べ)。

当日のセッションでは、WordPressの根幹にあるライセンスやアクセシビリティといった知識の習得ができるテーマや、世界的な活用事例紹介、WordPressを通して生活の糧を得るというような働き方を考えさせられるテーマなど、幅広い、けれど中身の濃い内容でした。当日の様子は、懇親会を除いてアーカイブが公開されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。TwitterやInstagram、Facebookでも参加者の声が見られます(ハッシュタグは #WCOgijima )。

参加者数は島民の数を大きく上回る約250名。これだけの人数をどうやって?という裏側も気になるのですが、実行委員長が事後の振り返りをまとめています。長文ですが、すごく参考になります。


男木島という離島でこの酷暑の中で開催するということもあり、ドリンクスポンサー(Beverageスポンサー)がついていたのも印象的でした。他にも移動にかかせないフェリーのチャーターにもスポンサーがついていました。図書館系のイベントでは主に広告という形が多いですが、具体的な用途指定のスポンサーがもっと活用されてもいいかもしれないなと思いました。
図書館に関するイベントに参加するのとは一味違う皆さんとの交流、とても楽しかったです!9月には東京でWordCamp Tokyo2018が開催されるようです。


サービスに関する重要なお知らせ

2017年8月29日《追記》
Amazonアソシエイト契約はこれまで通り継続されることとなったため、直ちにサービスに影響することはありません。現在、新たな書誌データベースの構築および切り替えの準備を進めており、順次切り替え実施する予定です。詳しいスケジュールについては決定次第お知らせいたします。カーリルでは、ご利用いただいているユーザーの皆様への影響を最小限にしながら、オープンな書誌情報の世界にスイッチします。
 
2017年8月25日
 
カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(本のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。
 
Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性があります。(追記により状況がアップデートされました
 
カーリルではAmazonに依存することによるリスクを回避するため、「書誌情報・書影を自由に」をコンセプトとするopenBDプロジェクトを推進してきました。今後主要な書誌情報としてこのデータベースを活用します。openBDで不足する書誌情報は、各種機関のオープンデータ及び商用プロバイダ、全国の図書館のメタデータにより補完する予定です。これにより、従来と比べよりオープンで充実した検索結果を提供できるものと確信しています。
 
この数年間、カーリルでは「日本にあるすべての本をあたりまえに探せるようにする」というテーマを掲げ、技術開発や図書館への技術提供、連携、実験等を行ってきました。今後はこれらの成果を十分に活用し、より使いやすいサービスの実現を目指します。
 
検索結果への影響
検索インデックスの最適化を並行して進めているため、一時的に検索精度の低下が発生する可能性があります。また、一部書誌の欠落等が発生する場合もございます。長期的には、データの充実を通して検索精度の向上と網羅範囲の拡大を図ります。
当面の間は従来のサービスと同様、カーリルでは「ISBNの付与された書誌(本)」、カーリルローカルでは「図書館のすべての書誌」を対象とした検索結果を表示しますが、今後はシームレスに検索できる方式に移行する予定です。
 
書影(本の表紙画像)への影響
書影は、Amazonの保有する圧倒的に豊富なデータにアクセスできなくなることにより、短期的には網羅率の大幅な低下が発生します。今後はopenBDのデータ充実を通して改善を図ります。
 
図書館業務向けサービスへの影響
カーリルが展開する図書館業務向けサービスや、館内向けサービスについては従来よりAmazonの提供するデータベースを利用していないため影響はありません。
 
図書館APIへの影響
無料で公開する図書館APIへの影響はありません。 
 
経営に与える影響
Amazonアソシエイトによる広告収入は、カーリルの運営にとって重要な役割を果たしてきました。しかしながら収入源の多様化を推進してきた結果、Amazonから受ける広告費は収入全体の5%以下となりました。そのため経営に与える影響は軽微なものとなります。
 
 
カーリルでは、ご利用いただいているユーザーの皆様への影響を最小限にしながら、オープンな書誌情報の世界にスイッチします。いろいろと不完全なところもあるかもしれませんが、皆様からの積極的なフィードバックお待ちしています。随時、Twitter、ブログ等で最新情報を発信いたします。
 
※この情報は現在進行中の情報をあらかじめお知らせするものであり、確定的な情報ではありません。具体的な時期等についても決定しておりません。
 
※AmazonおよびAmazonロゴはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の登録商標です。