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現在COVID-19の影響により、全国で多くの図書館が閉館しており、自由に本を読むことが難しい状況となっています。カーリルでは影響を把握するため網羅的な調査を実施しました。
(5月26日更新) カーリルの最新の取り組みは、「COVID-19 : これまでとこれから」に掲載しています。なお、この調査は現在、saveMLAKプロジェクトに引き継がれました。
調査概要
調査日時 2020年4月8日18時~2020年4月9日18時(約24時間)
調査方法 ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象 カーリルの検索対象となっている全国の公立図書館・公民館図書室など 1409館
- 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
- 図書館法に基づく図書館のカーリル対応率は94%ですが、この調査では公民館図書室などについても調査対象としています(以下図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
- 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものとなります
- 休館スケジュールが中央館・分館などによって異なる場合は、中央館のスケジュールを優先しています
- この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
- 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
- 移転やシステム更新などあらかじめ予定されていた休館については、通常開館として扱いました
開館状況
休館になることを発表している図書館は650館(自治体)でした。
これは調査対象の46パーセントにあたります。緊急事態宣言の対象となる都府県ではほとんどが休館しており、それ以外の地域においても広範囲に休館していることがわかりました。また、休館していないほとんどの図書館においてもイベントが中止されています。
図書館種別ごとの集計
名前 | 図書館数 | 休館数 | 割合 |
調査対象すべて | 1409 | - | - |
都道府県立図書館 | 47 | 19 | 40.4% |
市町村立図書館 | 1362 | 631 | 46.0% |
都道府県ごとの集計
都道府県 | 合計 | 休館数 | 休館の割合 |
千葉県 | 43 | 43 | 100% |
大阪府 | 42 | 42 | 100% |
東京都 | 55 | 55 | 100% |
福岡県 | 57 | 57 | 100% |
埼玉県 | 60 | 58 | 97% |
神奈川県 | 33 | 31 | 94% |
山形県 | 25 | 22 | 88% |
沖縄県 | 24 | 21 | 88% |
岐阜県 | 37 | 30 | 81% |
兵庫県 | 41 | 32 | 78% |
山梨県 | 23 | 17 | 74% |
愛知県 | 51 | 33 | 65% |
奈良県 | 25 | 16 | 64% |
茨城県 | 41 | 25 | 61% |
宮城県 | 25 | 14 | 56% |
大分県 | 18 | 9 | 50% |
熊本県 | 22 | 10 | 45% |
山口県 | 18 | 8 | 44% |
群馬県 | 24 | 10 | 42% |
長野県 | 56 | 23 | 41% |
青森県 | 23 | 9 | 39% |
福井県 | 18 | 7 | 39% |
京都府 | 23 | 7 | 30% |
静岡県 | 34 | 10 | 29% |
広島県 | 24 | 7 | 29% |
三重県 | 26 | 7 | 27% |
高知県 | 17 | 4 | 24% |
佐賀県 | 19 | 4 | 21% |
栃木県 | 25 | 5 | 20% |
愛媛県 | 17 | 3 | 18% |
宮崎県 | 20 | 3 | 15% |
岡山県 | 27 | 4 | 15% |
新潟県 | 27 | 4 | 15% |
徳島県 | 19 | 2 | 11% |
岩手県 | 30 | 3 | 10% |
和歌山県 | 20 | 2 | 10% |
富山県 | 16 | 1 | 6% |
鹿児島県 | 33 | 2 | 6% |
長崎県 | 18 | 1 | 6% |
北海道 | 108 | 6 | 6% |
秋田県 | 19 | 1 | 5% |
石川県 | 19 | 1 | 5% |
福島県 | 33 | 1 | 3% |
香川県 | 16 | 0 | 0% |
滋賀県 | 20 | 0 | 0% |
鳥取県 | 20 | 0 | 0% |
島根県 | 17 | 0 | 0% |
休館期間中の対応
休館中であっても資料へのアクセスを確保するため「予約受取」などの取り組みが広がっています。図書館によって運用はさまざまですが、事前に電話やインターネットなどで予約した資料について臨時窓口などで受け渡すなどの方法がとられています。休館している図書館のうち「予約受取」を実施している図書館は181館でした。ただし、緊急事態宣言の対象地域では、順次「予約受取」も停止する動きもあります。
休館中のアクセス性を担保する方法として「郵送貸出」「郵送複写」などの従来からの取り組みを継続するものや「宅配」に取り組む図書館が出ています。
休館中もレファレンス(調査依頼や相談など)についてはメールや電話などで継続することを明記していた図書館は61館ありました。
開館継続の場合の対応
北海道などの一部地域では、休館していた図書館が4月以降に再開されています。これらの図書館も含めて、開館している図書館(759館)においても開館を継続するために様々な運用の変更をしています。代表的な事例として「閲覧席の利用を制限」している図書館は166館ありました。
感染防止のために長期間の滞在を防止したり、接触を防ぐという観点から「新聞・図書の閲覧制限」を行っている図書館は36館ありました。また「インターネット端末の利用制限」は35館、住所氏名などの「入館記録」をもとめる図書館は9館ありました。
そのほかに事前予約制の入館(山梨県笛吹市)や県外・市外からの来館の自粛を求めるなど様々な対応がとられています。
「貸出冊数制限の緩和」を実施する図書館は19館ありました。
蔵書検索サービスへの影響
各図書館が提供する蔵書検索サービス(Web-OPAC)は通常通り運用されており、引き続き資料の検索性については担保されています。ただし、長期間の休館のため、多くの図書館が予約の停止などのシステム上の運用変更を行っています。
残念ながら一部の図書館は図書館システムやウェブサイトをシャットダウンしました。このような対応をとっている図書館は以下の通りです。
また、図書館は開館しているものの機器納入の遅れにより蔵書検索サービスを再開できない図書館(島根県川本町)が出ています。
調査データの公開
調査データをCC-0で公開します。このデータは誤りを含む場合がありますが、アップデートされません。
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