2016年1月7日

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館内案内アプリ「さばとマップ」を公開しました



カーリルでは、2014年9月から名古屋大学附属図書館での実証実験を開始するなど、屋内位置情報を活用した図書館サービスの研究・開発に取り組んできました。

2016年1月6日から、これらの技術を初めて公共図書館向けに本格的に導入した「さばとマップ」の運用が始まりました。

福井県の鯖江市図書館の公式キャラクター「れさのすけ・れさたろう」が本棚を案内します。
同アプリはGoogle Playストア及びApp Storeより無料でダウンロードできます。


「さばとマップ」は鯖江市図書館が公開したオープンデータを活用する形で、カーリルが開発したiPhone、Android向けアプリです。同アプリのソースコードはGitHub上でオープンソースとして公開しています。

屋内測位にはBLEビーコン(iBeacon)を採用しておりますが、ルールベースの測位エンジンにより、各種測定データをクラウド上に送信することなく、クライアントのみで測位することができます。これにより、ユーザーのプライバシーリスクが大幅に軽減されます。

測位エンジンは既にオープンソース化しており、測位ルールはオープンデータとして公開されるため、誰でも自由に鯖江市図書館の屋内位置情報を活用したアプリが開発可能です。

カーリルでは、図書館の案内図(配架図)をクラウド上で管理するサービスの準備を進めており、全国の図書館の"探しやすさ"改善を目指しています。





鯖江市図書館の「さばとマップ」案内ページ

鯖江で日本初!カーリル、ビーコンで図書館屋内ナビゲーションで本探しアプリ発表!-福野泰介の一日一創

2015年9月21日

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日本十進分類法(NDC)のオープンデータ化に向けて




 図書館の本は、分類番号順に本棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日本十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。

 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日本図書館協会により大幅に制限されており、検索精度の向上や様々な分野での図書館データベース活用の大きな障害となっています。また、カーリルのような新しい事業者には多額のライセンス料とデータの再配布を制限する契約を要求する一方、従来からNDCを活用している事業者はライセンス料を一切負担していません。このような運用は公益社団法人としてふさわしいものではありません。

 NDCは公共性の極めて高いプロトコルであり、だれでも、いつでも活用できるようにするべきです。これまでカーリルでは日本図書館協会に対して再三にわたりオープンデータ化を要請してまいりましたが未だ実現しておりません。現在、図書館関係者有志によりNDCのオープンデータ化に向けた署名活動が始まっており、当社もこれを全面的に支持します。

2015年9月21日
株式会社カーリル 
代表取締役 吉本龍司



署名とりまとめ窓口

〒305-8550 茨城県つくば市 春日1-2 
   筑波大学図書館情報メディア系 逸村裕研究室内
   NDCオープン化署名取りまとめ窓口


NDCは有償でライセンスされているのですか? (2015年9月22日追記)

日本図書館協会はNDCのデジタルデータをライセンス販売しています。これをMRDFといいます。NDC第9版のデジタルデータ版であるMRDF9は図書館40万円(税別)、企業100万円(税別)とされています。カーリルでは、契約書のひな型の提供の受け、契約に向けて検討しましたが、図書館と企業の基準や、許諾範囲などに曖昧な点が多く契約締結には至っておりません。

多くの図書館のウェブサイトでNDCを活用したサービスが公開されていますが? (2015年9月22日追記)

ライセンス契約を締結したうえで、別途日本図書館協会が許諾した場合は掲載することができるとされています。そのため基本的には各図書館がライセンス料を負担した上で、別途許諾を受けていると考えられます。例えば市川市立図書館や、高知県立図書館京都府立図書館など一部の図書館ではNDCを活用した絞り込み検索が可能です。しかし一般的に図書館に対しては「第三次区分表」までしかウェブに掲載することはできないとの見解が示されており、これにより多くの図書館システムでは分類検索の選択肢が第三次区分表までしか選択支援機能をサポートしていません。
また、ライセンス契約を締結していない図書館はOPACの書誌ページ等に分類記号は表示できても、それがとういう意味であるかを示すことができません。

ライセンス契約し、許諾を受ければいいのでは? (2015年9月22日追記)

カーリルが内部的に利用するだけではあればその通りです。
今後、各図書館が自らの所蔵データや書誌データ、あるいは配架図などのデータをオープンデータとして活用する際、これらのデータと密接に関わるNDCが必須となります。しかしNDCのライセンス契約は利用者ごとに締結しなければならないため、図書館の公開するオープンデータの活用が大幅に制限されることになります。これらのオープンデータは、もちろんカーリルだけではなく個人や法人、営利目的や非営利目的にかかわらず自由に利用できるようにするべきです。なお2014年10月時点で、"MRDF9のライセンス契約を締結した民間企業はこれまでにない"との見解を日本図書館協会より伺っております。

契約書案とはどういうものですか? (2015年10月16日追記)

日本図書館協会により2014年11月に提供いただいた契約書案では、適用範囲がNDC・MRDF9となっており、二次著作物は有償では頒布できない。無償の場合は承認が必要である旨の記述がございます。
このため、オープンデータ化の要望と平行して、ライセンス契約をした上で、カーリルが無償で提供する各種ウェブサービスにおいてNDCの利用する場合の条件についても問い合わせておりますが、問い合わせから1年近くたった現在でも可否の回答がございません。

図書館でNDCに基づき本を配置するのにライセンスが必要ですか? (2015年10月16日追記

ライセンス販売されているのはあくまでMRDFと呼ばれるデジタルデータです。NDCにより分類された書誌などのデータはこの範囲ではありません。そのため、図書館での本をNDCに基づき配置することには一切制限はありません。NDCを解釈するためのデータ集合としてNDCを扱う場合に、ライセンスの不明確さが問題となります。

一部記載内容の訂正について(2015/9/22 17:40)
ブログ発表時、日本図書館協会を公益財団法人と記載しておりましたが、公益社団法人の誤りでした。現在は該当箇所を訂正しております。

2015年8月3日

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お気に入り図書館が10件までに拡大!大幅な高速化を実現しました


この数日、カーリルは、全国の図書館から所蔵情報をリアルタイムに収集するスクレイピングエンジンの大規模なアップデートに取り組んできました。これに伴い、これまで要望が多かったお気に入り図書館の拡大が実現しました。より便利で快適になったカーリルをぜひ体験してみてください。


→お気に入り図書館の設定


前回のアップデートは2013年4月で、大規模なリニューアルは2年ぶりとなります。前回のアップデート時と比べカーリルのアクセス数は2倍以上となり、アプリ連携によるAPIの利用も大幅に増加しました。増加するアクセス数に対応しながら、より快適なサービスを提供するためには、新しい発想が必要でした。

新しいスクレイピングエンジンは様々な種類のアクセスに対して最適化されたスケジューリングを提供します。図書館システムへの過大な負荷を避けるため、アクセス集中時には誰かにお待ちいただくことになります。これが"遅い"の原因のひとつでした。

例えば都道府県単位の検索の場合は、所蔵している確率が高い図書館から先に情報を提供し、残りはゆっくり処理します。カーリルの検索結果では10冊の本が表示されますが、1冊目の本は10冊目に比べて再優先で処理します。
同じ図書館にアクセスが集中した場合でも新たに導入したアダプティブ(状況に応じた)スケジューリングにより、夕方やお昼時などアクセス集中時の速度が大幅に改善します。

図書館APIの応答速度改善にも取り組みました。APIの応答速度は従来の平均3倍となりました。これらの改善はカーリルだけではなくAPIを利用したスマートフォンアプリやウェブサービスなどにも適用されています。


※現在提供しているAPIの仕様変更はありません
※切り替えに伴うサービスの停止はありません

2014年11月4日

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図書館向けICタグ対応タブレット端末を開発しました

カーリルのものづくりプロジェクト、「カーリルラボ」では、図書館に役立つ最新技術の開発を推進しています。

株式会社カーリル(岐阜県中津川市)と、バルブ・バルブコアを主力とする自動車部品メーカー、太平洋工業株式会社(岐阜県大垣市)及びその子会社のピーアイシステム株式会社は、図書館向けICタグ対応タブレット端末を共同開発しました。太平洋工業が開発したNFC拡張アタッチメントの技術を図書館向けに応用し、カーリルが提供する各種図書館向けサービスと連携します。

図書館向けICタグは、主に図書館の業務支援や盗難対策として導入が進んでいます。しかし専用機器が高額であり、ICタグのデータ構造が標準化されていないため、コスト面ばかりでなく、サービス間の連携がなかなか進まないという問題がありました。

今回、ICタグのアンテナ面を図書館で使いやすい形状に変換する「NFC拡張アタッチメント」を開発したことにより、汎用的なタブレット端末やスマートフォン(NXP社製チップを搭載したAndroidなど)を据置型の端末として活用することができるようになります。カーリルでは、日本図書館協会フォーマットなど図書館で使われているICタグのデータ構造を広くサポートしたSDKの開発を進めており、カーリルの提供する各種サービスはもとより、他社の開発した図書館システムとシームレスに連携する仕組みを提供します。同技術は、ISO15693及びNFC規格に準拠し、ICタグの読み込みだけではなく、書き込みやAFIの書き換えもサポートしていますので、書誌情報と連携したサイネージとして活用できるほか、貸出・返却処理とも連携可能です。

なお、カーリルでは、このデバイスの試作品をパシフィコ横浜で開催される図書館総合展2014年11月5日~7日)で展示します。