図書館のこんな仕事が面白い★大学図書館で聞いてみた

図書館で働いたことはありますか?
普段通っている図書館の”なかのひと”はどんなことを考えているのでしょうか。今回は、キャリアパワーと東洋大学白山図書館の協力で、「図書館のこんな仕事が面白い」をピックアップします。
(※この記事は株式会社キャリアパワーによるPR記事です)

4月に改装オープンした東洋大学白山図書館

お伺いしたのは、この春に改装して新しくなった東洋大学附属図書館。白山キャンパスの中央にそびえる16階建ての建物「図書館・研究棟」、地下2階から地上2階までが白山図書館です。図書館の中には、学生たちがより学習や研究しやすいよう、新たにPC室、グループ学習室、セミナールーム等が設けられました。

取材は夏季休暇中の早い時間だったため、学生の姿はあまり見られませんでしたが、グループ学習室は普段は予約でいっぱいで、学生たちの声でとても賑やかなんだとか。

机や椅子を自由に動かしてレイアウトできるラーニングフォレストは予約不要で使えるので、友人との共同作業の際にもぴったりです。

春からこちらの図書館で働き始めた4人のスタッフに、図書館の仕事の楽しさを伺いました。

楽しいのは、新着図書を出す仕事


白澤さん:1階の受付では、本を扱う業務は多くありません。毎日たくさんの方と顔を合わせる仕事です。本学の学生は、学生証を持っていれば入館できるのですが、コンソーシアム提携校や相互利用協定を結んでいる機関の利用者、地域の方等が利用する場合は、受付で利用申込をして頂きます。色々な方がいらっしゃって楽しいですよ。特に夏季休暇期間中は、文京区、板橋区、北区にお住まいの方にも開放しているので、開館時間前に15人程並んで待っていらっしゃる場合もあります。開館直後は対応におおわらわです(笑)

受付は図書館の1階で、多くの方が利用する通路に近いので、道や場所を聞かれることも多いです。例えば、飲み物はどこで買えるかとか、建物の場所とか。図書館が入っている2号館は、教授の研究室が上階にあって、そこを尋ねる学生に研究室の場所を聞かれることもあります。

また、受付近くには掲示板があって、ポスターを貼る担当もしています。新しいイベントの情報をいち早く知ることができたり、珍しい展覧会を見つけたりすると、おっ! と思います。これも楽しいですね。

一番楽しいのは、新着図書を出す業務です。実際本に触れることもできますし、最新の情報も入手できます。こんな本があるんだ、と思いながら本を並べるのがとても楽しいですね。

楽しいのは、書架整理

児玉さん:私は地下1階のメインカウンターで、貸出・返却や、文献検索のお手伝い、レファレンス等を行っています。いわゆる「図書館で働く」と言って思い浮かぶような仕事です。一番多いのは貸出・返却で、予約本を探してお渡しするのも業務のひとつです。

メインカウンターには、利用者の方が本の場所を聞きにいらっしゃることが多いです。お年を召した利用者の方は「PC操作なんてできない!」と、入館してまず最初にカウンター直行、ということもよくあります(笑)「この本はどこにありますか?」と。もちろん、使ってみたいという方には検索端末の操作方法をご案内することもあります。学生は自分で必要な本を検索して見つけて探しに行ってますね。

そんなに多くはないですが、レファレンスを利用した方にうまくご案内できると、お互い満足できて嬉しいですね。テーマによっては得手不得手があるので難しい場合もありますが。「どうやって本を探したらよいか」という場合には、パスファインダーという、特定の情報を得るために図書館が提供できる関連資料のリストをご案内することもあります。結構便利ですよ。

それ以外も含めた全ての業務の中では、配架と書架整理が好きです。やはり本が好きなので、本と向き合いながら書架を整えていくと静かで落ち着いた気持ちになれます。楽しいですよ。

楽しいのは、学生の研究のお手伝い

大竹さん:私たちは少し特殊に思われるかもしれません。担当が学習PC室「まなぴ」なので、いわゆる「図書館の仕事」と言って想像するものとは違うことをしています。本を扱うことは殆どなく、学生さんのPC操作のお手伝いや、必要な情報にたどりつくための手助けをしています。

司書資格を持っているんですが、実際その知識を活用するような場面はあまりないように見えるかも…。PC操作の案内は、本以外にも、色々なデータベースやウェブサイト等で情報を得ることも「知へのアクセス」という意味でも、図書館の大切な業務だと思っています。

PC室の業務は、学生にPCソフトの操作方法を教えたり、レポート作成に必要な情報をデータベースで探す方法を教えたりすることです。卒業研究のために統計ソフトの使い方を教えてほしいと言われ、詳しくなかったので一緒に勉強しながら教えることもありました。「統計ソフトの使い方を調べるのも研究のうち」と、それも含めてご案内しました。

佐藤さん:私は実は学生をしながら図書館で働いています。学生の立場だと、レポート提出間際になって泣きそうなところで手伝ってくれるととても助かるという気持ちはよくわかります。が、ぎりぎりで参考資料が貸し出されていて無いときもあるので、自分も含めてですが、できれば余裕を持って取り組むようにしたいですね(笑)

大竹さん:働き始めて意外だったのは、現代の大学生はPC操作なんて簡単にできるだろうと思っていたら、意外と基本的な操作を知らない学生が多かったことです。でも意欲があってすぐに慣れて覚えてくれますよ。

大変なこともありますが、やはり学生と一緒に考えながら、学生の目指すところにたどりつけると嬉しいし、楽しいですね。

(杉山@カーリル

【PR】大学や大学図書館に特化した人材サービス会社キャリアパワー

今回は大学図書館の現場でお話を伺いましたが、皆さんの想像していた図書館の仕事と比べてどうでしたか。
ご紹介した4名は、キャリアパワーで図書館のお仕事を見つけた方々です。エプロンにはおそろいのカーリルコラボバッジが光ります。大学図書館にお越しの際は、ぜひエプロンにも注目してみてくださいね。
図書館で働く人をサポートする株式会社キャリアパワー。どんな会社なのか、営業開発担当の山下さんにお話を伺いました。

山下さん:弊社は人材サービス業として、30年程前に京都で事業をスタートしました。大学や大学図書館の人材派遣や業務委託に特化しています。

人材派遣と業務委託は指揮命令系統が異なり、派遣の場合は図書館の職員が、委託の場合は弊社が指揮をすることになります。法律に関わる部分で複雑なことも多いので、要望があれば大学職員向けの研修も行います。こうしてコンプライアンスに力を入れ、業務の区切りを明確にしています。

図書館業務は大変専門性の高い仕事です。目録の整理から、ILL、学習・教育支援等、専門知識が要求される業務がたくさんあります。専門性を持った方に、ぜひその力を生かしていただきたいと考えています。

弊社は色々な方に門戸を広げています。初心者、若い人、挑戦したい人、ぜひキャリアパワーで一緒に働きましょう。新卒や、未経験で始める方も多いですよ。最初は現場に入る前の研修で、図書館業務のノウハウや、知的財産に関する知識も学んで頂きます。その後現場に入ってからは先輩についてOJTで業務を覚えていきます。経験を積んで、ステップアップしていくことも可能です。

すでにたくさんの方が大学や大学図書館で働いています。やはり本が好きな方が多く、本に囲まれた職場はとても楽しいそうです。

現在は司書の有資格者のみの受付ですが、今後は司書資格取得支援もしていきたいと考えております。ぜひ一緒に図書館で働きましょう。

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ブログやサイトと図書館を簡単に連携! 「カーリルウィジェット」が正式スタート

ブログやウェブサイトと図書館を簡単に連携できる新サービス「カーリルウィジェット」をスタートしました。

カーリルウィジェットを設置すると、お気に入り図書館の蔵書状況が表示されます。カーリルを開かなくても蔵書状況がわかるので、とっても便利!

カーリルで開く

誰でも無料で利用できます

カーリルウィジェットは、誰でも無料で利用できます。

カーリルにログインして、ウィジェットのページで利用登録をしてください。その場ですぐに使えます。

 >>>さっそくカーリルウィジェットを使ってみる

ブログに設置するとこんな感じに

ベータテスターの皆さんには、こんな風に使って頂いています。ご協力ありがとうございました。

あいるらんどまにあ!

Paqn![パキュン]

本のこまど

こもちあっこのブログ

◇Redmagic http://redmagic.cc/blog/
◇よしなしごと http://otani0083.hatenablog.com/entry/2013/08/10/010745
◇Cafeで読書会@古賀 http://kogayomi.ldblog.jp/

・・・などなど。

みなさんもぜひ、ご自分のブログやウェブサイトにカーリルウィジェットを設置してみてくださいね。

(杉山@カーリル
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・途中でわからなくなってしまったら:こちらからお問い合わせください

ビブリオバトルで子どもの図書館利用率アップ?! 子どもたちが考える読書の楽しみ方

7月の下旬、全国の小学生を対象とした「読書と体験の子どもキャンプ」が行われました。

93名の小学生たちがこのキャンプで、国際子ども図書館の見学等の読書に関する活動とともに、野外炊飯活動を体験しました。

中でも注目は2日目の2つのワークショップです。今話題の「ビブリオバトル」に続き、10班にわかれてグループディスカッションを行いました。

ディスカッションでは、本をどこで読むか、誰と読むか等、様々な視点での白熱した議論が交わされました。

どこで、誰と、どうやって読書すると楽しいのか

グループディスカッションのテーマは、「読書の楽しみを広げよう」。
一人ではなく、周りの人と一緒に本を囲むことで、より一層楽しめると考える子どもが多かったようです。ただ読むだけではなく、読んだ感想を共有したり、本を読んだらスタンプがもらえたり。。
地域の人や家族、小さい子どもやお年寄りと読書をするというアイデアもありました。
街の中に本棚を作って、読んだら本の裏にコメントを書いて交流するのも面白そうですね。ちょっとブッククロッシングに似てるかも。

元々本が好きな子どもたちです。図書館をもっと楽しく充実させたい! という意見もたくさんありました。
また、ほとんどの班に共通していたのが、一つ目のワークショップで行ったビブリオバトルをもっと広げたいということです。やってみたらとても楽しかったそうで、帰ったら友達ともやってみたいと思うようになったとのこと。
最近は図書館でビブリオバトルを実施するところが増えていますね。この組み合わせ、とっても相性がいいと考えた子どもも多かったようで、様々なアイデアが出されました。
子どもたちに大人気のビブリオバトルとはどんなものでしょうか。

ビブリオバトルとは

ビブリオバトルは、「知的書評合戦」と銘打ったゲームです。老若男女問わず、特別な技術が無くても誰でも気軽に参加できるのが魅力ですね。

「ビブリオバトルは誰でも(小学生から大人まで)開催できる本の紹介コミュニケーションゲームです.
「人を通して本を知る.本を通して人を知る」をキャッチコピーに日本全国に広がっています!」

【公式ルール】
1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2.順番に一人5分間で本を紹介する.
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

このキャンプのビブリオバトルは、少しルールを変更した特別版でした。

通常はその場で語るのがビブリオバトルの暗黙のルールですが、今回、小学生にはそれぞれのおすすめ本について、事前に200文字の紹介文を書く課題が出されたそうです。考えたことを文章にすのもなかなか難しいものです。

ただし、実際にビブリオバトルをする時はもちろん発表原稿なし。プレゼンテーション3分+質疑応答2分のプチバトルでしたが、3分でも時間が余ってしまう子もいたとか。今回は1班10人程度と人数も多く、会ったばかりの人に囲まれての発表は、やっぱりちょっと緊張してしまいますね。

今の小学生がどんな本に興味を持っているのか、気になりませんか? 当時の私には手が出せなかっただろう難しい本もエントリーされています。
各班で選ばれたチャンプ本は、こちらの本のレシピにまとめました

ビブリオバトルがとにかく楽しかった!

やってみたら楽しかったビブリオバトル、自分の身近に取り入れたいという思いは、「読書の楽しみを広げよう」のワークショップにも表れていました。

友達と一緒にビブリオバトルをすることで、読書も友達の輪も広がっていくというアイデア。

家庭でビブリオバトルを取り入れると、お互いの考えていることもわかり、コミュニケーションも図れそうです。

図書館の改善案も出ました。話をしたり、ビブリオバトルしたり出来る場所を作ることで、もっと図書館に行きたくなるとのこと。声を出せると友達との交流も出来ますね。

ビブリオバトルをする場所を「ビブリ場」と名づける班もありました。ビブリオバトルをすることは「ビブる」と言うそうです。たまたま一人が噛んでしまったことがヒントになったとか。図書館に「ビブリ場」を作って、たくさんの人とビブリオバトルをしたいということです。図書館の方々、ぜひ前向きにご検討ください。

図書館がビブリ場になる日はもうすぐそこ

ビブリオバトルの発案者でワークショップ講師の谷口さんも、子どもたちのビブリオバトルを興味深くご覧になったようです。

元々、ビブリオバトルは谷口さん自信が誰かに本を紹介してほしいと思って始めたものだそう。偶然で新しい本との出会いを提供するという意味では、ビブリオバトルと図書館に共通したものがあるような気がします。

実際、ビブリオバトルを実施する図書館が増えています。図書館に行くとその場ですぐに参加できる「ビブリ場」ができる日も近いかもしれませんね。

(杉山@カーリル

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<関連リンク>
知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
小学生のビブリオバトルでチャンプ本に選ばれたのはこれだ!
全国の小学生100人が考えた「夢の図書館」がすごい
青少年教育情報センター
国立青少年教育振興機構
文字・活字文化推進機構

図書館活用のすすめ。暑い夏はクールシェアで乗り切ろう!

暑い日に一人でエアコンをつけるのではなく、涼しい場所に集まって一緒に過ごす「クールシェア」という取り組みが広がっています。図書館もクールシェアスポットとして注目されているようです。

クールシェアは、ただエアコンを消したり、設定温度を上げたりして節電しようという、従来のエコの考え方とは姿勢が異なります。複数人で集まって、時間や活動を共有しながら涼しく過ごすのがクールシェアのポイントだそうです。そこで、クールシェア提唱者の堀内正弘さん(多摩美術大学教授)にお話を伺いました。

きっかけは東日本大震災での電力不足

クールシェアのアイデアは、東日本大震災直後の大学のゼミで学生たちのディスカッションの中から生まれました。当初は計画停電回避プロジェクトとして始まりましたが、ピーク時の電力をカットするためにどうするかを考えた結果、今のクールシェアの形になりました。

2012年度には環境省の施策にも取り入れられたことで、全国に広まりました。

楽しむことで取り組みが広がっていく

これまでの「節電」「省エネ」対策と異なるところは、頑張らない、無理をしないということです。例えば今までは冷房の温度を28℃に設定して節電を、使いすぎの自粛を、と呼びかけられていたのですが、28℃では暑くて結局温度を下げてしまって節電にならないし、そもそも面白くない。

クールシェアは、ある程度人数が集まっていれば、温度を下げてもいいと思っています。出かけたり、人と一緒に過ごしたりすることで気晴らしにもなるし、交流があれば面白いですよね。

出かけなくても、家で自室にこもるのではなくてリビングに家族が集まるのも立派なクールシェア。家族での交流も出来るし、結果的に省エネになります。

クールシェアは皆がハッピーになる仕組み

クールシェア事務局の入口

現在では、公共施設だけでなく、カフェやデパート等もクールシェアスポットとして登録されています。カフェや居酒屋は、クールシェア特典があるところもあります。

デパートや百貨店は元々休憩スペースがあるのですが、そういった場所にただ涼みに来てくださいという案内をしています。涼んでもらうことで、新たな発見があったり、ついでに買い物をしてもらえるかもしれない。お客さんは涼しくて快適に過ごせるし、お互いいいことがあるんですね。

クールシェア事務局はコワーキングスペースなのですが、ここもクールシェアスポットとして登録しています。一緒に仕事をすることはもちろん、キッチンを使って料理をしたり、音楽イベントをしたり、子育て中のお母さんが来てくれてもいいんです。

他にも、自宅の空き室を近所の方に開放して交流するのも楽しめますね。

もちろん、公共施設に行くのも立派なクールシェアです。最近では自治体で推進しているところも多くて、お茶や水のサービスがあったりします。中でも図書館は数が一番たくさん登録されている施設です。

クールシェア、ウォームシェアを世界へ

冬の寒い時期も同じように「ウォームシェア」を提唱しています。一人ひとりが少し行動を変えることで、トータルでエネルギー消費を減らしていく活動。これは全世界で取り組むべき課題です。

地域の人と一緒に楽しみながら、ぜひクールシェア、ウォームシェアを世界に広げていきたいですね。

  *  *  *

シェアマップで近所のスポットを探してみよう

どうでしょう。クールシェア、ちょっと気になってきませんか?
クールシェアを実施している場所は、マップで探すことが出来ます。(モバイル版もありますよ)

ちょっと見てみると図書館の他にも、立ち寄ってみたくなる場所がありそうです。暑い夏、クールシェアで乗り切りましょう。

(杉山@カーリル

<関連リンク>
COOLSHARE,エアコン消して涼しいところに集まろう
シェアマップ
クールシェア・ウォームシェアのすすめ|ECOネット東京62

多読で英語嫌いを克服できるかも?! 東京・学校図書館スタンプラリー2013レポート

「たどく」という英語学習法があるということを耳にするようになりました。
漢字で書くと「多読」です。

調べてみたところ、多読学習法とは、自分の力で読めるレベルの本をたくさん読むことによって、自然に英語力が身につく方法だそうです。あまり勉強している感じじゃないのが、何となくよさそうですね。

現在開催中の「東京 学校図書館スタンプラリー」参加校の都立稔ヶ丘高校図書室で、司書教諭による英語多読の講習会があると聞いて、興味しんしんで参加してきました。

多読のルールは簡単!

多読三原則は、
 1.辞書は引かない
 2.わからないところは飛ばす
 3.つまらなければやめる。





普通の英語の授業では、わからない単語は辞書を引き、全てわかるまで皆で読み込んでいきますよね。これを精読と言います。でも多読はその逆で、興味を持ち続けることが大切なのだとか。

日本語の本が面白くなかったら読むのをやめるのと同じように、英語の本も途中でやめてOK。

わからない単語が出てきても、いちいち辞書を引かずに読み飛ばします。むしろ辞書は引いちゃダメで、見なかったことにするのが正解だそう。

多読を始めた頃に読むのは絵本なので、見ていればなんとなーく、意味がわかるようになっています。百聞は一見にしかず、ですね。

また、重要な単語であれば、その後も何度も出てくるうちに覚えるし、イラストと単語をセットで覚えておくと、文字だけの難しい本に挑戦した時にもスラスラ読めるんだとか。

例えばこちらの『A Cat in the Tree』、簡単な絵本なのですが、見慣れない単語が出てきます。
“Wilma’s dad was stuck.”
ウィルマのお父さんは、一体どうしたのでしょうか。
木に登った猫を助けようとして、木に登ったお父さん。イラストから推測するに、どうやら、足を踏み外して身動きが取れなくなってしまったようです。
“stuck”は「身動きが取れない状態」のことだということが、なんとなくわかるようになりました。

外国の文化に親しむうちに、いつの間にか英語が身についている

「かくれんぼ」「つなひき」「かさぶた」「風見鶏」・・・。

これらの単語、英語で何と言うかわかりますか? 稔ヶ丘高校で多読をした生徒さんは、パッと答えられるのだそうです。英語は得意ではないのに、こんな単語がいつの間にかわかるようになっているのも、日常使う生きた英語をたくさん読んでいるから。

本文には全く文字が入っていない、『The Library』のような本もあります。

図書館のカウンターで顔をしかめるお父さん、実は延滞の罰金を払っているところ。日本の図書館でお金を払うことはまずないので、イギリスで本を借りるときは気をつけないといけませんね。

こうして多読をしていくと
 ・英語の世界が豊かになる
 ・外国の文化や慣習を知ることができる
 ・英文を読むのが楽しくなる

・・・かもしれないそうです。昔受けた英語の授業は大変だったけど、わかるところだけ読めばいいなんて、多読っていいですね。

興味がわくものから、どんどん読んでみる

稔ヶ丘高校の図書室のレファレンスルームは、部屋全体が多読コーナーになっていて、どこから読み始めようか迷ってしまうほどです。公立図書館でも、ここまで揃えているところは多くないのではないでしょうか。

多読講座が終わると、見学に来ていた中学生も、早速本を手にとって読んでいました。

スタンダードな英語の絵本の他にも、こちらの図書室には色々なタイプの本があります。

ディズニーシリーズは、一通り読み終わると、最後に簡単なクイズが出題されます。(英語圏での)国語のドリルのような感じかな?

ジブリもありました。
こちらは映画を元にした漫画形式でフルカラーです。ストーリーはわかっているから、少しくらい知らない単語が出てきてもへっちゃらですね。ただ、個人的には全部大文字で書かれていて読みづらいですが。。

図書室を見て学校を決めたくなるかも?

カラフルな本を見ていたら、多読したい気持ちがむくむくとわきあがってきました。

自分の通っていた高校の図書室にこんなコーナーがあって、多読の授業があったら、絶対英語得意になってただろうに!(受験英語除く。)

今回参加していた中学生は、「友達に誘われて参加した。図書室だけで高校を決めることは無いが、本は好きだし、朝読書で読む本は図書室で選んでいる。面白かった。」と言っていました。

学校図書館スタンプラリーを回りながらの学校見学、やっぱり面白いですね。来年はどんな企画が飛び出すのか、楽しみにしています。

(杉山@カーリル

<関連リンク>
東京 学校図書館スタンプラリー
東京都立稔ヶ丘高等学校
高校選びは図書室が決め手! 学校図書館スタンプラリーが開催中(2012年の様子)
多読で英語嫌いを克服できるかも?!-稔ヶ丘高校木場先生ご紹介の関連書籍
それ以外にも「多読」の本をカーリルのレシピで探す!
tadoku navi - 多読学習支援システム