「北欧の図書館に行きたくなる話」を聞いてきた

明治大学和泉図書館で「北欧の図書館に行きたくなる話」が開催されました。

北欧の図書館といえば、行ってみたい世界の図書館として時々話題になります。
中央大学職員の梅澤さんの体験談が面白いということで、北欧の図書館に行ったことのある二人の発表者を加えてこのイベントが企画されたそうです。

北欧は日照時間が短いため、どの図書館も外の光をたくさん取り入れられるように大きな窓があるのだそう。これが、開放的な図書館建築につながっているようです。
歴史的な建物でも、図書館の内部は現代に合わせて進化しており、完成当初のクラシックな雰囲気を残した区域と、明るい光を取り入れたモダンな区域が隣り合わせで存在しているとのこと。

さらに大学図書館は市民に開かれているため、特別な手続きも必要なく利用できるそうです。本は読めなくても、観光でもぜひ訪れてみたい場所ですね。

今回は、10館紹介いただいた中から当日会場投票によって選ばれた、「行ってみたくなる図書館ベスト5」を詳しく紹介します。なお、記事中の図書館の写真は、発表者の杉谷美和さん、梅澤貴典さん、松田雄二さんにご提供いただきました。ありがとうございました。

第1位 ストックホルム市立図書館(スウェーデン)・・・梅澤さん発表

今回、北欧の図書館をいろいろ回りましたが、実はこの図書館に行ってみたいがための旅行でした。四角い箱の上に丸いケーキが乗っているよう斬新な形をしているのですが、建てられたのは1928年です。中に入ると、丸いところの壁は360度書架になっていて、本棚が三層に並んでいるのが圧巻です。「今日はこの図書館で勉強するぞ!」というワクワク感がある。このワクワク感が大事だと思います。自分で図書館をつくるなら、そういう演出ができるといいですよね。ここに行けてよかったです。

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第2位 マルメ市立図書館(スウェーデン)・・・松田さん発表

マルメ市立図書館は超有名な建築家ヘニング・ラーセンの設計で、改装した旧館と新館をあわせた広い図書館です。子どものコーナーは靴を脱いで入るようになっており、カラフルでちょっと隠れられるような家具が設置されています。全面ガラス張りで光をふんだんに取り入れられる吹き抜けがあり、これを見た時はとんでもなく感動しました。

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第3位 ウプサラ大学図書館(スウェーデン)・・・梅澤さん発表

図書館は広い場所に建っている大きな建物です。入口を少し奥に入るとムーディな場所があり、ゆったりした閲覧席が並んでいます。ソファの背もたれが高いのは特に意味はなさそうですが、周りの目を気にせずに学べるというのは、女性一人でも安心していられてとてもいいですよね。広い吹き抜けの空間や、螺旋階段、閲覧席を見下ろすような渡り廊下もあって、立体的な空間を演出するつくりになっています。

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第4位 デンマーク王立図書館(デンマーク)・・・梅澤さん発表

デンマーク王立図書館は通称「ブラック・ダイヤモンド」と呼ばれています。外観はその名の通り、真っ黒でダイヤモンドの形をしています。これに関しては賛否両論あり、美しいコペンハーゲンの街にそぐわないと反対する意見もあるそうです。中は近代的なエスカレータがあるかと思えば、すぐ向こうに歴史を感じるカード目録があるなど、古いものと新しいものが融合されている図書館でした。その日の気分や用途によって場所の使い分けができそうです。

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第5位 ヘルシンキ大学中央図書館(フィンランド)・・・杉谷さん発表

この図書館は、日本だと「~だったらどうすうるんだ。」となりそうなところを「~だったらいいよね。」という思想に基づいて空間がデザインされているような印象を受けました。とても開放感がある白を基調とした気持ちのいい空間に、カラフルな家具が置いてあります。螺旋状の階段で上下階の雰囲気がわかりやすく、次の階に行ってみたくなる演出がいい。自動返却仕分け機があって、ガラス壁の向こうの返却作業が見られるようになっています。様子がわかるからか、とてもきれいに保たれていました。

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次回の特集は北米の図書館

この「図書館に行ってみたくなる話」、次回の特集は北米(カナダ、アメリカ)です。開催は夏前、発表者も募集中だそう。話してみたい方、聞いてみたい方、明治大学図書館のウェブサイトTwitterをチェックしてみてくださいね。

(杉山@カーリル
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