全国の小学生100人が考えた「夢の図書館」がすごい

8月3日~5日の3日間、国立オリンピック記念青少年総合センターで「わくわく子ども読書キャンプ」が行われました。ここでは、キャンプを通して友達に読書の楽しさをや大切さを伝える「子ども読書大使」の育成を目指しています。
今年で5回目。全国38都府県の読書活動優秀実践校など49校の小学校5・6年生96名が参加。ワークショップでは「わたしたちの夢の図書館」を考えました。
カーリルは、3日目のワークショップ発表会に潜入し、子どもたちがどんな図書館を夢見ているのかを探ってきました!
 * * *
本番直前。入念にステージでの発表練習を行います。

「あー、うまくいくかな。緊張する!」

さあ、いよいよ発表の時間です。グループは全部で10班。順番に見ていきましょう。
◇自家発電もできる「ECOドリームブックタワー」
まずは1班。
こんな図書館であってほしいという意見を出し合ったのがこちら。
例えば図書館は「全てが自由な場所」。読むことも感じることも自由、自由に時間を過ごすことができる場所が理想とのことです。

それらの理想を叶えてくれる夢の図書館が「ECOドリームブックタワー」。
観光地にあるタワー型の図書館で、駅から直通になっているとのこと。風力発電やソーラー発電に加え、階段の上り下りでも発電ができちゃいます。余った電気は電力会社に売って、本を買うお金に充てるそう。

入館時に本を返却する際には、汚れ探知機「ピー」を通さなくてはなりません。本が汚れていると警告音が鳴る仕組みです。皆が借りるものなので、本の汚れや破れを素早く探知してくれます。なんと今なら59,800円! お買い得です。
館内には、世界の図書館にワープできる入り口もあります。ゲートをくぐるとそこはイギリス。ハリーポッターの本を借りるには、英語で依頼しないと通じません。

他にも、目の見えない人が気軽に読書できる、読み聞かせロボットがいる階、水族館のある階、展望台と露天風呂がある階などがあり、色々な体験ができるようになっています。休日に家族皆で遊びに行けそうですね。

◇別館はまるで物語の中のお菓子の家

次は2班です。
こちらは3階建ての本館と別館に分かれています。
本館の1階は図書館で、パソコンに読みたい本を入力すると、ロボットがどこにでも本を運んでくれるそう。ウイーン、ガシャ、ガシャ、ガシャ。

2階はコンピュータルームと読書ルームがあり、調べたいことをじっくり調べられます。
3階では、本をムービーにすることができるそう。素敵な機能!
屋上では、緑の中のハンモックに揺られながら本を読めます。

別館のお菓子館は、まるでお菓子の家。チョコの香りがするドアや、クッキーやグミでできた壁があり、食べることもできます。本にカバーをかけてあるので、もちろんお菓子を食べながら読んでもOK。
もう一つの別館・古代館は縄文時代をイメージした竪穴式。冬はこたつにあたりながら、夏は涼みながら本を読むことができ、火おこしの体験もできちゃいます。

また、クリスマスや誕生日には本をプレゼントしてくれるという素敵な図書館だそうです。

◇本を借りるとポイントがたまるサービスも

つづいて3班。
テーマは「ブックパラダイス」。タワー系とお城系の図書館が日本にあり、後々は海外や宇宙にも同様に展開していくそうです。窓からはエッフェル塔や自由の女神、ビッグベン等、様々な景色がみえます。館内にはお笑い芸人が来て場を盛り上げてくれるとか。また、音楽を聴きながら本を読むこともできます。楽しそうですね。

本を借りるとポイントがつき、ポイントが溜まると景品がもらえます。また、今まで読んだシリーズ物の新刊が出ると貸出してくれるサービスもあります。

館内には自動本売機が設置されています。読みたい本が貸出中の時や、読んだ本を手元に置いておきたい時等にその場で買えて便利ですね。

◇館内にホテルを併設。「ハテNA図書館」

お次は4班。
この班は、朝のニュース形式での発表です。アナウンサーが、スカイツリーの形をした「ハテNA図書館」が開館したことを伝えます。この新しい図書館は、どんな図書館なのでしょうか。

ハナNAのハは「ハイテク」のハ。移動図書館に電話するといつでも家に来てくれ、世界中の翻訳された本が読めます。図書館内には行きたい場所をバーチャル体験できるブースや、3Dの立体画像が見られる図鑑もあります。
図書館にはホテルも併設されており、飲食もできます。また図書館は24時間営業なので、いつでも好きなときに本を借りられます。
泥棒がすぐにわかるセンサーもついているので、悪いことはできませんよ。

館長や司書さんへのインタビューも。この図書館を作ったのは疑問(はてな)を解決してもらうためとのこと。また図書館の中はゆっくりリラックスして本が読めるようになっているそうです。いいですね。

◇図書館は宇宙船。宇宙の果てでも出張します

5班の発表を見てみましょう。
図書館は宇宙船の形をしており、宇宙人のスタッフもいます。年中無休・24時間営業で、空を飛ぶこともできるので、宇宙への出張もお手の物。

1階には図書館、本屋、広場があります。自分の好きな本の世界に入れる機械があり、登場人物になって本の世界を楽しむこともできちゃいます。本屋で本を買ったり、広場で絵の展覧会を見たり、楽しむ方法が色々。

2階には雑貨店、飲食店。パソコンルーム、リラックスルームがあります。食べ物はリラックスルームに持ち込みができます。マッサージを受けてからの読書もいいですね。

屋上には噴水や流れるプール、遊具等があり、思い思いに読書を楽しめます。図書館の本は防水なので、プール持ち込みOK! ピクニックができる芝生もあって、天気のいい日はとっても気持ち良さそうです。

◇休日には家族で行きたい空の上の図書館

6班の発表はどうでしょう。
テーマは、皆が楽しめて使いやすい「空の上の図書館」。地上からはエレベーターで行くことができます。
1階には子ども部屋、子ども向け図書館、大人向け図書館があります。窓からの景色は抜群。親が子どもを安心して遊ばせられるように、目の届く場所に子ども部屋があるのがポイントです。

2階にはゲーム室とレストラン、体験室があります。ゲーム室では、本の世界をゲームとして楽しめます。体験室では本の世界に入ることができます。例えば車の部屋に入ると、免許が取れて運転もできちゃいます。そして、レストランでの飲食は全て無料。食事も楽しめるなんていいですね。

3階には書庫があり、膨大な蔵書が収められています。勉強の部屋は、調べ学習等に集中したい場合に便利。お掃除おばさんロボットがいつも清潔にしてくれるので、ちょっとくらい消しゴムのカスを落としてもへっちゃらですね。また、本を作る部屋もあります。自分だけの本を作って、図書館に展示したり持ち帰ったりできます。
図書館は移動式なので、全国どこへでも飛んで行きます。たくさんのお申し込みをお待ちしています!
◇図書館が毎月模様替え。おしゃれな亀の”BOOK LAND”
7班はスタートから劇仕立て。
昨日行った図書館は堅苦しくてつまらなかった、という子どもたちに博士と助手たちが、夢の図書館「タートル BOOK LAND」を紹介します。
「図書館」だと静かで堅苦しい感じなので「BOOK LAND」とつけて楽しいイメージにしたそう。

このBOOK LANDは亀の背中にあるため移動ができ、動きがゆったりしているのでリラックスできます。中には資料室、子どもの部屋、読み聞かせコーナー、赤ちゃん施設、体育館、カフェ、ホール、勉強部屋等があります。疑似体験コーナーで、本で読んだことを体験したり、家庭科室で本の中に出てくる料理を作ったりもできます。
枝の上の本作りコーナーでは、自分で好きな本を作ることができ、図書館に置いてたくさんの人に見てもらえます。

外の木にはたくさんのブルーベリーが実っており、かわいい動物がたくさん住んでいます。この亀は陸上では時速1km、水中では時速80kmで移動します。女の子でおしゃれ好きのため、毎月甲羅の模様が変わります。来月は水玉やストライプになってるかも。

少年たち、楽しい図書館があるってわかったかな? また利用したまえ、と博士は優雅に去って行くのでした。
◇閉館後に真剣ミーティング。サービスを改善するには

8班のメンバーは、図書館員となって、閉館後に図書館をより良くするためのミーティングを行います。どんなアイデアが出てくるのでしょうか。
まずサービス面では、図書館を移動図書館として、多くの人が利用できるようにします。24時間毎日開館し、貸出期間を1ヶ月間とする。気に入った本は購入できるようにする、宅配サービスをするというのはどうでしょうか。

ドーム型の天井を利用して、プラネタリウムを上映したり、自作の絵本や詩、小説等が出版できても面白いと思います。イベントコーナーで、月に1回図書新聞を作ったり、オススメ本を紹介し合ったりもいいかもしれません。体験コーナーで、理科の実験ができたり、五感を使えるようなゲームがあるといいと思います。

世界の料理や国旗、遊びや洋服がわかるコーナーをつくり、外国語の本を日本語訳してくれる機械を導入したいです。皆が楽しめる「誰でもコーナー」を作りたいです。点字の本を増やしたり、リクエストすると朗読してくれたりというサービスを提供します。
読書スペースを増やし、庭に植物を植えて気持ちのいい空間を作るという提案をします。あと、飲食店で大人が飲めるコーヒー等のドリンクの種類を増やしたり、パン等の軽食を置きましょう。

「皆の想いを形にする」を大切に、夢の図書館を作るぞー! と、気合いを入れて締めくくりました。
◇ピラニア注意! 動物と触れ合えるブックワールド
9班です。
テーマは「くつろげて楽しめるブックワールド」。どんな夢の図書館が出来上がるのでしょうか。本の形にした模造紙を使って案内してくれました。

図書館の外には木の部屋があり、本がたくさんあります。動物や魚の図鑑が中心です。丸太に座ったり、ハンモックに座って本を読んだり、動物に触れ合うこともできます。食べられる木の実も豊富。池にはスイミーもいます。ピラニアもいるので泳がないように注意!

図書館の床には人工芝が生えており、天井はガラス張りになっています。世界中のあらゆる種類の本が揃っています。見つからなかったら検索機を利用できます。外国語の本を翻訳してくれる機械もあります。体験コーナーでは、本の世界に入って楽しめます。レストランでは軽食がとれます。お話の部屋では七夕等のイベントも開催されます。

◇図書館では誰でも魔法使いになれる

最後は10班です。
大切にしたのは、年齢関係なく誰でも楽しめる図書館であるということだそう。
できあがったのは「ツリーハウス図書館」。外側は色付きのガラスでできていて、ツリーハウス型です。

中では本に関係する様々な魔法が使えます。読みたい本を自分の所に呼んだり、本の中に入り込んで物語を体験することもできます。本を借りるとポイントが溜まり、ポイントで図書カードや本がもらえます。図書館の外にいる場合も、配達サービスで本を届けてもらえます。返却は郵便ポストでもOKです。
図書館には世界中の本があり、魔法で自動的に翻訳されているので、すぐに読むことができます。図鑑を開くと3Dの動物や魚が出て来ます。家族で個室が利用でき、壁が防音になっているので大きな声を出しても大丈夫です。幻の動物ユニコーンや、手伝ってくれる本ロボットがいます。

もっと本を好きになってもらうためにも、夢の図書館を実現したい・・・と締めくくろうとするところで、オバケ(?)が登場。逃げろー!

 * * *

講評は埼玉県三芳町立図書館副館長の代田知子さん。

図書館には本が好きな人がたくさん来てくれますが、あんまり本が好きじゃない人が来てくれないという悩みもあります。皆さんの発表で参考になることがたくさんありました。例えば、読みたい本があれば家に届けてくれる、というのは図書館員に求められているものではないかと、胸にずっしりと刺さりました。と、各班の発表の講評と感想を発表なさいました。

また、代田さんは一冊の本を紹介。『雨あがりのメデジン』です。本を読みたくても、字を習っていなくて読むことができない少年たちが図書館で巻き起こす騒動とは?
本の話になると、子どもたちの目はより一層真剣味を帯びていました。

最後に、参加した子どもたちにインタビューをしました。

登場人物になって本の物語を体験する、というアイデアを10班で発表した植田章嗣くん(滋賀県湖南市立下田小学校6年)は、土日限定のイベントとして開催したい。もし自分が体験するなら『夢をかなえるゾウ』の主人公になってみたい、と話してくれました。

小松原知拓くん(福岡県新宮町立新宮小学校5年)は、キャンプに参加したメンバーは皆話しやすく、仲良くなれた。皆のおかげで楽しめた。帰ったら学校の友達に読書の面白さや素晴らしさを伝えていきたい、と話してくれました。

子どもたちもこれからの図書館に期待いっぱい。皆さんの夢の図書館はどんな図書館ですか?

(杉山@カーリル
<参考リンク>

『夢をかなえるゾウ』をカーリルで検索