【冨澤良子さんインタビュー】カフェ感覚で、ゆっくりのんびり図書館めぐり

それぞれの図書館の雰囲気を伝え、つい足を運んでみたくなる図書館ガイドブック「TOKYO図書館日和」の著者、冨澤良子さんにインタビューしました♪

*インタビュー前半はレシピでご覧ください*

--休日は、よく図書館に足を運んでぷらぷら。カフェのような使い方です。--
休日に、例えば映画に行くのと同じ感覚で図書館に行くという使い方もしてます。そういう時は借りるものを考えずに、ただ行って書架を隅から隅まで見て借りることもあるし、ちょっと家から離れた図書館に行くこともあるので、そういう時はメモをして地元の図書館で借りることも。本当にカフェのような使い方です。
図書館に行くことが目的でもあるんだけど、あの図書館に行くなら、近くのお店であれを買って帰ろうとか、ちょっとあの辺を散歩しようとか、そういう行き方をしてるかな。休日の過ごし方の一環として。この間も日本橋図書館に行ったんですけどね、小学校と併設されている図書館で、クラシックな雰囲気の建物なんです。人形町で降りるので、あそこに行くなら人形町に寄って、散歩して、お菓子買ったり、お惣菜買ったりして帰ってこよう、というように散歩のコースの中に図書館を入れてます。逆に、人形町に行くから、そういえばあそこに図書館あったよねって感じで行ってみたりとか。そういう場合もあります。

--図書館での読書は、読書欲を満たしてくれる--
 そうやって行くと、1時間2時間しかいなくても、すごい集中して本が読めるんですよ。そういう時に書架で手に取る本って、本当にその瞬間に興味がある本が目に飛び込んでくると思うんです、それで手に取ってみようと思う。その瞬間に自分が欲しているものだと思う。そこで1時間でも1時間半でもがーっと読むと、すごい集中して内容が入ってくるというか。例えば、家でだらだら1日2日かけて読んでいるのと、1時間がーって集中して読むのだと、実になるというか、質が違うというか。それを感じる。家にいるとどうしても細々とした、あれやらなきゃ、これやらなきゃ、ということが出てきて、実は集中して読む時間があまり取れなくて。そういう時の読書欲みたいなものを満足させている面もあるかなと。図書館に行くと、基本的に本を読むしかすることはないですし(笑)

--図書館は人それぞれ使い方に可能性がある--
私も最初そうだったんですが、図書館って、来ないとなかなか足が遠のいちゃう場所でもあると思うんですよ。予約が出来たり、貸し出しの延長もできるなど、託児サービスや朗読サービス。また、閲覧しやすいようにした空間への配慮など、図書館に来ないとなかなか知らなかったりすることだったりしたので。もっと気軽にね、っていうと怒られるのかもしれないけど(笑) 行ってみるとそれぞれの使い方ができる可能性のある場所なんじゃないかなってすごく思う。

--近所の図書館に行くきっかけになってくれればいいな、って。--
「TOKYO図書館日和」のコンセプトは、後ろに書いてありますが(笑)、「公共から専門まで、選りすぐりの図書館ガイドブック」です。公共だけではなくて、図書館といっても専門図書館がいっぱいあって、雰囲気がそれぞれあったりするんです。私がこの本を書くときに選んだのは、そこに行ってみたくなるような図書館というか。なので蔵書数がどうのとか、こういう本があって研究に便利ですよ、とかそういうのじゃなく、その建物や周りの雰囲気であったりとか、本当に散歩のコースの中に図書館を入れるというか。そういう気軽な気持ちで図書館に行ってみてもいいんじゃないかな、そういう利用の仕方もあってもいいんじゃないかなと思ったのがきっかけで。そういうのをコンセプトに私の方で全部リストアップしました。
本当はこれ以外にも、大学図書館とか素敵な図書館はいっぱいあるんです。なのでこれを見て、この図書館に行ってみようって思ってくださるのもとっても嬉しいんですけど、これに載っていない図書館とか、私が知らない図書館とかでまだまだいっぱい素敵なところがあるので、自分の地元の図書館とか近くの図書館であんな図書館あったなとか、思い出していってみようっていう背中を少しでも押せればいいなあっていうのが、この本を書いたときに一番思っていたことですね。図書館って面白そうなんだなって。

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ご自身の図書館生活を楽しそうに語ってくださった冨澤さん。
さすが図書館好き、貸出カードは、渋谷区・目黒区・世田谷区の3枚をお持ちだとか。
今回の取材地・目黒区立八雲中央図書館は、机や椅子、カードなどいろいろなところに、落語にちなんだ目黒のさんまがあしらってあるのがおしゃれでお気に入りとのこと。

これをきっかけに、図書館に興味を持ってくれる人が増えたらいいな、と素敵な笑顔を見せてくださいました。

◆プロフィール◆
冨澤良子(とみざわりょうこ)
1973年東京生まれ。講談社関連会社に勤めた後、Web制作会社に転職。映画情報サイトや映画・テレビのオフィシャルサイトの編集をおこなう。退社後、書店でのアルバイトを経て、校正や編集、執筆活動をおこなっている。

◆著作◆
「TOKYO図書館日和」 株式会社アスペクト 2007年刊

◆取材地◆
目黒区立八雲中央図書館

人気の東横線沿線にある開放的な中央図書館
各地区の公立の中央図書館には独特の雰囲気があって、中央図書館が好きという人も多いと思う。公立図書館ならではの幅広いジャンルの蔵書。大きすぎず小さすぎずの規模で、誰でも立ち寄れる気軽さは最大の魅力。ひとり暮らしや若い人に人気の沿線、東急東横線「都立大学前」駅で降りて、お洒落なレストランや庶民的な雑貨屋さん、老舗の和菓子屋さんなどが立ち並ぶ道を歩くこと7分。目の前に広がるのは、都立大学跡地が整備されて2002年にオープンした『めぐろ区民キャンパス』。図書館、体育館、コンサートホールと区民施設がある建物は全面ガラスの開放感あふれる気持ちがいいデザイン建築。芝生が敷き詰められた中庭には色鮮やかな遊具が置かれ、休日には小さな子どもたちで賑わい、カフェやシェ・松尾プロデュースのフレンチレストランも楽しめる。目黒区民はもちろん、区外に住んでいる人も、わざわざ足を運ばずにはいられない憩いの場所。その地下1階にある『八雲中央図書館には』一切仕切りがない。* そのため広々とした館内が一望でき、グレーブルーの絨毯に真っ青な案内ボードが真っ先に目に飛び込んでくる。・・・
TOKYO図書館日和 119ページより。続きは本で。)

*(注記)2010年7月現在、じどうコーナーには仕切りが設けられている。

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