カーリルセキュリティアラート「匿名FTPによる図書館内部データの開放について」

日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」では、岡崎市立中央図書館事件に関連して発生した図書館の情報流出事故を教訓として、「カーリルセキュリティアラートシステム」を運用し、定期的に図書館システムのセキュリティ問題について確認を行なっております。

今回、2つの図書館システムにおいて匿名FTP(パスワード不要の公開FTP)による内部データの開放を確認しましたので、該当の図書館・自治体及び開発元に対して通知を行いました。
その対応が完了しましたことから、概要を発表いたします。

1.広島県内の公共図書館
・システムの実行ファイル
・データベースのダンプと思われるデータ
・データベースサーバーの内部パスワード
・最終システムリプレイスは2011年5月

2.山口県内の公共図書館
・予約データ(2005年10月~2012年4月6日)
(利用者番号・電話番号等を含む)
・最終システムリプレイスはカーリル運用開始以前

なお、データの詳細な解析は行なっておらず、個人情報の有無については不明です。
データの概要については、ファイル名及び簡単な確認により判別可能なものについて記載しました。

今回の2件とは別に、Windowsのファイル共有ポートが開放されている図書館システムも多数見受けられます。
設定によっては誤って内部データが開放される可能性が高いため、図書館・システム開発元への注意喚起を進めております。

カーリルでは、安心して図書館のウェブサービスをご利用いただけるよう、図書館やシステム開発元とも連携して安全かつ先進的なサービスを提供してまいります。

担当:
吉本龍司(Nota Inc エンジニア/セキュリティアラート担当)

<関連リンク>
カーリルのブログ:岡崎市立中央図書館事件に対するカーリルの見解

カーリルから「本が好き!」「e読書.jp」への連携を開始しました

カーリルの本のページに、新しくリンク先を追加しました!

皆さんの読書スタイルにあわせて、ぜひご利用ください♪


⇒早速カーリルで見てみる

本が好き!
「本が好き!」はみんなでつくる読書ガイドです。
書評を書いて献本に応募したり、お気に入りのレビュアーさんをフォローしたり。
マイ本棚を作って読みたい・読んだ本の管理もできます。

e読書.jp
e読書.jpは、紙の本と電子書籍を一緒に探せる、国内最大の検索サービスです。
読みたい本が電子化されていない場合は、電子化リクエストを送ることができます。
読みたい本を好きなスタイルで読める社会を目指します。

カーリルはNTTドコモと協力して、「iコンシェル」へのサービス提供を開始しました

カーリルは、NTTドコモ(東海支店)と協力し、同社が提供する生活サポートサービス「iコンシェル」へのサービス提供を開始しました。

スマートフォン版「iコンシェル」により、読みたいリストに登録した本が、貸出可能になったことをお知らせします。是非ご活用ください。

「読みたいリストに入れた本、貸出可能になったら教えてくれると便利なのに。。」

そう思ったことは一度や二度ではありません。

そんな悩みがついに解決。docomoスマートフォンでマイメニューとiコンシェルに登録なさっている方に、貸出可能になった本のインフォメーションをお届けします♪

◇マイメニュー登録方法◇

(NTTドコモSPモード対応スマートフォンに対応)

1)docomoスマートフォンでカーリルにアクセス ⇒ http://calil.jp

2)トップページの「docomoマイメニュー登録・解除」をクリック

3)「マイメニュー登録」をクリック

4)再度「マイメニュー登録」をクリック

5)spモードパスワードを入力し、「登録する」をクリック

6)登録完了!

◇ご利用のための条件◇
・docomoスマートフォンで、マイメニュー登録が必要です(※登録無料)
・spモードでiコンシェルのご契約が必要です(※有料:月額105円)

iコンシェルについて詳しくはこちらをご覧ください。

<関連リンク>
読みたい本が貸出可能になったら、スマートフォンが教えてくれる図書館検索サイト「カーリル」がスマートフォン版「iコンシェル」に対応-NTTドコモ プレスリリース

今までにない新しい図書館が渋谷にオープン! 本棚をシェアし、人とつながるシェアライブラリー

2012年5月、渋谷に新しい図書館がオープンします。
その名も”co-ba library”。
図書館蔵書検索サイト「カーリル」としては注目せずにはいられません。

「co-ba library」は、作家別でも、ジャンル別でもなく、時系列別のどれでもない。本の提供者別に個性的な本棚が並ぶ、みんなでつくっていく「図書館」です。

どうやら私たちの知っている図書館とはちょっと違うようです。
新しい図書館というだけでもワクワクなのに、何かが始まるという期待でドキドキ。

早速、co-ba library設立の背景から構想まで、図書館を運営する株式会社ツクルバの中村真広さん(27)にお話を伺いました。

 *  *  *  *  *

-カフェのオープンに関わったことが、ツクルバ設立のきっかけに

ツクルバの運営メンバーは元々知り合いではあったのですが、それぞれ別の仕事をしていました。僕は元々不動産ディベロッパーを経てミュージアムデザインの会社勤務。ただ、面白いことしたいねという話はつねにしていて。そんな時、ちょっとしたきっかけで、池袋にカフェをオープンする仕事に携われることになったんです。立ち上げから関わって作り上げてみたら、やっぱり面白い。枠組みから「場」をつくっていくこと。これがやりたいことなんだなと思って、本格的に取り組んでいこうという話になりました。この経験が、ツクルバを設立するきっかけになりました。

-空間とコミュニティをデザインする

ツクルバは不動産・建築出身の2人で設立した会社なんです。不動産的な枠組みから空間までを設計して、世の中にまだないものを作り出していきたい、と思っていました。しかし、場所を用意して、はい終わりでは、今までの不動産業とあまり変わりがない。そこで、「コミュニティ」をデザインしていくことが必須だと感じるようになりました。「空間とコミュニティを同時に設計していく」会社なんです。その手始めとしてコワーキングスペース「co-ba」をつくりました。

-ソーシャルメディアを利用してコミュニティを作り上げていく

このco-ba、実は内装の設計はもちろん、施工も自分たちで手がけました。入居前からCAMPFIRE()やFacebookでコミュニティを作りながら空間づくりを進めていったんです。ソーシャルメディアを使いながら空間をつくっていくというのは、既存の開発業者にノウハウがない。そこを我々若い世代がやっていこうと。そういうところも含めて全て手作りで、施工の際には、せっかくオーナーさんがきれいにしてくれていた内装をバリバリ剥がして、その上に板を貼ったりもしたんです(笑)

-コワーキングスペースとしての「co-ba」

co-baはコワーキングスペースです。コワーキングスペースというのは、ただの場所ではなく、そこを利用する人が相互交流をしたり刺激をもらったりしながら、自分の持っているスキルが誰かの「スペシャル」になるような、情報やスキルの交換ができる場所だと考えています。co-baは固定席と自由席があって、今奥で議論している人たちがいる辺りは固定席です。自由席は、午後の3時頃から来て作業する人が多いですね。co-baは壁が一面黒板になっているので、ここに自由に書き込んで自分をアピールしたりもできる。それから、co-baのポイントは一続きになった机です。自分でもフリーでやっていた時期があるんですが、一人で作業しているととにかく思考が偏ったり、気持ちが落ちてしまいがち。そこで、人と話をしなくても、頑張っている人の側でやっているとか、議論の声が聞こえるというのがモチベーションにつながると思ったんです。

-co-baのコミュニティを可視化したいと思った

co-baを運営していく中で、コミュニティが広がっていき、たくさんの方に話をする機会ができました。しかし、co-baにはどんな人がいるのかという質問に対しては「IT系の人が多い」「デザイナーやライター」などといった無味乾燥な表現になってしまう。もっと人の体温が感じられる属性の表現がないかと考えていた時に、本棚が目についたんです。co-baの利用者の皆さんが持ってきてくださった本を並べてあるのですが、それぞれの元の持ち主を予想すると大体当っている。似たような趣味の人もわかってくる。人となりが本棚に表れるということに気付いたんです。

-コミュニティ内の交流のきっかけとしての本棚

co-baの入居者が増えていく中で、入居者同士だけではなかなか自然と知り合えないという状況が出てきました。日本人は、アグレッシブに人と接していこうという人がそこまで多くない。そう考えていた時に、入り口のところに並んだ本が目につきました。これを見て、提供者別に並ぶ本棚があったら、交流のきっかけにもなるし面白いのでは、と思いつきました。例えば「この人とは趣味が合いそうだ」とか「この人のことよく知らないけど、今回の仕事でどうしてもこの本の内容が必要だ」とか、本棚の提供者の属性が可視化されると思ったんです。本棚の集合体を作れば、結果的にco-ba自体の可視化、コミュニティの価値が可視化されます。そんな思いがあって、co-ba libraryを作りたいと考えるようになりました。

-図書館を通じてオープンなコミュニティにしたい

きっかけはもう一つあります。co-baは会員制のスペースで、エントランスにも鍵がかかっているので、ふらっと立ち寄るにはちょっと閉鎖的だと感じていました。もちろんコミュニティとして閉鎖的にすべき部分もあるので、これは仕方ないことではあるのですが。しかし、僕らはもっと街に開かれた場所をつくりたいとも思っていたんです。人の色が混じってグラデーションになるような空間が理想だなって。そこで、もうちょっと気軽に来られる場所として、街に向かって開かれたlibraryがぴったりだと思ったんです。

-ふらっと立ち寄って、自由に使うことができる空間

今日作業したいなとか、資料が必要だとか、インターネットを利用しながらゆっくりしたいとか、誰かとしゃべりたいとか、そういうときにふらっと立ち寄って、利用してもらえるような場所にしようと考えています。co-ba入居者のtwitterを見て、その人の本棚を覗いてみたいなんていうのもアリです。予約も何もいりません。カフェのような感じで使ってもらえます。もちろん会員になってもらってもいいですし、一日だけの利用も大歓迎です。

-co-ba libraryでは誰でも自分の本棚を持てる

このlibraryでは、co-ba shibuyaの既存会員の人が作る本棚の他に、library会員の本棚を作りたいと考えています。libraryはコワーキングスペースのco-ba会員とは別の層が使ってくれると思ってるんですよ。単純に本が好きで、マイ本棚を持てるならやってみようかなという、本好きの人。あとは、本棚を持たないまでも、眠っている本を提供したいという人も出てくるのではないかと考えています。その人たちに提供してもらった本は「パブリック本棚」に置いても面白いんじゃないでしょうか。無所属みたいな感じで。

-色々な世代の人たちに多様な本棚を作ってほしい

co-baには20~30代くらいの若い人が多いのですが、libraryには年配の方にぜひ本棚を持ってほしいと思っています。「若い人に読んでほしい」「起業の際にはこれを読んでおけ」「ターニングポイントの時に読んでいた本」なんていうテーマで選んでもらえたら嬉しいですね。100名くらいが本棚を持つことを想定しているので、本当に様々な「色」が出てくると思います。実用的な本でもいいし、永遠の名作でもいいし。本棚にタイトルをつけると面白くなるかもしれませんね。

-親子連れがやお年寄りが安心して利用できる場所としても

図書館というと、静かにしないといけないイメージがあるんですが、co-ba libraryはあちらで雑談をしている人がいて、こちらでは親子連れが絵本の読み聞かせをしているという、にぎやかな空間であってもいいと考えています。子どもからお年寄りまでが集まれて、コワーキングスペースと同じように、そこから新しい何かが生まれていったら嬉しいですね。

-利用受付開始は4月中旬~下旬予定

co-ba libraryの利用受付(会員登録)開始は4月中旬~下旬頃開始を予定しています。CAMPFIRE()でも支援者募集中です。ここだと利用チケットを安く買えるので、ご興味のある方はぜひ。利用料金はまだ決定ではありませんが、1日のみの利用2,000円程度~や、月額会員の設定などを想定しています。

 ⇒4月15日(日)から利用申し込み受付開始!
  プランや料金など詳しくはco-baウェブサイトをご覧ください。(4/13追記)

-「図書館」って言ってしまっていいんでしょうか

実は、立ち上げてから図書館について勉強していて、「これって『図書館』って言ってしまって大丈夫だろうか」と思い始めたんです。図書館界隈の方に怒られちゃうかなと(笑) 今図書館学の本をたくさん集めて勉強しています。詳しい方にお話を聞きたいですね。

-時代とともに移り変わっていく図書館をつくる

これから本がどんどん電子化されていき、図書館はストックとしての空間というだけでは役割を果たさなくなるでしょう。実空間として何をしていくか、何を求められていくのかを考えることが大切になってくると思います。例えば人によってキュレーションされた本が並んでいて、自分の趣味嗜好とは違うジャンルに触れることでノイズを吸収していく。人にひもづいた情報が並んでいて、その情報がどんどん移り変わっていくようなものが必要になってくるんじゃないでしょうか。5年後、10年後のco-ba libraryはメンバーが変わって、ラインナップもガラッと変わっているはずです。そういうフローの図書館、時代に合わせて変わっていく本棚が並んでいる図書館ができたら面白いと思っています。そういうノイズが面白いと思ってくださる方、ぜひ遊びに来てください。お待ちしています。


(左:代表取締役CEO 村上浩輝さん 右:代表取締役CCO 中村真広さん)

 *  *  *  *  *

co-ba libraryを、街に開かれたコミュニティにしたいと熱く語ってくださった中村さん。
どんな図書館ができあがるのでしょうか。

利用受付の開始はWebサイトでも告知されますが、興味があって絶対に利用するぞという方にはCAMPFIRE()での支援がオススメ。利用券がもらえる上、蔵書に名前が刻まれるなど一緒にコミュニティを築く気分が味わえます。

また、図書館内装工事の様子の24時間中継も始まりました。
毎日チェックして進捗具合を確認するのも楽しいかもしれません。
中継はこちらでご覧になれます。

co-ba libraryのオープニングレセプションは5月13日(日)の予定。
利用できる日が待ち遠しいですね。カーリルも応援しています!

()CAMPFIRE … クリエイターのアイデアを実現するための創作費用を、共感した人々から少額で募れるウェブサイト。co-ba libraryもここで設立資金の一部支援を募っている。

<関連リンク>
株式会社ツクルバ
co-ba library
CAMPFIREでco-ba libraryを応援する!
co-baとco-ba libraryの利用プランを見る

図書館好きにはたまらない! 図書館めぐりのススメ

先月末、図書館好きには嬉しい一冊の本が出版されました。
”近場でなくともわざわざ訪れたくなる図書館”をテーマに、30の図書館を紹介している『TOKYO図書館紀行』です。

図書館の”場”としての魅力を伝えるこの本について、版元である玄光社の勝山さんにお話を伺いました。

* * *

-企画当初は周辺情報も盛り込むつもりでした

『TOKYO図書館紀行』を作ろうと思ったのは、図書印刷クリエイティブセンター&モッシュブックス(編集プロダクション)からの提案がはじまりです。

企画当初はグルメやアート、カルチャーなど図書館の周辺情報も盛り込み、新しい東京散策のひとつとして「図書館へ行こう」を提案する予定でした。

つまり読者ターゲットを「本好き」だけでなく「散策好き」にも拡げ、部数を稼ごうと考えたわけです。

でも、そういった内容にすると図書館自体の魅力が薄れのではないか、その図書館の周辺にどんな素敵なお店があるのか等が図書館を選ぶ基準になってしまうのではないかと。

-「知」の拠点としての図書館に人が集まり始めた

リーマンショックが変えたアメリカの消費を描く「スペンドシフト」というルポがあります。その中でアメリカでは自己防衛のための「学び」が盛んになり、身近な「知」の拠点である大学や図書館に人が集まりはじめ、「アメリカ人はモノよりも知識を蓄えようとしている」と著者は言っています。

一方、日本ではインターネット、携帯電話、スマートフォンなどの普及により活字離れが進み、一部のベストセラーを除き、出版界は地盤沈下を起こしています。

そういった背景から『TOKYO図書館紀行』を企画した次第です。

-本を売る立場の出版社が図書館を紹介することに葛藤も

企画提案を受けた際に、本を売ることがビジネスである出版社が、基本的に無料で本を閲覧できる「図書館」を紹介するのはどうなのか? また、本を売ってもらっている書店に対して「図書館」を薦める本が受け入れられるのか? と感じたことは事実です。

ただ活字離れがすすんでいる昨今、本を買わなくてもいいから活字に触れていてほしい、インクや紙のにおいで脳をシゲキしてほしいという願いから『TOKYO図書館紀行』を出版することに決めました。

-今後も「知」を求めるシリーズを刊行していく

今後も「TOKYO INTELLIGENT TRIP」を冠に、東京近郊の「知」を求める内容のシリーズを3ヶ月に1冊刊行する予定です。

次回は7月刊行で「TOKYO研究所紀行」を予定しております。

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「インターネットや携帯電話だけでなく、たまには紙とインクのにおいで脳を刺激してほしいですね」と、出版社としての願いも込められたこの『TOKYO図書館紀行』、図書館好きならずとも一度は手に取ってみてほしい、素敵な仕上がりです。

散歩のお供に、TOKYO観光のガイドブックとしてぜひ一度ご覧ください。


近くの図書館にあるかカーリルで検索!