「openBD API(バージョン1)」の終了によるカーリルへの影響について

カーリルでは、書誌・書影情報の自由な流通を目指して、出版社団体である版元ドットコムと共同でopenBDプロジェクトを推進してきました。このプロジェクトでは、出版社団体である版元ドットコムの会員社が提供する書誌データだけではなく、版元ドットコムが受信している、出版情報登録センター(JPRO)のデータを含めることで、網羅率の高い書誌・書影情報の配信が実現しました。カーリルは、配信インフラの運用を担ってきました。

2023年6月5日から、JPROから版元ドットコムへのデータ配信が停止され、openBDのデータ更新に遅延が発生しておりました。その後、版元ドットコムにおいてJPROとの協議が継続しておりました。この間、版元ドットコムとカーリルでは緊密に連携して対応を検討してきましたが、最終的に、現状スキームによるオープンな書誌・書影情報の提供継続は困難と判断しました。2023年7月25日、openBDプロジェクトから、「openBD API(バージョン1)」の提供終了について とのお知らせが公表されました。

カーリルでは代替APIの設計など、バージョン1の提供終了がopenBDに依存しているプロジェクトにとって最小の影響となるよう努力します。カーリルでは、図書館および出版情報のパブリックインフラを担う覚悟をもって、引き続き書誌・書影情報の自由な流通を目指すとともに、版元ドットコムとの共同事業に取り組みます。

なお、openBDの提供するAPIは、カーリルの各種ウェブサービスでも幅広く活用されています。カーリルが提供する検索サービスには、多様な情報源を組み合わせているため、ただちに影響はありませんが、書影や詳細な書誌情報(内容紹介や目次など)の提供に影響が出る可能性があります。現在、この影響を最小限とするため、カーリルとしてもJPROとの協議を申し込んでいます。

影響が懸念されるサービス

  • カーリル
    ・書影の網羅率が低下します
    ・本の個別ページに掲載している、内容紹介や目次情報の提供ができなくなります
    ・近刊情報(未発売)の本が検索結果に表示されなくなります
  • カーリル学校図書館支援プログラム
    ・検索サービス内での書影の網羅率が低下します(従来からGoogle Booksとも連携しているため、Google Booksに書影がある場合は引き続き表示されます)
    ・内容紹介や目次情報の提供ができなくなります
    ・国立国会図書館が提供する書影APIとの連携を検討しています
  • カーリル ブックウォーク
    ・サービスを終了します
  • カーリル Unitrad API
    ・新刊リクエスト等で連携している近刊情報はNDLサーチのAPIと連携しており影響はありません
    ・なおAPIを活用したユーザーインターフェース上で表示している書影がopenBDの場合は網羅率が低下します

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