図書館でお酒が飲める?! ”図書館Bar”に行ってみた☆

図書館では静かに。
図書館は飲食禁止です。
周りの方の迷惑にならないよう行動しましょう。

それが常識だと思っていました。
そうやって言い聞かされてきたんです。
ましてや図書館でお酒を飲むだなんて。。
私たち(?)の常識を覆す”図書館Bar”にお邪魔してきました!
 * * *
”図書館Bar”を開催するのは、千葉県船橋市にあるNPOが運営する「船橋北口図書館」
船橋駅から徒歩3分、静かな住宅街の一角にあります。

道路に面した入り口の扉はガラス張りで、中がすっかり見渡せます。
入ると左手に受付があり、スタッフさんが笑顔でお出迎え。
8畳ほどの長方形の室内の二面には天井まで達するほどの本棚が備え付けられており、本棚一杯にぎっしり本が並んでいます。
部屋の一角にはハリーポッターや仕掛け絵本が閲覧できる児童書コーナーも。
窓際には低めの本棚が備え付けられており、その上には絵本などが飾られていました。

壁一面の本棚

仕掛け絵本が見られる児童書コーナー


窓際の本棚はに新書がいっぱい


図書館の写真入りオリジナルしおり

小さくても暖かくて心休まる素敵な図書館です。
そんな素敵な図書館の素敵なイベントが「図書館Bar」。
なんと、図書館で楽しくおしゃべりしながらお酒を飲もうというのです。
いいのでしょうか・・・怒られやしないかドキドキしてしまいます。
今回のテーマは「ネパール」ということで、図書館もネパール風におしゃれをしました。

入り口にネパールの国旗がずらり

どちら様もお気軽にどうぞ!


いつもの本棚もネパール風に
外はあいにくの雨模様でしたが、ご機嫌なネパール音楽をかけて中央のテーブルにネパール料理とお酒を並べていきます。
図書館の中が着々とBarになっていくのが楽しくて仕方ありません。
あらかた準備ができて人も集まったところで乾杯☆
大人のBarタイムがスタートです。

残念ながらネパール人の料理人さんがこられなくなってしまったそうなのですが、ネパールカレーにナン、スタッフ石田さん手作りのタンドリーチキン、豆のサラダにモモ(ネパール風餃子)も並んで雰囲気たっぷりです。
3種類のカレー

豆のサラダ


ネパール風餃子「モモ」

(本当は丸い形なんだそうです)

タンドリーチキン

”図書館Bar”に集まったのは、普段から図書館を利用している人はもちろん、あまり本は読まないけれど飲むのが好きな人、ご近所さん、何となく誘われた友人と様々。
今回は20〜30代が中心でしたが、普段は〜60代の方まで参加なさるそうです。
地域の中でほっと一息つける「居場所」としても親しまれているんですね。
中盤には、ネパールに関する三択クイズが出題されて盛り上がりました。
ネパールの首都は? 女性の初婚年齢は? 「パニ」はどういう意味? などなど。
(「パニ」は「水」という意味なんだとか。)

クイズを出題する石田さん(左)と安藤さん(右)

答える時は目を閉じて。間違えたら座ります

楽しい時間はあっという間に過ぎていくもので、気づけば何時間も経って外は真っ暗になっていました。


まったり過ごす皆さん

最後に、図書館を運営するNPO法人情報ステーション代表の岡直樹さんにお話を伺いました。
はじめは地域活性を目的として活動していたんです。
船橋市のPRやイベントをやっているうちに、駅前のテナントに空きスペースがあるから何かやらないかと声をかけてもらって、考えているうちに「図書館が欲しい」と思うようになりました。
実は大学に片道2時間近くかけて通っており、電車の中で本を読みたいと思っていたのですが、大学の図書館は理系の専門書ばかり。地元の図書館に行こうにも、帰ってくるともう閉館していて借りられない。
朝のちょっとした時間や帰宅した際にすぐに借りられる場所があったら便利だなと。

そうして、地域の皆さんに本の寄付を募って、ボランティアの方と一緒に5年前に始めたのがふなばし駅前図書館(注)です。
開設当初は通勤・通学の際の貸出・返却を想定していたのですが、それ以外にも買い物ついでの主婦の方や、近所のお年寄りの方もたくさん利用してくださるようになりました。
最近では本を借りるでもなく、ちょっと寄って話をしていくという方も増えて来ました。
地域の方が立ち寄れる場所を作って地域活性化していきたいというのがNPO活動の一番最初のきっかけなので、皆さんがそうやって使ってくださるのが嬉しいです。

これからも、地域の中の小さな図書館をもっとたくさん増やしていき、町づくりのきっかけにしてもらいたい。と熱く語ってくださいました。
実は岡さん、カーリルで「NPOの図書館の本」というレシピを作ったり、カーリルバッグを普段からご愛用くださっているカーリルファンさんでした。(取材に行って知りました)
ありがとうございます!
記念にバッグと一緒にパチリと一枚撮らせて頂きました。
民間図書館の蔵書はweb上での検索も可能です
カーリルでも今後対応したいと思いますので、お楽しみに。
(注)今回図書館Barが開催された船橋北口図書館の他に、ふなばし駅前図書館柏井町のおいしい図書館ちばぎんざ図書館など。5月には京都にも図書館を新規開設し、現在7館を運営。
 * * *

今回はあいにくの雨で参加者が少なかったですが、多い時は20名をこえて座れないほどの人気の”図書館Bar”、次回開催は6月25日(土)の予定とのこと。

どんなテーマになるのかはお楽しみ♪
詳細は決まり次第ブログにアップされますので要チェックです。
(船橋北口図書館以外でも、色んなイベントがあります!)
図書館でお酒を飲んでみたい方、ぜひ一度ご参加なさってはいかがでしょうか?
<関連リンク>

【論文】カーリル開発の核心〜コンセプト、組織、技術〜

既存の図書館システムとは大きく異なる開発組織、自治体を横断する検索機能、超短期間の開発、Twitterなどによるユーザー参加型の開発はどのように実現されたのか。

それらのヒントになるような情報をまとめた論文を雑誌「専門図書館」に寄稿しました。その論文をPDFで公開しましたので、お知らせします。

目次
1. はじめに

2. 開発の背景

3. 楽しい図書館検索システムの提案
 3.1 本と出会う楽しみを提供
 3.2 検索を使って図書館を広報する
 3.3 地域資源の中心地としての図書館
 3.4 図書館にない本も検索
 3.5 外部サービスと連携して利便性を高める

4. 開発手法
 4.1 開発チームの構成
 4.2 開発期間とモチベーション
 4.3 ユーザーフィードバックに基づく修正

5. カーリルのシステム
 5.1 マッシュアップの活用
 5.2 開発言語
 5.3 分散処理
 5.4 図書館クラス
 5.5 OPACの管理
 5.6 図書館APIによる図書館システムの拡張
 5.7 図書館APIの利用例

6. 課題
 6.1 技術的課題
 6.2 ビジネスモデルの模索
 6.3 対応図書館の拡大

7. おわりに

…GoogleやAmazonなどの大規模な検索エンジンが一般に普及する中で、図書館システムも大きな曲がり角を迎えている。GoogleやAmazonは検索対象となる情報量が膨大であるだけでなく、高速であることや、検索結果の並び方が秀逸であること、利用方法がシンプルであることなど、それまでの検索エンジンの常識を覆し、広く一般に普及し、検索という行為を「日常的な行為」にまで落とし込むことに成功した。これに対して、日本の公共図書館システムは、規模、速度、精度、操作性において劣っていると言わざるを得ない。公共的な資金を毎年何十億という規模でつぎ込んでいる日本の公共図書館システムはなぜ対抗できないのだろうか。

本稿では、我々が日本の公共図書館システムのレベルアップも視野に入れて2010年3月に公開した日本最大級の図書館蔵書検索サイト「カーリル」 (http://calil.jp/)について紹介する。….

PDFダウンロード

本稿は専門図書館協議会発行機関誌「専門図書館」242号(2010年7月号)に掲載されたものです。

さらに開発技法に興味のある方は、以下の書籍をあわせて読むとより理解が深まります。

パターン、Wiki、XP

アート・オブ・アジャイル デベロップメント ―組織を成功に導くエクストリームプログラミング

Joel on Software

【座談会】図書館デザインにかける熱い思い~フォーラムに先駆けてパネリストらが語る

第11回図書館総合展 2009年11月10日~12日 パシフィコ横浜


 先日お知らせした図書館総合展のフォーラム
、着々と準備が進んでおります♪

去る10月5日、フォーラム本番に先駆けて、パネリストらによる座談会が行われました。
「せっかく参加するのに、ただボーッと聞いているだけではもったいない。」
「参加者の皆様にも積極的に取り組んで頂きたい。」という気持ちのこもった熱いトークが繰り広げられました。

【座談会】
「徹底的に新しい手法で新しい図書館を創るために
-第12回図書館総合展キハラ株式会社主催フォーラム
『図書館をデザインする-情報デザインと主題プロデュースの手法』に向けて」

岡本真×有元よしの×李明喜×内沼晋太郎×洛西一周

⇒座談会の様子はこちら(USTREAM) ※途中で切れています。。

<目次>
◇この座談会の狙いは?
◇このフォーラムを思いついたきっかけ
◇洛西さん、内沼さんに声をかけたわけ
◇コメンテーターは図書館業界、図書館建築会の大物
◇リアルスペースとしての図書館は知的好奇心の渦に
◇「本を置き去りにする」アプリ?
◇面子が豪華だから、で参加して欲しくはない
◇カーリルにとって図書館建築とは? 建築と図書館の関係とは?
◇フォーラム・図書館総合展のメディア戦術
◇……3年後には1つ、徹底的に新しい手法で図書館をつくろう
◇図書館のデザインを体感できる貴重な機会
◇皆さんも含む我々で、新しいものを作っていきたい

全文はこちらから!
(ACADEMIC RESOURCE GUIDE メールマガジン)

フォーラムのお申込みはこちらから!
(※定員がありますのでお早めにどうぞ)

主催者側もわくわくしながら準備している図書館総合展。
ぜひ皆さんも一緒に楽しみましょう!

<関連リンク>
第12回図書館総合展
ACADEMIC RESOURCE GUIDE メールマガジン
[カリブロ]カーリルも参戦! 図書館総合展のご案内[11月24日~26日]
[カリブロ]【今すぐ参加!】新しい「図書館のデザイン」を体験する、図書館総合展フォーラム

【特別インタビュー】達人に聞く、図書館制覇の楽しさ

色んな図書館を、自分の目で見て感じたい。
そしてたくさんの方に伝えたい。

東京23区内の区立図書館246館を全て制覇(訪問)し、訪問記をまとめたサイト
「東京図書館制覇!」を運営するTakeniさんこと竹内庸子さんにお話を伺いました☆

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--最初は思いつきで「制覇」って名前にしたんです--
最初に図書館訪問記を書き始めたのはブログなんです。
2005年にブログが流行った時、私もブログを始めたのですが、普通の日記を書いても、知り合いに読んでもらえる程度でつまらない。だから何かテーマを決めようと思い、図書館巡りをすることにしました。ただ周辺の図書館に行くだけではありきたりなので、「東京図書館制覇!」という名前にして、23区の公立図書館を全て回ることにしたんです。

--制覇には3年かかりました--
思いつきで23区の全図書館を回ることにしたものの、始めてしばらくしてから、いったい全部で何館あるのかと数えてみたらびっくり! 200館以上あったんです。

全ての図書館を制覇するには、3年弱かかりました。長かったです(笑)。

最初の頃は週に1,2回程度の訪問だったので、1年間での達成は絶対無理。その後もう少し訪問頻度を上げたので、頑張れば2年で達成できるかという期待もあったのですが、そのペースを維持できずに未達成。3年目は最初から「今年こそは」と思って、ときには仕事を後回しにしながらも、年末ぎりぎりに制覇を達成しました。

--今でも情報は少しずつ更新しています--
23区の公立図書館は一通り訪問したので、今はちょっと休憩の時期です(笑)。でも、新しい図書館が次々と建ちますし、既存の図書館の改築もある。大きな変更がない図書館でも、職員さんの工夫で中の様子は日々変わっています。そうした現在の各図書館の様子が伝わるサイトになるよう、一度行った図書館を再び訪問して、少しずつ更新しています。23区の図書館の公式HPも月に2~3回チェックしています。

新しい図書館が建っても、なかなか訪問記を書けずにいると、早く書いて欲しいというメールをいただいたりもします。リクエストにすぐにお応えできないこともありますが、熱心に読んでいただいて嬉しいです。

そのようにして今でも23区の図書館を回り続けているので、都下の図書館にはいつまでも進出できずにいます。ここ都立中央図書館も、何回か利用しているのですが、広すぎてまだ訪問記は完成していません。都立中央図書館の見学ツアーにも参加したことがあり、訪問記のためのメモは溜まっているのですが、書きたいことが多い図書館ほど、なかなか訪問記が完成しない。嬉しい悩みです(笑)。

--図書館によってそれぞれ個性がある--
図書館巡りをするうちに、図書館の資料を読むことだけでなく、図書館を訪れること自体が面白くなってきました。図書館をどう運営していくかは、区によってさまざまなんです。同じような図書館をあちこちに作って、地域によって不公平がないようにしている区もあれば、大きい中央図書館と小さい地域図書館の差をつけて、用途によって使い分けできるようにしている区もあります。区内の複数の図書館の役割をどう振り分けるかにも、各自治体の色がでていて面白いです。

--小さい図書館のほんわかした雰囲気が好きです--
どの図書館もそれぞれいいところがあるのですが、どちらかといえば小さい図書館の方が好きです。小さい地域図書館は、子どもや常連さんの利用者と職員さんが互いに顔見知りであることも多く、ほんわかした雰囲気なんです。子どもが図書館に入るなり、職員さんに大きな声で、こんにちは! と挨拶する。そんなやり取りに出くわすと、こちらも嬉しくなります。

大きな図書館は資料も設備も充実していて便利ですが、大きければよいというものではないと思います。来館者数や貸出冊数が図書館の事業評価に使われたりしますが、図書館の機能の中には数字だけで測れないものもある。例えば、放課後の小中学生の居場所の一つであるというのも、図書館の役割では。ただ本を貸しているというだけでなく、人と人とのふれあいがある図書館の方が好きです。

--「東京図書館制覇!」をご覧の方へ--
私が気付いていない、その図書館の特徴やお薦めポイントなどがあったら、ぜひ教えて欲しいです。一度だけしか訪問していない図書館もあり、普段から利用している人の方がいろいろご存知だと思います。地元の図書館のいいところをアピールしてくださるメールは、読んでいるこちらも笑顔になります。今後もマイペースで更新していくので、よろしくお願いします。

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「制覇」って、交通網の発達している東京だからできたことだと思うんです、と話して下さった竹内さん。
地方の図書館は、また形も位置づけも違うかもしれない、と、興味津々のご様子でした。
カーリルのスタンプラリーは、そんな興味にこたえられるかも。
みなさんも、身近な図書館を回って竹内さんを超えてみませんか?

◆プロフィール◆
Takeni(タケニ)/竹内庸子(タケウチヨウコ)
Twitter: @Takeni
2005年にブログ「東京図書館制覇!」をスタート。約3年かけて東京都23区内の図書館を制覇(訪問)。IT関連の仕事をしながら、日々情報を更新し続けている。

◆運営サイト◆
東京図書館制覇!
東京図書館制覇!blog版

◆取材地◆
東京都立中央図書館
「東京都立中央図書館は、有栖川宮記念公園の緑に囲まれた中にあり、貴重資料から身近なビジネス・医療資料まで揃っている図書館。東京に関する資料もたくさんあるので、研究している方はもちろん、東京散歩の寄り道場所としても楽しめます。5階のカフェテリアからの眺めも素敵です。」(Takeniさん)

<関連リンク>
⇒⇒カーリル・スタンプラリーに参加しよう!
⇒⇒カーリルが「東京図書館制覇!」と連携

【冨澤良子さんインタビュー】カフェ感覚で、ゆっくりのんびり図書館めぐり

それぞれの図書館の雰囲気を伝え、つい足を運んでみたくなる図書館ガイドブック「TOKYO図書館日和」の著者、冨澤良子さんにインタビューしました♪

*インタビュー前半はレシピでご覧ください*

--休日は、よく図書館に足を運んでぷらぷら。カフェのような使い方です。--
休日に、例えば映画に行くのと同じ感覚で図書館に行くという使い方もしてます。そういう時は借りるものを考えずに、ただ行って書架を隅から隅まで見て借りることもあるし、ちょっと家から離れた図書館に行くこともあるので、そういう時はメモをして地元の図書館で借りることも。本当にカフェのような使い方です。
図書館に行くことが目的でもあるんだけど、あの図書館に行くなら、近くのお店であれを買って帰ろうとか、ちょっとあの辺を散歩しようとか、そういう行き方をしてるかな。休日の過ごし方の一環として。この間も日本橋図書館に行ったんですけどね、小学校と併設されている図書館で、クラシックな雰囲気の建物なんです。人形町で降りるので、あそこに行くなら人形町に寄って、散歩して、お菓子買ったり、お惣菜買ったりして帰ってこよう、というように散歩のコースの中に図書館を入れてます。逆に、人形町に行くから、そういえばあそこに図書館あったよねって感じで行ってみたりとか。そういう場合もあります。

--図書館での読書は、読書欲を満たしてくれる--
 そうやって行くと、1時間2時間しかいなくても、すごい集中して本が読めるんですよ。そういう時に書架で手に取る本って、本当にその瞬間に興味がある本が目に飛び込んでくると思うんです、それで手に取ってみようと思う。その瞬間に自分が欲しているものだと思う。そこで1時間でも1時間半でもがーっと読むと、すごい集中して内容が入ってくるというか。例えば、家でだらだら1日2日かけて読んでいるのと、1時間がーって集中して読むのだと、実になるというか、質が違うというか。それを感じる。家にいるとどうしても細々とした、あれやらなきゃ、これやらなきゃ、ということが出てきて、実は集中して読む時間があまり取れなくて。そういう時の読書欲みたいなものを満足させている面もあるかなと。図書館に行くと、基本的に本を読むしかすることはないですし(笑)

--図書館は人それぞれ使い方に可能性がある--
私も最初そうだったんですが、図書館って、来ないとなかなか足が遠のいちゃう場所でもあると思うんですよ。予約が出来たり、貸し出しの延長もできるなど、託児サービスや朗読サービス。また、閲覧しやすいようにした空間への配慮など、図書館に来ないとなかなか知らなかったりすることだったりしたので。もっと気軽にね、っていうと怒られるのかもしれないけど(笑) 行ってみるとそれぞれの使い方ができる可能性のある場所なんじゃないかなってすごく思う。

--近所の図書館に行くきっかけになってくれればいいな、って。--
「TOKYO図書館日和」のコンセプトは、後ろに書いてありますが(笑)、「公共から専門まで、選りすぐりの図書館ガイドブック」です。公共だけではなくて、図書館といっても専門図書館がいっぱいあって、雰囲気がそれぞれあったりするんです。私がこの本を書くときに選んだのは、そこに行ってみたくなるような図書館というか。なので蔵書数がどうのとか、こういう本があって研究に便利ですよ、とかそういうのじゃなく、その建物や周りの雰囲気であったりとか、本当に散歩のコースの中に図書館を入れるというか。そういう気軽な気持ちで図書館に行ってみてもいいんじゃないかな、そういう利用の仕方もあってもいいんじゃないかなと思ったのがきっかけで。そういうのをコンセプトに私の方で全部リストアップしました。
本当はこれ以外にも、大学図書館とか素敵な図書館はいっぱいあるんです。なのでこれを見て、この図書館に行ってみようって思ってくださるのもとっても嬉しいんですけど、これに載っていない図書館とか、私が知らない図書館とかでまだまだいっぱい素敵なところがあるので、自分の地元の図書館とか近くの図書館であんな図書館あったなとか、思い出していってみようっていう背中を少しでも押せればいいなあっていうのが、この本を書いたときに一番思っていたことですね。図書館って面白そうなんだなって。

***

ご自身の図書館生活を楽しそうに語ってくださった冨澤さん。
さすが図書館好き、貸出カードは、渋谷区・目黒区・世田谷区の3枚をお持ちだとか。
今回の取材地・目黒区立八雲中央図書館は、机や椅子、カードなどいろいろなところに、落語にちなんだ目黒のさんまがあしらってあるのがおしゃれでお気に入りとのこと。

これをきっかけに、図書館に興味を持ってくれる人が増えたらいいな、と素敵な笑顔を見せてくださいました。

◆プロフィール◆
冨澤良子(とみざわりょうこ)
1973年東京生まれ。講談社関連会社に勤めた後、Web制作会社に転職。映画情報サイトや映画・テレビのオフィシャルサイトの編集をおこなう。退社後、書店でのアルバイトを経て、校正や編集、執筆活動をおこなっている。

◆著作◆
「TOKYO図書館日和」 株式会社アスペクト 2007年刊

◆取材地◆
目黒区立八雲中央図書館

人気の東横線沿線にある開放的な中央図書館
各地区の公立の中央図書館には独特の雰囲気があって、中央図書館が好きという人も多いと思う。公立図書館ならではの幅広いジャンルの蔵書。大きすぎず小さすぎずの規模で、誰でも立ち寄れる気軽さは最大の魅力。ひとり暮らしや若い人に人気の沿線、東急東横線「都立大学前」駅で降りて、お洒落なレストランや庶民的な雑貨屋さん、老舗の和菓子屋さんなどが立ち並ぶ道を歩くこと7分。目の前に広がるのは、都立大学跡地が整備されて2002年にオープンした『めぐろ区民キャンパス』。図書館、体育館、コンサートホールと区民施設がある建物は全面ガラスの開放感あふれる気持ちがいいデザイン建築。芝生が敷き詰められた中庭には色鮮やかな遊具が置かれ、休日には小さな子どもたちで賑わい、カフェやシェ・松尾プロデュースのフレンチレストランも楽しめる。目黒区民はもちろん、区外に住んでいる人も、わざわざ足を運ばずにはいられない憩いの場所。その地下1階にある『八雲中央図書館には』一切仕切りがない。* そのため広々とした館内が一望でき、グレーブルーの絨毯に真っ青な案内ボードが真っ先に目に飛び込んでくる。・・・
TOKYO図書館日和 119ページより。続きは本で。)

*(注記)2010年7月現在、じどうコーナーには仕切りが設けられている。