実はこの本の17章、「作家たちのコミュニティ」の翻訳をカーリルの吉本が担当させて頂きました。発売を記念して、こちらの書籍(紙の本)を3名様にプレゼントいたします。
★プレゼント★
本や図書館の未来はどうなっていくのだろうか。
・ちょっと先の「本の未来」、電子と紙で発売します(読みどころ)
実はこの本の17章、「作家たちのコミュニティ」の翻訳をカーリルの吉本が担当させて頂きました。発売を記念して、こちらの書籍(紙の本)を3名様にプレゼントいたします。
・ちょっと先の「本の未来」、電子と紙で発売します(読みどころ)
この1月からカーリルに、新しいメンバー、酒井さんが加わりました。
エンジニア職の彼女は、今まで図書館とは無縁。カーリルで働いていると、たびたび図書館の方との打ち合わせなどもありますが、どうも彼らの会話がなかなか理解できない! とのこと。
そこで、「図書館とコミュニケーションしてみよう!」ということで、かつてカーリルメンバーが分からなかった図書館用語をピックアップして勉強会を開催することになりました。
その内容を解説とあわせてランキング形式でお届けします。
◇10位 日本十進分類法 (ニホンジッシンブンルイホウ)
日本で使われている図書分類法で、日本の図書館の標準的な分類法と言われる。
数字の0-9を使って分類する。公共図書館の多くは3桁もしくは4桁で表示する。
本の背表紙に3桁の変な番号が書いてあると思ったら、そういうことだったか。
(カーリル・黒田)
◇9位 OPAC (オパック、オーパック)
図書館のオンライン蔵書目録、蔵書検索システムのこと。
”Online Public Access Catalog”の略。
◇8位 司書 (シショ)
図書館の専門的職員のこと。司書資格所有者。
よく、「ショシ」と言い間違えられて直せないでいたりする…(カーリル・ふじた)
◇7位 曝書 (バクショ)
本を虫干しにすること。外気にさらすことで乾燥・殺菌する。
図書館によっては蔵書点検のことを曝書と呼ぶこともある。
ぱっと見、爆発しそうな。。。(カーリル・酒井)
◇6位 BDS (ビーディーエス)
”Book Detection System”の略。図書館の出入口にあるゲート。
貸し出し手続きをしていない資料を持ち出そうとすると警告音が鳴る。
出た!三文字略語!!(カーリル・出口)
◇5位 書架 (ショカ)
本を並べて置く棚。本棚。
会話の中で書架と言われると一瞬「??」となってしまいました。普段本棚と呼んでいるので。(カーリル・酒井)
◇4位 MARC (マーク)
”MAchine Readable Cataloging”の略で、書誌情報が記載されたデータのこと。
書名、著者名、出版社名の他、出版年、あらすじ、ISBN等の色々な情報が詰まっている。
これがないと本が検索できないのです。大事。
最初何のことか分からなかった言葉。図書館の人は、略語大好き。(カーリル・吉本)
3位 ISBN (アイエスビーエヌ)
本の固有の記号のこと。”International Standard Book Number”。
一般に、本の裏表紙のバーコードのところに書いてある番号。
本にあまり関心のない人でも聞いた事のある人がいそうですね。(カーリル・酒井)
2位 相互貸借 (ソウゴタイシャク)
図書館の間で資料を貸し借りすること。
近くの図書館に所蔵されていない場合も、取り寄せしてもらえる場合があるので窓口で聞いてみよう。
カーリルを始めた頃、”そうごちんしゃく”と読んでました。(カーリル・吉本)
存在は知っていたけど、相互貸借という呼び方は知りませんでした。(カーリル・酒井)
1位 叢書 (ソウショ)
同じ種類や分野の事柄を編集・刊行した一連の書物のこと。シリーズ。
読めませんでした。。。(カーリル・出口)
同じく読めませんでした。。(カーリル・杉山)
なんか文字が虫っぽいイメージ。最初何かわかりませんでした。(カーリル・吉本)
◇蔵書 (ゾウショ)
図書館が所有している本、資料。
◇所蔵 (ショゾウ)
資料を図書館が持っていること。
◇複本 (フクホン)
図書館に同じ本を複数所蔵すること。
人気のある本や、絵本などは結構複本があったりします。
◇延滞 (エンタイ)
貸し出し期限を超えて借りっぱなしになっている状態。(いつもごめんなさい。。)
◇書庫 (ショコ)
本をしまってある倉庫のこと。本棚がいっぱい。普通は閉架式。
◇配架/排架 (ハイカ)
本などの資料を、決まった順番で書架に並べること。
◇閉架 (ヘイカ)
書庫などに利用者が入れないところにある本棚。
利用者が自由に閲覧できる場所を「開架」(カイカ)という。
閉架にある場合は、窓口で出してもらうように依頼しましょう。
◇BM (ビーエム)
本を載せて走る移動図書館。”Book Mobile”の略。
◇書誌 (ショシ)
本の情報を記載したもの。
書名、著者名、出版社名の他、出版年、あらすじ、ISBNなど。
◇書影(ショエイ)
本の表紙の画像のこと。
◇分類番号(ブンルイバンゴウ)
図書分類法で規定されている番号のこと。
例えば『1Q84』は「913.6」(日本の小説)になる。
◇請求記号(セイキュウキゴウ)
図書館の本などの背表紙に貼られたシールに書いてある記号。
分類番号と著者記号(著者名の頭文字)と巻数などを合わせたもの。
例えば『1Q84』の1巻では「/ 913.6/ ムラ/ 1」だったりする。
◇目録(モクロク)
図書館に納められている資料の書誌を記録したもの。
どんな資料があるのか一覧できる。
◇別置(ベッチ)
分類記号から外れて資料を置いておくこと。
新刊書やサイズの大きい資料が別の場所に置いてあったりする。
◇YA(ワイエー)
ヤングアダルト。子どもと大人の中間の年代のこと。中学生~高校生くらい。
図書館ではYAコーナーの中に、YA向けの色々な本が置いてあります。
大人が読んでも面白いものもたくさんあるので、立ち寄ってみると面白いかも。
◇AV (エーブイ)
視聴覚資料のこと。”Audiovisual”の略。
CDやDVD等の見たり聞いたりする資料。図書館によってラインナップは様々。
◇DAISY(デイジー)
”Digital Accessible Information SYstem”の略で、視覚障害者や、普通の資料を読むことが困難な人のために作られているデジタル録音図書のこと。聞く本。
図書館ではCD-ROMの形で貸し出されている。
◇レファレンス
図書館の利用者が、調査・研究・学習のために資料を探したり質問したりすると、関連資料の紹介や、回答をしてくれるサービス。
◇リクエスト
図書館に所蔵されていない資料を入れてもらうように依頼すること。
◇カーリル
日本最大の図書館検索サイト「カーリル」です。
2013/1/31現在、対応図書館数は6,200館超。
皆さんの図書館ライフの一助となるべく、今日もせっせと情報更新中。
よりよいサービス提供のためにも、応援よろしくお願いします!
* * *
いかがでしょうか。
カーリルをご利用の方は、すでにご存じの用語も多かったかもしれませんね。
図書館用語を使いこなせば、図書館員さんとの会話も弾むかも?
もっと知りたい、という方は、ぜひ図書館用語集などをご覧ください。
痛快文学賞ガイド『文学賞メッタ斬り!』。
芥川賞・直木賞他、話題のホラー小説大賞等、50を越える国内小説賞について、どんな傾向の賞なのかを検証し、また選考の内幕やトラブルなどにも斬り込んで文学賞を判定したのが本作。
その著者のひとり、大森望さんが、大学生による文学賞「大学読書人大賞」のために、講演会を開催すると聞き、カーリルもお邪魔してきました。
演題は「推薦文の書き方&大学読書人大賞メッタ斬り!」。
大学読書人大賞の選考方法は、大学生が書いた推薦文を元に文学賞を決めるというもの。その推薦文をメッタ斬りしようというのです。どんな辛口の評価が飛び出すのかドキドキしますね。
以下、講演内容を抜粋してお送りします。
◆推薦文(=書評)の書き方について
・書評の書き方にこれといった決まりはない。
・媒体や立場、文字数や記名するかどうかによって異なる。
・自分で選んだ本なのか、予め決められた本なのか。
・例えばアイドルが書くのであれば、そのアイドルの読書事情や個人的なエピソードを読者は求めている
◆これまでの大学読書人大賞の推薦文を斬る!
◇2008年度大賞『幼年期の終わり』
推薦文:虚構の中に未来への姿勢が垣間見える(法政大学物書き同盟)
・古典新訳文庫なので、まずは翻訳者について触れるべきであろう。
・過去の訳についても触れておくとよい。(タイトルが異なることも特徴)
・あらすじを書かない言い訳はしなくてもよいのでは。全体が面白ければあらすじは無しでOK。
・本文を抽出しているが、この部分だけだと、SFのはずが歴史小説に見えてバランスが悪い。
◇2009年度大賞『好き好き大好き超愛してる。』
推薦文:「祈り」の文学を感受せよ(立教大学文芸思想研究会)
・最初の段落はなくてもよいのでは。書くなら自分の実感がわかるような個人的な体験の方が良い。
・ヒートアップして熱いのはわかるが、理由が書かれていない。「読まれるべき」とは書かない方が良い。押しつけがましくない書き方が必要だろう。
・1600字もあるので、起承転結を意識してメリハリをつけるべき。ずっと熱いと読むのに疲れてしまう。
◇2010年度大賞『夜は短し歩けよ乙女』
推薦文:独特恋愛ファンタジー(慶應義塾大学三田文学塾生会)
・「杏仁豆腐の味にも似た人生の妙味」をあなたはご存知だろうか。で始まるのは良い。が、すぐ後の文でその答えが出てしまうのはもったいない
・最初にこの小説の内容をある程度書いておいた方がいい。中身がわからないと、言っていることがどう関係するのかがわからない。
・文体について言及するなら、魅力を伝えるためにも3行-4行程度作中の文の引用をするべき。
◇2011年度大賞『天地明察』
推薦文:暦を作った男、渋川春海とその息吹(関西大学現代文学研究部)
・『一行の男』という表現はとても気が利いている。本を手に取らせるきっかけとして大変良い。
・ただ、本の内容については紹介というよりは、感想文っぽい。まずは何が書かれていたかに言及してからの方がよいだろう。
・「~のだ。」文は押しつけがましいので、取ってしまってもよい。共感を誘う書き方を考えた方がいい。
◇2012年度大賞『ハーモニー』
推薦文:伊藤計劃という「視点」(中央大学文学会)
・著者の伊藤さんは亡くなっているので、それに触れるのもアリだとは思うが、最初に書いてしまうと敬遠する人がいるのでは。
・「SFを小馬鹿にしていたが、この小説で変わった」というエピソードを紹介するのは良いが、もう少し具体的にどのようにということを書いてもいい。
・小説のテーマより、初めて読む人に向けてはあらすじを書くべき。紹介するという視点が足りない。
◇全体として
・全体的に堅い。大上段に振りかぶっているものが多い。もっと肩の力を抜いてもいいのでは。
・読む人のことを考えて書くべき。
・その本を読んだことがない友人、知人にも推薦文を読んでもらい、言いたいことが伝わるかを確かめた方がよい。
・引用が下手。勘所となる部分をうまく引用して、小説の魅力を伝えたいところ。
・・・厳しいご指摘多数ですね!
大学生の皆さん、ぜひこちらも参考に推薦文に取り組んでみてください。
私もブログを書く際に気を付けたいと思います。
さて、この大学読書人大賞、選考はこのような形で行われます。
現在、一次投票が終わり、候補の24作品が出そろったところです。
>>候補作はこちら
次のステップは、今回の講演会を参考に、推薦文を書くこと。
2次投票からの参加ももちろん大歓迎とのことですので、全国の大学文芸サークルの皆さん、ぜひ大賞選考に参加しませんか?
参加のお問い合わせは、大学読書人大賞事務局まで。
今回の大賞がどの作品になるか、楽しみですね♪
<関連リンク>
・大学読書人大賞 公式サイト
・大学読書人大賞 公式Twitter
・大学読書人大賞2013候補作
・大森望さん公式Twitter
・大森望さん『文学賞メッタ斬り!』の図書館蔵書を検索
米国大使館レファレンス資料室は一般に公開されており、だれでも訪れることができます。米国の最新事情やアメリカ留学について知りたい方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(※ご利用方法について詳しくは公式ホームページをご覧ください)
アメリカに関する様々な刊行物も配布している |
もちろんカーリルでも、同資料室の蔵書検索ができます!
今回は、その米国大使館レファレンス資料室主催の『次世代図書館のイノベーション:デジタル社会における図書館の役割』と題した講演の内容を、カーリルがちょっとだけレポートします!
講師は米国大使館・情報資料担当官の、シーラ・ウィアーさん。
ご自身も、過去に米国内の公共図書館のインターネットアクセスを促進する事業に携わったことがあるそうで、アメリカの図書館の事例を紹介しながらお話してくださいました。
当日の資料はこちら。
-インターネットと図書館は対立するものではない
・なぜ図書館でインターネット技術を推進するのか?
物理的施設とデジタル世界をつなぐ役割。インターネットと図書館は対立するものではない
・図書館員には図書館のスペースがデジタルに奪われるのではないかという恐怖感がある
・アメリカでは図書館の数はマクドナルドより多いが、評価が低いように思われる
-図書館と電子書籍・ソーシャルメディアの関わり
・アメリカでは図書館での電子書籍提供が広がっており、公共図書館だと82%が導入している
今までとは違う新しい利用者層の取り込みにつながるものと思う
・図書館と出版社が協力して、図書館のサイトから安く電子書籍を購入できるような仕組みも導入されている
・図書館でソーシャルメディアを活用している事例も多い
・既存のサービス(flickr等)を使って、一般で再利用できる写真の公開も
-図書館がコミュニティを活性化する
・ゲームを活用して図書館の利用を促進する事例もある
・コミュニティにおける出版、印刷のサポートを行うことも
・ゲーム+出版のイベント例では、500人が協力して一晩で小説を書き上げた。5,000人もの応募があったので、倍率は10倍
・図書館は知識を得るだけではなく、創造する場所。小さなテクノロジーショップが併設されていて溶接ができたり、スタジオがある図書館も
-図書館が情報を発信するということ
・データを集めて(編集)、発信することも図書館の大切な役割
・クラウドソーシングで、地域のレストランメニュー45,000件を収集しデータを公開している図書館がある
・図書館は他の業界に影響を与え得るような存在。他の(業界の)プレイヤーとの協働でよりよいサービスを提供できるはず
-やっぱり図書館は面白い
・司書(図書館員)として、何よりも仕事を楽しんでいれば、よりよくしていくことができる
・図書館には変化があって面白い! 今の時代にも必要
・・・などなど、面白くて前向きなお話がいっぱいでした。
講演の途中で紹介された、「初めて本に触れる人」に本の使い方をレクチャーする動画は、初めてデジタルに触れる人への案内に通じるものがありそうです。
Medieval helpdesk with English subtitles(YouTube)
また、最後の質疑応答では図書館においてソーシャルメディアを利用するためにどんな手続きが必要なのか、反応などを分析して活用することも必要なのではないかという意見も交わされました。日本の図書館でも、ソーシャルメディアの利用が活発になったら面白いですね。
まだまだ内容盛りだくさんでお伝えしきれない講演の様子は、後日アーカイブが公開される予定とのことです。公開されたらぜひご覧ください。(逐次通訳付きなので、私のように英語が苦手な人でも大丈夫ですよ)
⇒動画が公開されました! ぜひご覧ください。(2012.12.17追記)
レファレンス資料室講演会 『次世代図書館のイノベーション』(YouTube)
レファレンス資料室の資料の多くは洋書です。
カーリルでも洋書が検索できますので、ぜひご活用ください。