岡崎市立中央図書館事件に対するカーリルの見解

2010年8月21日付の朝日新聞において、岡崎市立中央図書館におけるホームページ大量アクセス事件に関する報道がありました。

図書館システムに対するカーリルの対応

カーリルは、全国5,200館以上の図書館の蔵書情報を統合して検索できるウェブサービスを提供しております。このサービスは全国の図書館システムに対して機械的にアクセスを行うことにより実現しており、今回逮捕された方が使った技術と基本は同じです。

サービス開始直後、いくつかの図書館システムにおいて速度低下などの影響があり、その都度該当図書館との調整を図りました。

また、日本の図書館システムが遅くて使いにくいという点について多くの方から賛同をいただきました。このような状況において多くの図書館やシステムベンダーにもご協力をいただき、現状の改善とよりオープンで使いやすい図書館システムの構築に向けて調整を進めております。

そのような取り組みを進める中で、本事件により図書館システムの問題を発端として逮捕者が出るに至ったことは大変遺憾です。

図書館システムのあるべき姿

図書館が持つ蔵書情報は市民が誰でも自由にアクセスできるべきであり、その基盤となる図書館システムもよりオープンになるべきだと考えています。
既に多くの市民プログラマーが図書館をより便利にするソフトウェアやウェブサービスの開発に取り組んでいます。その中には広く利用されるサービスが多く存在します。
今後公共システムではこういった市民参加を歓迎するべきであり、決して萎縮させたり責任を転嫁するものであってはなりません。

既にプログラミングという技術は決して特別なものではなく、誰でも開発に参加できる時代です。

そのような変化に対応して、市民参加を可能とする公共システムの仕組み作り、具体的にはAPIの提供や適切にアクセス制御が可能なシステム設計などが求められています。

カーリルでは今回の事件を教訓として、図書館やシステムベンダーと共に今後絶対に逮捕者を出すことなく広く活用されるシステムについて議論し合意形成を進めます。

参考ページ