Open Book Camera v1を開発しました

日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する株式会社カーリル(所在地・岐阜県中津川市、代表取締役・吉本龍司)は、書影(本の表紙画像)を効率的に撮影する専用カメラ(ブックカメラ)を開発しました。

カーリルでは、「図書館をもっと楽しく」をミッションとしています。このミッションを実現するためにストレスなく本をあたりまえに探せるようにすることは重要なテーマとなっています。今日、新刊の商用出版物については書影(本の表示画像)の流通性は飛躍的に効率化しましたが、図書館が所蔵する地域資料や一般流通に乗らない本の書影情報は流通することがありませんでした。カーリルでは、この問題を解決するため、まったく新しい撮影システム(ブックカメラ)を開発しました。私たちはこのブックカメラの活用シーンを広げるため、開発したすべての設計図面・制御用のハードウェア・ソフトウェアをオープンソース・オープンハードウェア(クリエイティブ・コモンズライセンス)として公開することにしました。商用・非商用を問わずだれでも自由にブックカメラを複製し、改造したり、製造、販売することができます。

2秒で3面高速撮影

ブックカメラは、表紙・裏表紙・背の3面を同時に撮影します。ウェブサービスやアプリの開発者からは、背の画像が欲しいという要望が多く寄せられています。背の画像がデータベース化されることにより、本をまとめて表示する際の表現の多様化や、本棚を撮影することによる本の自動認識など様々な技術革新が期待できます。また、ISBNや図書館で貼付される管理バーコードも同時に読み取ることができるため、撮影時に撮影対象の固有コードを管理する必要はありません。

本を置いたら自動撮影

高性能センサにより本が置かれたことを適確に検出し、自動的に撮影を開始します。撮影中はコンピューターの操作は一切不要です。本棚から本を取り出し、撮影台にセットする時間を考慮すると、1分間に約15冊の本を撮影することができます。

スタンドアロン動作

撮影ソフトウェアは、地下の書庫などインターネットの無い環境でも動作します。そのため、電源さえ確保できればどこでも撮影可能です。

また、いち早くブックカメラを検証し、様々な業務フローやサービスへの活用を検討いただくために、完成品(テストキット)の販売を開始します。企業・学術機関等による研究、検証目的の購入も歓迎です。

詳しくはオープンブックカメラ・ウェブサイトをご覧ください。