ゴールデンウィークは図書館に行こう! 全国の図書館イベント情報2014

ゴールデンウィークの予定はお決まりですか?

各地の図書館で、ゴールデンウィーク中も楽しいイベントや企画展示を行っています。

都道府県立図書館の気になるイベントを集めてみました。ひっかかるものがあったら、ぜひ図書館に足を運んでみてください。
ここでご紹介した以外にも、近所の図書館でもいろいろな企画があるはず。ぜひチェックして、足を運んでみてください。今まで行ったことのない図書館まで遠出してみるのも楽しいかもしれませんよ。

<北海道・東北>

北海道立図書館
5月3日 子ども向け図書館ツアー2014 「図書館のヒミツをさがせ!」
~5月11日 展示:今年のGWも「大型絵本」を大公開
青森県立図書館
~6月8日 企画展「棟方志功と青森の文学」
岩手県立図書館
5月4日 コンシェルジュガイドツアー「図書館♪さんぽ」
~5月29日 企画展「南部のお殿様、明治を生きる」
秋田県立図書館
~5月18日 秋田県立博物館出張展示「春の小さな鉄道展」
宮城県図書館
~6月27日 展示:東日本大震災文庫展Ⅳ「小松左京が遺したもの-震災の記憶・未来へのことば-」
山形県立図書館
4月26日 先着80名!!参加無料!!紙ヒコーキ教室
~5月11日 妊娠・出産のことを、男女ともに考えてみませんか~山形県子ども家庭課連携展示
福島県立図書館
~4月30日 「図書館の至宝」展:新聞でたどる福島県立図書館のあゆみ
5月11日 親子ふれあい読書フェスティバル「絵本はともだち」

<関東>

茨城県立図書館
4月26日 定期プラネタリウム上映会『春の星座』
5月5日 イベント『子ども読書フェスティバル』
栃木県立図書館
4月19日~ 県立美術館 真岡発:瑛九と前衛画家たち展
栃木県立足利図書館
~5月11日 児童書の展示 ~こどもの読書週間行事~「おはなしの世界に出かけよう ~足利図書館おすすめの本~」
5月24日 春の朗読会「人生いろいろ ~萌える命とその移ろい」
群馬県立図書館
~5月11日 近代美術館・県立図書館シェイクハンドキャンペーン「狩野派と江戸絵画の魅力」
4月25日~7月6日 資料展示・世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」
埼玉県立久喜図書館
5月2日 郷土に親しむ映画会「水の旅路 板東太郎物語 第1章」
~5月11日 パネル展示&資料展示 認知症を理解し、向き合うために
埼玉県立浦和図書館
5月1日 木曜映画会「日本国憲法誕生」
~5月18日 展示「ムーミンの世界へようこそ!」
埼玉県立熊谷図書館
5月9日 郷土を知る映画会「武州藍」
~5月22日 展示「黒田官兵衛 ―5つの名前を持つ男―」
千葉県立中央図書館
4月26日 子ども読書の日 おはなし会
~8月14日 展示「祝!無形文化遺産登録~和食でおもてなしの心を世界へ~」
千葉県立西部図書館
~6月19日 展示「今こそ、理系!」
千葉県立東部図書館
4月27日、5月10日、5月25日 「図書館ナビ」書庫見学会
~7月17日 展示「魅惑の舞台演劇 ーシェイクスピアと日本の舞台演劇の歴史ー」
東京都立中央図書館
~6月1日 企画展示「進化する東京-観光都市・東京の魅力-」
東京都立多摩図書館
4月27日 ミニシアター 『オーケストラの少女 日本語版』
~4月30日 東京マガジンバンク企画展示「今!男性誌がおもしろい~ファッション誌・ライフスタイル誌の魅力~」
神奈川県立図書館
~5月7日 県立図書館60周年記念展示 コレクション紹介シリーズ「ベストセラーズ文庫」
5月17日 図書館大公開 図書館ツアー&お宝紹介①
神奈川県立川崎図書館
4月26日 科学実験教室「キツツキとトコトコ馬~動くおもちゃで振動について知ろう!」
6月25日~27日 社史フェア 2014

<甲信越・北陸>

新潟県立図書館
~5月6日 ギャラリー展示「第三回柳都四人の写真展」
5月20日 第4回県の仕事に少し触れてみる講座「親鸞と越後・佐渡における浄土真宗の展開」
県立長野図書館
4月のテーマ本展示「図書館の本」&「パンの本」
山梨県立図書館
5月10日 「疎開した40万冊の図書」上映会・トークショー
~6月29日 情報サテライト1資料展示「花子とアン~もっと楽しむ“朝ドラ”の世界~」
富山県立図書館
~5月6日 企画展示「のりものえほんを楽しもう!~まちどおしいな、しんかんせん~」
石川県立図書館
5月3日 イベント:第1回「図書館をたのしもう」としょかんクイズにチャレンジ
~5月29日 第56回こどもの読書週間記念展示「もう一度読みたい 国語教科書」
福井県立図書館
4月27日 こどもの読書週間記念講座「アンデルセンの生涯とその作品」
~5月29日 展示「図書館をもっと楽しむために!~図書館を知る、本を知る~」

<東海>

静岡県立中央図書館
~5月29日 特集展示「パリへの憧憬」
5月9日~6月1日 「ピーター・ラビットの世界展」
愛知県図書館
~5月6日 ミニ展示「世界を読む1 ドイツ!」
5月11日、7月1日 企画展示「和のこころ」関連行事「講談・素浄瑠璃をきいてみよう」
岐阜県図書館
4月27日 図書館活用講座【子どもの本編】お父さんお母さんのための読み聞かせ講座
常設展示 partⅢ「地図は情報の玉手箱-活かす・楽しむ・描く-」
三重県立図書館
4月27日 館内ガイドツアー「図書館探険隊」
~5月6日 三重県立美術館企画展「ア・ターブル!―ごはんだよ! 食をめぐる美の饗宴―」関連本

<関西>

大阪府立中央図書館
4月26日~5月6日 「春だから…図書館へ行こう!DAY」
~6月29日 資料展示「かがやく<少年>探偵たち~子ども向け推理・探偵小説のあゆみ~」
大阪府立中之島図書館
~4月26日 ミニ展示「資格の勉強、はじめてみませんか?」
5月17日 書庫見学ツアー
京都府立図書館
4月25日、5月14日 図書館活用講座
「今からお出かけ いつでも見られる京都案内本」コーナー
滋賀県立図書館
~5月9日 ミニ展示「何か始めたい春~入門書あれこれ~」
~7月末 近江デジタル歴史街道関連展示「曳山のまち長浜をたずねて」
兵庫県立図書館
4月26日 子どもの読書週間イベント2014「おはなしのせかいへようこそ」
4月26日、27日 イベント「えほんdeピクニック2014」
奈良県立図書情報館
5月10日 「服を読む」ワークショップ「ファッションの時間」 >>関連展示(~6月1日)
~6月26日 図書展示 「シェイクスピアに出会う : 祝!生誕450周年」
和歌山県立図書館
4月27日、5月4日、11日 おはなし会
~27年3月31日 児童室特別展示『鉄道の本-東海道新幹線開通50年―』

<中国>

鳥取県立図書館
4月26日 「なんと昔があったげな」~鳥取県に伝わる昔話を聞く会~
4月26日、5月10日、24日 鳥取大学サイエンス・アカデミー『航空技術と宇宙開発の最前線』
島根県立図書館
4月27日 講演会「出雲の山城〜築城と合戦の実像をさぐる〜」
展示「村岡花子と赤毛のアン〜NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」によせて〜」
岡山県立図書館
5月17日 第1回 放送大学・県立図書館連携講座「バイオテクノロジーの話」
5月29日 講座「フォトムービーを作ろう」
広島県立図書館
5月31日 平成26年度知的書評合戦「ビブリオバトルin 広島県立図書館」
~8月29日 資料展示「ママンペールで紹介された絵本」
山口県立山口図書館
~5月11日 資料展示「懐かしきSF児童文学」
~5月29日 明治維新人物ギャラリー資料展示「高杉晋作の詩歌」

<四国>

香川県立図書館
4月26日、5月10日 イベント「こども読書まつり」
~6月1日 企画展示「香川県立図書館のあゆみ~SINCE1905」-香川県教育会図書館時代から現在まで-
徳島県立図書館
~6月8日 展示「読んでみん?みんながすすめる本」
~6月29日 展示「徳島ゆかりの著名人 とくしま 私のこの一冊」第4回
愛媛県立図書館
~4月29日 展示「虚子文庫~鎌倉由比ヶ浜より松山堀之内へ~」
5月3日 春のたっぷりおはなし会
高知県立図書館
5月3日、4日 イベント「みどりの日のおはなし会」

<九州>

福岡県立図書館
~4月末 ミニ展示「黒田官兵衛と福岡」
佐賀県立図書館
県立図書館開館100周年記念展示「図書館の誕生から100年の出来事」  
~6月24日 「こどもの読書週間」関連イベント
長崎県立長崎図書館
5月25日 講演「長崎の文学とキリスト教-『浦上四番崩れ』をめぐる文学-」
~6月22日 第1回『長崎の文学とキリスト教』展
大分県立図書館
~5月12日 こどもの読書週間行事「そよかぜげんき広場」
~6月15日 金子みすゞ資料展
熊本県立図書館
4月26日~5月19日 たのしい絵本展「きょうりゅう大集合!」
5月3日 「平田オリザ演劇講演会・ワークショップ」
5月18日 熊本近代文学館文学講演会「第6回 武蔵忌句会」
宮崎県立図書館
5月3日 平成26年度 第1回緑陰コンサート
5月5日 平成26年度 図書館シアター『人生、ここにあり!』
5月5日 平成26年度 第1回図書館子ども映写会『しゅくだい』/『ぼくがおっぱいをきらいなわけ』
鹿児島県立図書館
~4月30日 ミニ展示「鹿児島と動物たち」
~5月11日 イベント「子ども読書の日フェスティバル」
鹿児島県立奄美図書館
~5月11日 こどもの読書週間企画展「大きくなあれ おはなしの木」など
5月17日~ 生涯学習講座「あまみならでは学舎」
沖縄県立図書館
~4月28日 エントランス展示「あきやまただし 絵本と原画展」

いかがでしょう、気になるイベントはありましたか?

>>行きたい図書館を探す

(杉山@カーリル

「北欧の図書館に行きたくなる話」を聞いてきた

明治大学和泉図書館で「北欧の図書館に行きたくなる話」が開催されました。

北欧の図書館といえば、行ってみたい世界の図書館として時々話題になります。
中央大学職員の梅澤さんの体験談が面白いということで、北欧の図書館に行ったことのある二人の発表者を加えてこのイベントが企画されたそうです。

北欧は日照時間が短いため、どの図書館も外の光をたくさん取り入れられるように大きな窓があるのだそう。これが、開放的な図書館建築につながっているようです。
歴史的な建物でも、図書館の内部は現代に合わせて進化しており、完成当初のクラシックな雰囲気を残した区域と、明るい光を取り入れたモダンな区域が隣り合わせで存在しているとのこと。

さらに大学図書館は市民に開かれているため、特別な手続きも必要なく利用できるそうです。本は読めなくても、観光でもぜひ訪れてみたい場所ですね。

今回は、10館紹介いただいた中から当日会場投票によって選ばれた、「行ってみたくなる図書館ベスト5」を詳しく紹介します。なお、記事中の図書館の写真は、発表者の杉谷美和さん、梅澤貴典さん、松田雄二さんにご提供いただきました。ありがとうございました。

第1位 ストックホルム市立図書館(スウェーデン)・・・梅澤さん発表

今回、北欧の図書館をいろいろ回りましたが、実はこの図書館に行ってみたいがための旅行でした。四角い箱の上に丸いケーキが乗っているよう斬新な形をしているのですが、建てられたのは1928年です。中に入ると、丸いところの壁は360度書架になっていて、本棚が三層に並んでいるのが圧巻です。「今日はこの図書館で勉強するぞ!」というワクワク感がある。このワクワク感が大事だと思います。自分で図書館をつくるなら、そういう演出ができるといいですよね。ここに行けてよかったです。

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第2位 マルメ市立図書館(スウェーデン)・・・松田さん発表

マルメ市立図書館は超有名な建築家ヘニング・ラーセンの設計で、改装した旧館と新館をあわせた広い図書館です。子どものコーナーは靴を脱いで入るようになっており、カラフルでちょっと隠れられるような家具が設置されています。全面ガラス張りで光をふんだんに取り入れられる吹き抜けがあり、これを見た時はとんでもなく感動しました。

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第3位 ウプサラ大学図書館(スウェーデン)・・・梅澤さん発表

図書館は広い場所に建っている大きな建物です。入口を少し奥に入るとムーディな場所があり、ゆったりした閲覧席が並んでいます。ソファの背もたれが高いのは特に意味はなさそうですが、周りの目を気にせずに学べるというのは、女性一人でも安心していられてとてもいいですよね。広い吹き抜けの空間や、螺旋階段、閲覧席を見下ろすような渡り廊下もあって、立体的な空間を演出するつくりになっています。

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第4位 デンマーク王立図書館(デンマーク)・・・梅澤さん発表

デンマーク王立図書館は通称「ブラック・ダイヤモンド」と呼ばれています。外観はその名の通り、真っ黒でダイヤモンドの形をしています。これに関しては賛否両論あり、美しいコペンハーゲンの街にそぐわないと反対する意見もあるそうです。中は近代的なエスカレータがあるかと思えば、すぐ向こうに歴史を感じるカード目録があるなど、古いものと新しいものが融合されている図書館でした。その日の気分や用途によって場所の使い分けができそうです。

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第5位 ヘルシンキ大学中央図書館(フィンランド)・・・杉谷さん発表

この図書館は、日本だと「~だったらどうすうるんだ。」となりそうなところを「~だったらいいよね。」という思想に基づいて空間がデザインされているような印象を受けました。とても開放感がある白を基調とした気持ちのいい空間に、カラフルな家具が置いてあります。螺旋状の階段で上下階の雰囲気がわかりやすく、次の階に行ってみたくなる演出がいい。自動返却仕分け機があって、ガラス壁の向こうの返却作業が見られるようになっています。様子がわかるからか、とてもきれいに保たれていました。

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次回の特集は北米の図書館

この「図書館に行ってみたくなる話」、次回の特集は北米(カナダ、アメリカ)です。開催は夏前、発表者も募集中だそう。話してみたい方、聞いてみたい方、明治大学図書館のウェブサイトTwitterをチェックしてみてくださいね。

(杉山@カーリル
<関連リンク>

図書館にマーケティングを! アメリカ公共図書館の取り組み

図書館の予算が減少し、図書を購入したり、スタッフを雇ったりするのが難しくなっているのはどうやら日本だけではないようです。

アメリカのニュージャージー州で、図書館のサービス継続のためにトレンド分析やマーケティングを行った経験を持つアルカ・バトゥナガーさん(現・米国大使館情報資料担当官)が「アメリカの公共図書館におけるトレンド分析とマーケティング」という講演を行いました。この講演から、これからの図書館運営のヒントを探ってみたいと思います。

アメリカの公共図書館におけるトレンド分析とマーケティング」は「第2回アメリカンシェルフ講演会」として、千代田区立日比谷図書文化館主催、米国大使館広報・ 文化交流部共催で行われたものです―主催者より補足(2013年12月27日)

必要に迫られてマーケティングに取り組む

アメリカの図書館では、所蔵資料の冊数、貸出数、利用時間、パソコンの台数など様々な調査資料が図書館の公式サイト上に公開されており、誰でも参照できるようになっています。

バトゥナガーさんが当時勤務していたアメリカニュージャージー州立図書館でも多くのデータを収集・公開しており、これを元に、州からの補助金(図書館の運営資金)が効果的に使われているかの分析をするのが仕事だったそうです。

図書館の人、商品、サービスの分析から始まり、たくさんのデータと格闘する毎日を送っていたある日、そもそもなぜこのような業務が必要なのかをふと考えたとか。

ニュージャージー州立図書館の資料ページ

そのとき、全米図書館のデータがあるIMLS(Institute of Museum and Library Services)のデータを分析することで、何か理由が見つかるのではないかと思ったそうです。

いつでもどこでも変わらないのは”図書館の公共施設としての責任”

IMLSで過去30年間の図書館のデータを見ると、利用者、コレクションの内容など色々なものに変化がありますが、変わらないのは「図書館の公共施設としての責任」でした。これはアメリカの図書館だけではなく、世界中の図書館に言えることです。

OCLCによる図書館イメージの調査では、図書館に必要なものは40%が本、残りの60%は時代に合わせた施設やサービスであるという結果が出ていたそうです。つまり、色々言われてはいても、図書館に本が残ることが必要だということがわかりました。

では、図書館でどんなサービスを提供していくべきかを検討することにしました。

提供すべきサービスは「客がなにをほしがっているか」から見えてくる

これまでの図書館サービスは「図書館が何を提供したいか」によって行われてきました。しかし、それでは利用者は離れていくばかり。これからは「お客(利用者)が何をほしがっているか」の視点からサービス提供を考えていかねばならない、ということに気づいたそうです。

IT技術の発展やソーシャルメディアの普及により、情報への要求も変化してきています。例えばお客が情報をほしいと思ったときの要求にはこんなものがあります。

  • 全部まとめた情報がほしい
  • 自分にとって価値のある情報がほしい
  • 今すぐにその場で情報がほしい
  • 自分に必要のない余分な情報はいらいない
  • 自分のいるところまで届けてほしい

ITが普及してきたとは言え、依然として紙の本のニーズは高いままです。そこで世界最大規模のシアトル図書館では、自転車で公園などに本を持っていく取り組みを始めました。図書館に来てもらうのではなく、ニーズのあるところに図書館が行くという発想ですね。

シアトル図書館の取り組みを伝える“Book Patrol”のサイト

図書館に行かないのは、図書館のサービスを知らないから

ところで、図書館を利用している人は本当に図書館のサービスを知っているでしょうか。OCLCの調査によると、回答者のうち91%が図書館を利用していましたが、そのうちどのようなサービスがあるのかがわかっている人はたったの22%でした。市民の図書館への認識が下がっているということです。

図書館の認知度を高める責任があると感じたのはこの辺りからだったそうです。

図書館ブランドを立ち上げて、市民のための組織に

2007年から2009年の間、バトゥナガーさんはニュージャージー州立図書館の「図書館発展局」という部署に所属し、資金不足による図書館閉鎖の危機にどう立ち向かうかの対策を講じていました。

改めてマーケティングの概念を活用し、市民の意識を図書館に向け、認知度と利用率を上げて運営資金を獲得するために、図書館ブランドを立ち上げることにしたそうです。

マーケティングの結果、リーマンショックによる失業者問題が大きいため、図書館でこの手助けをすることにしたとのこと。

アメリカでは履歴書の提出にパソコンが必要なため、図書館内で利用できるパソコンの台数を増やす、地元の企業や労務省などと協力して館内でジョブフェア(就職説明会)を行う、求職者のためのポータルサイトをつくるなど、職探しの支援サービスを重点的に行いました。

図書館が運営する求職ポータルサイト

あるときバトゥナガーさんがスーパーで買い物をしていると一人の女性が近づいてきて、「この人が私に仕事を見つけてくれたのよ!」と叫ぶ場面があったそうです。図書館の支援が実ったことを感じた瞬間だったといいます。

また図書館で何ができるかをお知らせする”I LOVE NJ LIBRARIES“というポータルサイトもつくったそうです。

ただサービスを提供するだけでなく、広く知ってもらうことが重要

もちろんこの成功の裏には、たくさんの仕掛けがありました。バトゥナガーさんの考える大切なポイントをまとめました。

  1. 利用者のニーズを把握する(トレンドの分析とマーケティング)
  2. 図書館だけでやらない。パートナーと手を組む
  3. 全てのチャネルを使って情報を発信する
  4. 図書館員の意識を変える。研修を続け、考え方を共有し、流れをつなぐ
  5. 運営資金獲得のための仕掛けをつくる

1.利用者のニーズを把握する(トレンドの分析とマーケティング)

立地や人によって、図書館に求めるものが違います。ニュージャージー州立図書館が求職者向けのサービスを行ったように、ニーズにあったサービスを提供する必要があります。

2.図書館だけでやらない。パートナーと手を組む

図書館だけでできることは限られます。例えば求職者向けのサービスでも、履歴書の基本的な書き方を伝えることはできますが、業界ごとにポイントを絞ったアドバイスは難しい。地元の企業と手を組んで、それぞれにメリットのある関係を築くとうまくいきます。

またニュージャージー州立図書館では、シャイな人が多い図書館のために、マーケティングの神様と呼ばれるSeth Godin氏を呼んでキャンペーンの戦略を練ったり、図書館情報学の講座を持つ大学とコラボしたり、広告にセレブを起用するということもやったそう。

3.全てのチャネルを使って情報を発信する

プレスリリース(お知らせページ)だけではなく、メールマガジンやブログ、ソーシャルメディアを活用する。また、図書館員自身が広告塔となるのも有効です。

スーパーマンならぬ”super librarian

4.図書館員の意識を変える。研修を続け、考え方を共有し、流れをつなぐ

アメリカの図書館員も、静かでシャイな人が多いそうです。現状を変えるために、図書館員の意識も変えていく必要があります。図書館員がストーリーを語る活動を行ったり、頑張った図書館員に賞を授与してモチベーション維持をはかるのも有効だそうです。また、大きな流れをつないでいくために、継続した研修も必要ということでした。

5.運営資金獲得のための仕掛けをつくる

図書館のさまざまな活動が認知されれば、運営資金の獲得に一歩近づいたといえます。更に広く、予算配分を決定する議員の人たちにも図書館の活動を知ってもらうために、図書館の活動を短くまとめたカードを常に携帯し、いつでも渡せるようにしておくととても良いそうです。

アメリカではALA(アメリカ図書館協会)のウェブサイト上で、このカードやその他の図書館のマーケティングツールが誰でもダウンロードできるようになっているとか。

できることはたくさんある

さて、ここまで見てきたニュージャージー州立図書館の例は、アメリカだからできたことでしょうか。
質疑応答の時間には、様々な質問が出ました。

バトゥナガーさんは言います。アメリカの図書館員もシャイで内向的な人が多いが、少しずつ意識を変えてここまでやってきた。やり方がわからないなら専門家に頼ればいい。資金がないなら、獲得のために動けばいい。一部の利用者のためだけにニーズを絞ったサービスが難しいとは言え、すべての利用者のためのサービスなんてできないのだから、絞り込むしかない。結果的にそれが功を奏するものだ。

ニュージャージー州立図書館でもすぐに結果が出たわけではなく、「図書館なんて」と言われて、たくさんの失敗や辛い思い、試行錯誤を繰り返しながらこのような結果を出すことができた。短期的な結果を見るのではなく、長期的に見て効果があるようなものに取り組んでいくことで、良いサービスにつながっていくと思う、ということでした。

図書館のプロモーションという点では日本でもすでにいろいろな取り組みが始まっています。それらの取り組みのベースとして、マーケティングは欠かせないものです。そのためにも日本では図書館の統計データのオープン化も重要であると感じました。

(杉山@カーリル

<関連リンク>
アメリカの公共図書館におけるトレンド分析とマーケティング|日比谷カレッジ
講演会「アメリカの公共図書館におけるトレンド分析とマーケティング」 参考資料
米国大使館レファレンス資料室|カーリル
ニュージャージー州立図書館
ALA(アメリカ図書館協会)

ビブリオバトルで子どもの図書館利用率アップ?! 子どもたちが考える読書の楽しみ方

7月の下旬、全国の小学生を対象とした「読書と体験の子どもキャンプ」が行われました。

93名の小学生たちがこのキャンプで、国際子ども図書館の見学等の読書に関する活動とともに、野外炊飯活動を体験しました。

中でも注目は2日目の2つのワークショップです。今話題の「ビブリオバトル」に続き、10班にわかれてグループディスカッションを行いました。

ディスカッションでは、本をどこで読むか、誰と読むか等、様々な視点での白熱した議論が交わされました。

どこで、誰と、どうやって読書すると楽しいのか

グループディスカッションのテーマは、「読書の楽しみを広げよう」。
一人ではなく、周りの人と一緒に本を囲むことで、より一層楽しめると考える子どもが多かったようです。ただ読むだけではなく、読んだ感想を共有したり、本を読んだらスタンプがもらえたり。。
地域の人や家族、小さい子どもやお年寄りと読書をするというアイデアもありました。
街の中に本棚を作って、読んだら本の裏にコメントを書いて交流するのも面白そうですね。ちょっとブッククロッシングに似てるかも。

元々本が好きな子どもたちです。図書館をもっと楽しく充実させたい! という意見もたくさんありました。
また、ほとんどの班に共通していたのが、一つ目のワークショップで行ったビブリオバトルをもっと広げたいということです。やってみたらとても楽しかったそうで、帰ったら友達ともやってみたいと思うようになったとのこと。
最近は図書館でビブリオバトルを実施するところが増えていますね。この組み合わせ、とっても相性がいいと考えた子どもも多かったようで、様々なアイデアが出されました。
子どもたちに大人気のビブリオバトルとはどんなものでしょうか。

ビブリオバトルとは

ビブリオバトルは、「知的書評合戦」と銘打ったゲームです。老若男女問わず、特別な技術が無くても誰でも気軽に参加できるのが魅力ですね。

「ビブリオバトルは誰でも(小学生から大人まで)開催できる本の紹介コミュニケーションゲームです.
「人を通して本を知る.本を通して人を知る」をキャッチコピーに日本全国に広がっています!」

【公式ルール】
1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2.順番に一人5分間で本を紹介する.
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

このキャンプのビブリオバトルは、少しルールを変更した特別版でした。

通常はその場で語るのがビブリオバトルの暗黙のルールですが、今回、小学生にはそれぞれのおすすめ本について、事前に200文字の紹介文を書く課題が出されたそうです。考えたことを文章にすのもなかなか難しいものです。

ただし、実際にビブリオバトルをする時はもちろん発表原稿なし。プレゼンテーション3分+質疑応答2分のプチバトルでしたが、3分でも時間が余ってしまう子もいたとか。今回は1班10人程度と人数も多く、会ったばかりの人に囲まれての発表は、やっぱりちょっと緊張してしまいますね。

今の小学生がどんな本に興味を持っているのか、気になりませんか? 当時の私には手が出せなかっただろう難しい本もエントリーされています。
各班で選ばれたチャンプ本は、こちらの本のレシピにまとめました

ビブリオバトルがとにかく楽しかった!

やってみたら楽しかったビブリオバトル、自分の身近に取り入れたいという思いは、「読書の楽しみを広げよう」のワークショップにも表れていました。

友達と一緒にビブリオバトルをすることで、読書も友達の輪も広がっていくというアイデア。

家庭でビブリオバトルを取り入れると、お互いの考えていることもわかり、コミュニケーションも図れそうです。

図書館の改善案も出ました。話をしたり、ビブリオバトルしたり出来る場所を作ることで、もっと図書館に行きたくなるとのこと。声を出せると友達との交流も出来ますね。

ビブリオバトルをする場所を「ビブリ場」と名づける班もありました。ビブリオバトルをすることは「ビブる」と言うそうです。たまたま一人が噛んでしまったことがヒントになったとか。図書館に「ビブリ場」を作って、たくさんの人とビブリオバトルをしたいということです。図書館の方々、ぜひ前向きにご検討ください。

図書館がビブリ場になる日はもうすぐそこ

ビブリオバトルの発案者でワークショップ講師の谷口さんも、子どもたちのビブリオバトルを興味深くご覧になったようです。

元々、ビブリオバトルは谷口さん自信が誰かに本を紹介してほしいと思って始めたものだそう。偶然で新しい本との出会いを提供するという意味では、ビブリオバトルと図書館に共通したものがあるような気がします。

実際、ビブリオバトルを実施する図書館が増えています。図書館に行くとその場ですぐに参加できる「ビブリ場」ができる日も近いかもしれませんね。

(杉山@カーリル

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<関連リンク>
知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
小学生のビブリオバトルでチャンプ本に選ばれたのはこれだ!
全国の小学生100人が考えた「夢の図書館」がすごい
青少年教育情報センター
国立青少年教育振興機構
文字・活字文化推進機構

多読で英語嫌いを克服できるかも?! 東京・学校図書館スタンプラリー2013レポート

「たどく」という英語学習法があるということを耳にするようになりました。
漢字で書くと「多読」です。

調べてみたところ、多読学習法とは、自分の力で読めるレベルの本をたくさん読むことによって、自然に英語力が身につく方法だそうです。あまり勉強している感じじゃないのが、何となくよさそうですね。

現在開催中の「東京 学校図書館スタンプラリー」参加校の都立稔ヶ丘高校図書室で、司書教諭による英語多読の講習会があると聞いて、興味しんしんで参加してきました。

多読のルールは簡単!

多読三原則は、
 1.辞書は引かない
 2.わからないところは飛ばす
 3.つまらなければやめる。


普通の英語の授業では、わからない単語は辞書を引き、全てわかるまで皆で読み込んでいきますよね。これを精読と言います。でも多読はその逆で、興味を持ち続けることが大切なのだとか。

日本語の本が面白くなかったら読むのをやめるのと同じように、英語の本も途中でやめてOK。

わからない単語が出てきても、いちいち辞書を引かずに読み飛ばします。むしろ辞書は引いちゃダメで、見なかったことにするのが正解だそう。

多読を始めた頃に読むのは絵本なので、見ていればなんとなーく、意味がわかるようになっています。百聞は一見にしかず、ですね。

また、重要な単語であれば、その後も何度も出てくるうちに覚えるし、イラストと単語をセットで覚えておくと、文字だけの難しい本に挑戦した時にもスラスラ読めるんだとか。

例えばこちらの『A Cat in the Tree』、簡単な絵本なのですが、見慣れない単語が出てきます。
“Wilma’s dad was stuck.”
ウィルマのお父さんは、一体どうしたのでしょうか。
木に登った猫を助けようとして、木に登ったお父さん。イラストから推測するに、どうやら、足を踏み外して身動きが取れなくなってしまったようです。
“stuck”は「身動きが取れない状態」のことだということが、なんとなくわかるようになりました。

外国の文化に親しむうちに、いつの間にか英語が身についている

「かくれんぼ」「つなひき」「かさぶた」「風見鶏」・・・。

これらの単語、英語で何と言うかわかりますか? 稔ヶ丘高校で多読をした生徒さんは、パッと答えられるのだそうです。英語は得意ではないのに、こんな単語がいつの間にかわかるようになっているのも、日常使う生きた英語をたくさん読んでいるから。

本文には全く文字が入っていない、『The Library』のような本もあります。

図書館のカウンターで顔をしかめるお父さん、実は延滞の罰金を払っているところ。日本の図書館でお金を払うことはまずないので、イギリスで本を借りるときは気をつけないといけませんね。

こうして多読をしていくと
 ・英語の世界が豊かになる
 ・外国の文化や慣習を知ることができる
 ・英文を読むのが楽しくなる

・・・かもしれないそうです。昔受けた英語の授業は大変だったけど、わかるところだけ読めばいいなんて、多読っていいですね。

興味がわくものから、どんどん読んでみる

稔ヶ丘高校の図書室のレファレンスルームは、部屋全体が多読コーナーになっていて、どこから読み始めようか迷ってしまうほどです。公立図書館でも、ここまで揃えているところは多くないのではないでしょうか。

多読講座が終わると、見学に来ていた中学生も、早速本を手にとって読んでいました。

スタンダードな英語の絵本の他にも、こちらの図書室には色々なタイプの本があります。

ディズニーシリーズは、一通り読み終わると、最後に簡単なクイズが出題されます。(英語圏での)国語のドリルのような感じかな?

ジブリもありました。
こちらは映画を元にした漫画形式でフルカラーです。ストーリーはわかっているから、少しくらい知らない単語が出てきてもへっちゃらですね。ただ、個人的には全部大文字で書かれていて読みづらいですが。。

図書室を見て学校を決めたくなるかも?

カラフルな本を見ていたら、多読したい気持ちがむくむくとわきあがってきました。

自分の通っていた高校の図書室にこんなコーナーがあって、多読の授業があったら、絶対英語得意になってただろうに!(受験英語除く。)

今回参加していた中学生は、「友達に誘われて参加した。図書室だけで高校を決めることは無いが、本は好きだし、朝読書で読む本は図書室で選んでいる。面白かった。」と言っていました。

学校図書館スタンプラリーを回りながらの学校見学、やっぱり面白いですね。来年はどんな企画が飛び出すのか、楽しみにしています。

(杉山@カーリル

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