全国の小学生100人が考えた「夢の図書館」がすごい

8月3日~5日の3日間、国立オリンピック記念青少年総合センターで「わくわく子ども読書キャンプ」が行われました。ここでは、キャンプを通して友達に読書の楽しさをや大切さを伝える「子ども読書大使」の育成を目指しています。
今年で5回目。全国38都府県の読書活動優秀実践校など49校の小学校5・6年生96名が参加。ワークショップでは「わたしたちの夢の図書館」を考えました。
カーリルは、3日目のワークショップ発表会に潜入し、子どもたちがどんな図書館を夢見ているのかを探ってきました!
 * * *
本番直前。入念にステージでの発表練習を行います。

「あー、うまくいくかな。緊張する!」

さあ、いよいよ発表の時間です。グループは全部で10班。順番に見ていきましょう。
◇自家発電もできる「ECOドリームブックタワー」
まずは1班。
こんな図書館であってほしいという意見を出し合ったのがこちら。
例えば図書館は「全てが自由な場所」。読むことも感じることも自由、自由に時間を過ごすことができる場所が理想とのことです。

それらの理想を叶えてくれる夢の図書館が「ECOドリームブックタワー」。
観光地にあるタワー型の図書館で、駅から直通になっているとのこと。風力発電やソーラー発電に加え、階段の上り下りでも発電ができちゃいます。余った電気は電力会社に売って、本を買うお金に充てるそう。

入館時に本を返却する際には、汚れ探知機「ピー」を通さなくてはなりません。本が汚れていると警告音が鳴る仕組みです。皆が借りるものなので、本の汚れや破れを素早く探知してくれます。なんと今なら59,800円! お買い得です。
館内には、世界の図書館にワープできる入り口もあります。ゲートをくぐるとそこはイギリス。ハリーポッターの本を借りるには、英語で依頼しないと通じません。

他にも、目の見えない人が気軽に読書できる、読み聞かせロボットがいる階、水族館のある階、展望台と露天風呂がある階などがあり、色々な体験ができるようになっています。休日に家族皆で遊びに行けそうですね。

◇別館はまるで物語の中のお菓子の家

次は2班です。
こちらは3階建ての本館と別館に分かれています。
本館の1階は図書館で、パソコンに読みたい本を入力すると、ロボットがどこにでも本を運んでくれるそう。ウイーン、ガシャ、ガシャ、ガシャ。

2階はコンピュータルームと読書ルームがあり、調べたいことをじっくり調べられます。
3階では、本をムービーにすることができるそう。素敵な機能!
屋上では、緑の中のハンモックに揺られながら本を読めます。

別館のお菓子館は、まるでお菓子の家。チョコの香りがするドアや、クッキーやグミでできた壁があり、食べることもできます。本にカバーをかけてあるので、もちろんお菓子を食べながら読んでもOK。
もう一つの別館・古代館は縄文時代をイメージした竪穴式。冬はこたつにあたりながら、夏は涼みながら本を読むことができ、火おこしの体験もできちゃいます。

また、クリスマスや誕生日には本をプレゼントしてくれるという素敵な図書館だそうです。

◇本を借りるとポイントがたまるサービスも

つづいて3班。
テーマは「ブックパラダイス」。タワー系とお城系の図書館が日本にあり、後々は海外や宇宙にも同様に展開していくそうです。窓からはエッフェル塔や自由の女神、ビッグベン等、様々な景色がみえます。館内にはお笑い芸人が来て場を盛り上げてくれるとか。また、音楽を聴きながら本を読むこともできます。楽しそうですね。

本を借りるとポイントがつき、ポイントが溜まると景品がもらえます。また、今まで読んだシリーズ物の新刊が出ると貸出してくれるサービスもあります。

館内には自動本売機が設置されています。読みたい本が貸出中の時や、読んだ本を手元に置いておきたい時等にその場で買えて便利ですね。

◇館内にホテルを併設。「ハテNA図書館」

お次は4班。
この班は、朝のニュース形式での発表です。アナウンサーが、スカイツリーの形をした「ハテNA図書館」が開館したことを伝えます。この新しい図書館は、どんな図書館なのでしょうか。

ハナNAのハは「ハイテク」のハ。移動図書館に電話するといつでも家に来てくれ、世界中の翻訳された本が読めます。図書館内には行きたい場所をバーチャル体験できるブースや、3Dの立体画像が見られる図鑑もあります。
図書館にはホテルも併設されており、飲食もできます。また図書館は24時間営業なので、いつでも好きなときに本を借りられます。
泥棒がすぐにわかるセンサーもついているので、悪いことはできませんよ。

館長や司書さんへのインタビューも。この図書館を作ったのは疑問(はてな)を解決してもらうためとのこと。また図書館の中はゆっくりリラックスして本が読めるようになっているそうです。いいですね。

◇図書館は宇宙船。宇宙の果てでも出張します

5班の発表を見てみましょう。
図書館は宇宙船の形をしており、宇宙人のスタッフもいます。年中無休・24時間営業で、空を飛ぶこともできるので、宇宙への出張もお手の物。

1階には図書館、本屋、広場があります。自分の好きな本の世界に入れる機械があり、登場人物になって本の世界を楽しむこともできちゃいます。本屋で本を買ったり、広場で絵の展覧会を見たり、楽しむ方法が色々。

2階には雑貨店、飲食店。パソコンルーム、リラックスルームがあります。食べ物はリラックスルームに持ち込みができます。マッサージを受けてからの読書もいいですね。

屋上には噴水や流れるプール、遊具等があり、思い思いに読書を楽しめます。図書館の本は防水なので、プール持ち込みOK! ピクニックができる芝生もあって、天気のいい日はとっても気持ち良さそうです。

◇休日には家族で行きたい空の上の図書館

6班の発表はどうでしょう。
テーマは、皆が楽しめて使いやすい「空の上の図書館」。地上からはエレベーターで行くことができます。
1階には子ども部屋、子ども向け図書館、大人向け図書館があります。窓からの景色は抜群。親が子どもを安心して遊ばせられるように、目の届く場所に子ども部屋があるのがポイントです。

2階にはゲーム室とレストラン、体験室があります。ゲーム室では、本の世界をゲームとして楽しめます。体験室では本の世界に入ることができます。例えば車の部屋に入ると、免許が取れて運転もできちゃいます。そして、レストランでの飲食は全て無料。食事も楽しめるなんていいですね。

3階には書庫があり、膨大な蔵書が収められています。勉強の部屋は、調べ学習等に集中したい場合に便利。お掃除おばさんロボットがいつも清潔にしてくれるので、ちょっとくらい消しゴムのカスを落としてもへっちゃらですね。また、本を作る部屋もあります。自分だけの本を作って、図書館に展示したり持ち帰ったりできます。
図書館は移動式なので、全国どこへでも飛んで行きます。たくさんのお申し込みをお待ちしています!
◇図書館が毎月模様替え。おしゃれな亀の”BOOK LAND”
7班はスタートから劇仕立て。
昨日行った図書館は堅苦しくてつまらなかった、という子どもたちに博士と助手たちが、夢の図書館「タートル BOOK LAND」を紹介します。
「図書館」だと静かで堅苦しい感じなので「BOOK LAND」とつけて楽しいイメージにしたそう。

このBOOK LANDは亀の背中にあるため移動ができ、動きがゆったりしているのでリラックスできます。中には資料室、子どもの部屋、読み聞かせコーナー、赤ちゃん施設、体育館、カフェ、ホール、勉強部屋等があります。疑似体験コーナーで、本で読んだことを体験したり、家庭科室で本の中に出てくる料理を作ったりもできます。
枝の上の本作りコーナーでは、自分で好きな本を作ることができ、図書館に置いてたくさんの人に見てもらえます。

外の木にはたくさんのブルーベリーが実っており、かわいい動物がたくさん住んでいます。この亀は陸上では時速1km、水中では時速80kmで移動します。女の子でおしゃれ好きのため、毎月甲羅の模様が変わります。来月は水玉やストライプになってるかも。

少年たち、楽しい図書館があるってわかったかな? また利用したまえ、と博士は優雅に去って行くのでした。
◇閉館後に真剣ミーティング。サービスを改善するには

8班のメンバーは、図書館員となって、閉館後に図書館をより良くするためのミーティングを行います。どんなアイデアが出てくるのでしょうか。
まずサービス面では、図書館を移動図書館として、多くの人が利用できるようにします。24時間毎日開館し、貸出期間を1ヶ月間とする。気に入った本は購入できるようにする、宅配サービスをするというのはどうでしょうか。

ドーム型の天井を利用して、プラネタリウムを上映したり、自作の絵本や詩、小説等が出版できても面白いと思います。イベントコーナーで、月に1回図書新聞を作ったり、オススメ本を紹介し合ったりもいいかもしれません。体験コーナーで、理科の実験ができたり、五感を使えるようなゲームがあるといいと思います。

世界の料理や国旗、遊びや洋服がわかるコーナーをつくり、外国語の本を日本語訳してくれる機械を導入したいです。皆が楽しめる「誰でもコーナー」を作りたいです。点字の本を増やしたり、リクエストすると朗読してくれたりというサービスを提供します。
読書スペースを増やし、庭に植物を植えて気持ちのいい空間を作るという提案をします。あと、飲食店で大人が飲めるコーヒー等のドリンクの種類を増やしたり、パン等の軽食を置きましょう。

「皆の想いを形にする」を大切に、夢の図書館を作るぞー! と、気合いを入れて締めくくりました。
◇ピラニア注意! 動物と触れ合えるブックワールド
9班です。
テーマは「くつろげて楽しめるブックワールド」。どんな夢の図書館が出来上がるのでしょうか。本の形にした模造紙を使って案内してくれました。

図書館の外には木の部屋があり、本がたくさんあります。動物や魚の図鑑が中心です。丸太に座ったり、ハンモックに座って本を読んだり、動物に触れ合うこともできます。食べられる木の実も豊富。池にはスイミーもいます。ピラニアもいるので泳がないように注意!

図書館の床には人工芝が生えており、天井はガラス張りになっています。世界中のあらゆる種類の本が揃っています。見つからなかったら検索機を利用できます。外国語の本を翻訳してくれる機械もあります。体験コーナーでは、本の世界に入って楽しめます。レストランでは軽食がとれます。お話の部屋では七夕等のイベントも開催されます。

◇図書館では誰でも魔法使いになれる

最後は10班です。
大切にしたのは、年齢関係なく誰でも楽しめる図書館であるということだそう。
できあがったのは「ツリーハウス図書館」。外側は色付きのガラスでできていて、ツリーハウス型です。

中では本に関係する様々な魔法が使えます。読みたい本を自分の所に呼んだり、本の中に入り込んで物語を体験することもできます。本を借りるとポイントが溜まり、ポイントで図書カードや本がもらえます。図書館の外にいる場合も、配達サービスで本を届けてもらえます。返却は郵便ポストでもOKです。
図書館には世界中の本があり、魔法で自動的に翻訳されているので、すぐに読むことができます。図鑑を開くと3Dの動物や魚が出て来ます。家族で個室が利用でき、壁が防音になっているので大きな声を出しても大丈夫です。幻の動物ユニコーンや、手伝ってくれる本ロボットがいます。

もっと本を好きになってもらうためにも、夢の図書館を実現したい・・・と締めくくろうとするところで、オバケ(?)が登場。逃げろー!

 * * *

講評は埼玉県三芳町立図書館副館長の代田知子さん。

図書館には本が好きな人がたくさん来てくれますが、あんまり本が好きじゃない人が来てくれないという悩みもあります。皆さんの発表で参考になることがたくさんありました。例えば、読みたい本があれば家に届けてくれる、というのは図書館員に求められているものではないかと、胸にずっしりと刺さりました。と、各班の発表の講評と感想を発表なさいました。

また、代田さんは一冊の本を紹介。『雨あがりのメデジン』です。本を読みたくても、字を習っていなくて読むことができない少年たちが図書館で巻き起こす騒動とは?
本の話になると、子どもたちの目はより一層真剣味を帯びていました。

最後に、参加した子どもたちにインタビューをしました。

登場人物になって本の物語を体験する、というアイデアを10班で発表した植田章嗣くん(滋賀県湖南市立下田小学校6年)は、土日限定のイベントとして開催したい。もし自分が体験するなら『夢をかなえるゾウ』の主人公になってみたい、と話してくれました。

小松原知拓くん(福岡県新宮町立新宮小学校5年)は、キャンプに参加したメンバーは皆話しやすく、仲良くなれた。皆のおかげで楽しめた。帰ったら学校の友達に読書の面白さや素晴らしさを伝えていきたい、と話してくれました。

子どもたちもこれからの図書館に期待いっぱい。皆さんの夢の図書館はどんな図書館ですか?

(杉山@カーリル
<参考リンク>

『夢をかなえるゾウ』をカーリルで検索

夏休みも図書館に行こう! 全国の図書館イベント情報☆

今週末から夏休み! という方も多いのではないでしょうか。
ご予定はお決まりですか?

カーリルで、全国の都道府県立図書館で実施されるイベントを集めてみました。




<北海道・東北>
▽北海道立図書館
~8月30日 展示「オリンピック物語-第30回オリンピック競技大会・いざ!ロンドンへ!-」
▽青森県立図書館
8月12日 秋田雨雀作品 紙芝居『鶴の湯物語』実演会」
▽岩手県立図書館
~9月23日 企画展「新渡戸稲造と『武士道』~生誕150年記念~」
▽秋田県立図書館
~9月2日 テーマ展示「日本の夏の風物詩を知る」
▽宮城県図書館
~8月31日 特別展「3・11漫画家の祈りと激励展-東日本大震災文庫展II-」
▽山形県立図書館
~8月18日 企画展「ロンドンオリンピック、スポーツ特集」「なつやすみ特集」
▽福島県立図書館
~9月5日 展示「文字ガラス絵の世界展~赤間利晴の文字アート」

<関東>
▽茨城県立図書館
8月12日 三の丸寄席 特別企画 『暑気払寄席』
▽栃木県立図書館
企画展示「地震・雷・火事・オカン~あなたのおうちは大丈夫?」等
▽栃木県立足利図書館
~8月30日 特設コーナー「子どもと楽しむ夏の本棚」
▽群馬県立図書館
~9月23日 資料展示「いろいろな国の絵本」
▽埼玉県立久喜図書館
~8月19日 資料展示「医療小説の世界」
▽埼玉県立浦和図書館
~8月26日 展示「音楽で世界を旅しよう~イギリス編~」
▽埼玉県立熊谷図書館
~8月26日 資料展示「博物館の愉しみ」
▽千葉県立中央図書館
~8月16日 展示「プラントハンター ~まだ見ぬ植物に憧れ世界探検に赴く人たち~」
▽千葉県立西部図書館
~9月20日 展示「宇宙へのきぼう」
▽千葉県立東部図書館
~8月31日 展示「オリンピックと英国・ロンドン」
▽東京都立中央図書館
~9月9日 企画展示「オリンピックのときめき 軌跡~ロンドンそして東京へ~」
▽東京都立多摩図書館
~9月5日 企画展示「これならできる!自由研究」
▽神奈川県立図書館
~10月10日 ミニ展示「神奈川の東海道と宿場 ~神奈川宿・保土ヶ谷宿・戸塚宿~」
▽神奈川県立川崎図書館
8月26日 サイエンスカフェ「糖尿病になりやすい体質ってなんだろう?」

<甲信越・北陸>
▽新潟県立図書館
~9月2日 ギャラリー展示「大地の芸術祭 写真展」
▽県立長野図書館
~8月30日 企画展「しらべるって楽しい!夏休み図書館」
▽山梨県立図書館
移転・開館準備作業のため休館中
▽富山県立図書館
~8月22日 企画展示「資料に見る植物の世界」
▽石川県立図書館
~9月27日 企画展示「中谷宇吉郎 没後50年」
▽福井県立図書館
8月12日 納涼落語会

<東海>
▽静岡県立中央図書館
~8月30日 企画展示「大龍勢」
▽愛知県図書館
~9月12日 企画展示「戦記を読む」
▽岐阜県図書館
~10月14日 ミナモがいっぱい「ぎふ清流国体」展示
▽三重県立図書館
~8月19日 つつみあれい原画展

<関西>
▽大阪府立中央図書館
~8月26日 未来展「ものづくりは人づくり~伝統は未来へつづく~」
▽大阪府立中之島図書館
~8月15日 特別展「和本の楽しみ」
▽京都府立図書館
「オリンピック」に関する図書コーナー
▽滋賀県立図書館
8月9日 出前講座「しが統計・キッズクイズin滋賀県立図書館」
▽兵庫県立図書館
~9月19日 展示「平清盛 その人・業績と時代-平家納経からみる平氏一門-」
▽奈良県立図書情報館
~9月27日 図書展示「古事記の世界をよむ – 資料でたどる古事記の歴史 – 」
▽和歌山県立図書館
~8月末 展示「長野ヒデ子さんがとどけてくれたもの」

<中国>
▽鳥取県立図書館
~9月末頃 鳥取県×明治大学連携展示企画「アニメが描く希望と未来展~アトムから初音ミクまで~」他
▽島根県立図書館
館内資料展示「ねぇ!この本読んで。」〜しまね子育て絵本
▽岡山県立図書館
8月19日 とことん活用講座「環境とアレルギー」
▽広島県立図書館
~9月30日 資料展示「パーク&ライド~人と環境を育むまちづくり~」広島県都市計画課連携
▽山口県立山口図書館
~8月30日 維新関係資料展示「変化朝顔の流行」

<四国>
▽徳島県立図書館
~9月3日 企画展示「図書委員が選ぶ、今も心に残る絵本」
▽香川県立図書館
~9月9日 企画展示「親子で食育4~知って食べると、もっとおいしい!~」展
▽愛媛県立図書館
8月19日他 子どもの読書活動推進のための研修会
▽高知県立図書館
~8月22日 展示「鳥取県と海を交換!ジオパーク交換展」

<九州>
▽福岡県立図書館
~9月23日 ミニ展示「福岡県のオリンピック選手」
▽佐賀県立図書館
展示「伊能忠敬の足跡」他
▽長崎県立長崎図書館
~9月17日 県立長崎図書館創立100周年記念企画 「植木家資料展~島原半島の発展に尽くした植木元太郎関連資料~」
▽大分県立図書館
「もっと美術を! 県美協秀作展」
▽熊本県立図書館
8月26日 マンガミュージアム展記念シンポジウム 熊本にマンガのミュージアム?「マンガミュージアムのこれまでとこれから」
▽宮崎県立図書館
~8月14日 古事記編さん1300年記念図書館交流展示 島根の展示
▽鹿児島県立図書館
~9月30日 企画展示「かごしま路面電車100年とその歴史」展
▽鹿児島県立奄美図書館
展示「夏にお薦めの本」
▽沖縄県立図書館
~8月20日 写真展「なつかしき沖縄~いま」

この他にも、市区町村立図書館などでも様々なイベントが行われます。
ぜひ、近くの図書館に足を運んでみてくださいね。

 ⇒お気に入りの図書館の情報をチェックする!

(杉山@カーリル

大人の職場体験!カーリルが司書さんのお仕事を体験してきました

図書館で「大人の職場体験」なるものが開催されると聞いて、黙ってはいられません!
司書さんの仕事の一端を実際に体験してきました。

7月29日、お邪魔したのは東京都の葛飾区立立石図書館

2011年6月末にリニューアル開館した図書館で新しく、晴天も手伝ってとても明るい雰囲気です。

正面玄関を入って右手には図書館のカウンターと雑誌コーナー、左手には総合受付と喫茶コーナーがあります。ケーキおいしそうだった。。
今回の職場体験の会場は2階研修室。
看板を見ると期待が高まります。
受付を済ませると、いよいよ職場体験のスタートです。
まずは講義から。
お話をしてくださったのは、司書の岡さん。
15~16世紀頃の西洋の図書館では、本棚は鍵付きだったそうです。
勝手な持ち出しや、場所の移動を禁止するためだったとか。
教会の図書室も、地域の人が見に来ると棚から本を取ってくれと言われてしまうため、本棚にカバーを書けて見えなくしてしまったそう。
しかし、本を並べているだけで利用しないのであれば、図書館の意味がありません。
「図書館は利用するためのものである」
図書館学の父・ランガナタンが経験した事例を、参加者は熱心に聞いていました。
そして、この後体験する配架作業(本を棚に戻す作業)のために、「請求記号」の見方を勉強しました。本の背表紙についているアレです。
上段が「分類記号」(*1)、下段が「著者記号」の二段組みになっています。
一般的な請求記号の他にも、立石図書館独自の分類をし、カラーテープや犬のイラストを貼ってある本もあるとのこと。図書館の特色が出ていて面白いですね。
一通りの分類の説明を受けたところで、早速お仕事体験開始です!
配架と保護フィルムシート貼りの2班に分かれて作業をします。

まずは配架のお手伝いから。

カウンターの横に、本日返却された本が並べてあります。
ここから2~3冊を手に取り、請求記号を見ながら本棚に戻していきます。
小説などが置いてある棚。
立石図書館では、913(日本の小説)と914(日本のエッセイ)を、著者毎に一緒に並べているとのこと。 間違えないようにしなければ。
中高生向けのYA(ヤングアダルト)コーナーは、その中に全てのジャンルがあり、分類毎に並んでいるため難易度が高い、と岡さん。
ここでご紹介した配架は立石図書館のものです。

それぞれの図書館によって独自の分類をしているところがきっとあるはず。

同じ本でも図書館によっては異なるジャンルに分類されていることがあるので、いつも通っているお気に入り図書館での分類がどうなっているか、一度じっくり見てみると面白いかもしれませんよ。

さて、30分程で配架が終了し、次は本への保護フィルムシート貼り体験です。

保護フィルムシートを貼るのは、本の汚破損を軽減するのが目的。
少しでも長く多くの人に読んでもらうためです、と館長の玉川さん。
テーブルごとに講師の司書さんに手順を教えてもらいます。
まずは、本が中心に来るように保護フィルムシートを置き、位置を決めます。
位置が決まったら、本の形に合わせてシートにしっかり折り目を付けます。 
しっかり折り目が付いたら、台紙からシートを折り目の辺りまで剥がします。 
折り目の端と本の端を合わせて、1~2cm程度慎重に貼り付けます。 
次に、本の角に向かってシートに斜めに切り込みを入れます。
直角にしてしまうと、本からはみ出てしまうことがあるので、内側に入りきるくらいが目安です。
切り取るとこんな感じ。見えるかな?
この切り取ったシートの端っこはあとで使うので取っておきます。
今度は表紙にシートを貼っていきます。
長い定規を使って、空気が入らないように、でも引っ張りすぎないように慎重に。。
背表紙の辺りまで貼り付けたら、背表紙の方に向けてシートに斜めに切れ込みを入れます。
切れ込みの位置が、背表紙ぎりぎりにならないように、少し内側に向けて切ります。
裏側にも同様にシートを貼り付け背表紙に切れ込みを入れます。
上下とも切れ込みを入れたら、本のカバーを外し、背表紙部分のシートを内側に折り込みます。
これで棚から本を取り出すときに、カバーが破れるのを防げますね。
本に カバーを掛け、上下の貼っていないシートを折り込んで貼っていきます。
歪み防止のため、2番目に貼るのは最初の箇所の対角線上に。
こうするときれいに仕上がるのだそうです。
全てを貼り終えたら、空気が入ってしまったところに穴をあけ、空気を抜きます。
最後に、先ほど切り取ったシートの切れ端を、表紙裏の破れやすいところに貼って完成! 
一連の工程を5分もかからず、パパッと説明してくださいました。
(因みにこれは一例で、司書さんによっては先に全部貼ってから切る人、切ってから貼る人など、それぞれにやりやすい方法があるのだそうです。)
やり方がわかったところで、いざ、保護フィルムシートかけ!
事前に、一人一冊、カバーをかけたい本を用意するように言われており、各々持参した本を手に、慎重に作業に取り掛かります。
わからない部分は司書さんに聞きながら。
私はミヒャエル・エンデの「鏡のなかの鏡-迷宮-」を持ってきました。
さあ張り切っていきましょー!
・・・と、いきなり順番を間違えました。
貼る前に切ってしまって、 しかもシートの裏表がわからなくなってしまい助けて頂くことに。
何とか貼ることはできたものの、引っ張りすぎて表紙が閉じなくなってしまいました。完全に失敗です。。
もはや自分ではどうしようもないので、何とか直して頂きました。
そして、出来上がりがこちら。
一度切って補修してあるため、裏表紙がかわいそうなことに。
最後まで気を抜かず、もっと丁寧に仕上げるべきでした。エンデさんごめんなさい。
うまくできるとこんな感じになります。笑顔も素敵!
プロがやると簡単そうに見えることも、やっぱり素人には難しいですね。実際に体験して、改めて実感しました。
とはいえ、(失敗したけど)とっても楽しかったです♪
今回は参加者13名。東京都外の方もいらっしゃったとか。
それだけ図書館の仕事が魅力的ということですね。
尚、次回の「大人の職場体験」開催予定は未定とのこと。
好評であれば、また企画したいとのことでしたので、ぜひ第2回を期待したいですね。
司書さん体験をしてみたい大人の皆さん、お近くの図書館でも持ち込み企画してみると、もしかしたら実現するかもしれませんよ。
(杉山@カーリル
<参考>

カーリルで富山県内全ての図書館の蔵書が検索できるようになりました

カーリルで、富山県内全ての図書館の蔵書が検索できるようになりました!

本日、南砺市の図書館の蔵書検索に対応し、富山県内15市町村全ての自治体の図書館の蔵書が検索できるようになりました。
カーリルの中で初めて、市区町村カバー率100%を達成! ぜひご利用ください。

富山県以外の都道府県でも、随時対応を進めています。
蔵書検索システムがあるのに、カーリルでは対応していない、という図書館を見つけましたら、ぜひご連絡ください

全国制覇を目指して頑張りますので、引き続き応援頂けると嬉しいです♪

(杉山@カーリル

図書館公式「本のレシピ」が続々。図書館ページとも連携できるようになりました

皆さんに大好評の「本のレシピ」、毎日続々増加中♪

「本のレシピ」とは
ユーザーの皆さんがテーマを決め、そのテーマに沿った本を紹介して頂く、本好きのコミュニティです。
本のレシピを見て、本選びの参考にしたり、ぜひ紹介したい本をレシピにしたり、色々な楽しみ方ができちゃいます。

本のレシピを、図書館の公式アカウントで企画展示のご紹介などに活用頂いています。
読んでみたい本を探すためや、自館の展示の参考に、図書館がどんな本のレシピを作っているのか覗いてみませんか?

三重県立図書館

多治見市図書館

国際交流基金関西国際センター

大阪信愛女学院図書館

新潟医療福祉大学図書館

また、図書館公式アカウントは、図書館ページに連携させることができるようになりました。連携させると、レシピが図書館ページに表示されるようになります。

三重県立図書館

<図書館の方へ>
図書館ページでの公式アカウントの連携方法は、以下の通りです。

1)公式アカウントでカーリルにログインする
2)図書館ページに管理者ログインする
3)管理画面再下部の「ユーザーを結びつける」ボタンを押して保存する

以上で、図書館ページにレシピが表示されるようになります。ぜひご利用ください。

* * *

図書館公式アカウントのレシピは、図書館の特色が出ていて面白いですよ。
もっと増えて、都道府県別比較なんかできても楽しいですね。
図書館の皆様、投稿お待ちしています♪

(杉山@カーリル