サービスに関する重要なお知らせ

2017年8月29日《追記》
Amazonアソシエイト契約はこれまで通り継続されることとなったため、直ちにサービスに影響することはありません。現在、新たな書誌データベースの構築および切り替えの準備を進めており、順次切り替え実施する予定です。詳しいスケジュールについては決定次第お知らせいたします。カーリルでは、ご利用いただいているユーザーの皆様への影響を最小限にしながら、オープンな書誌情報の世界にスイッチします。
 
2017年8月25日
 
カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(本のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。
 
Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性があります。(追記により状況がアップデートされました
 
カーリルではAmazonに依存することによるリスクを回避するため、「書誌情報・書影を自由に」をコンセプトとするopenBDプロジェクトを推進してきました。今後主要な書誌情報としてこのデータベースを活用します。openBDで不足する書誌情報は、各種機関のオープンデータ及び商用プロバイダ、全国の図書館のメタデータにより補完する予定です。これにより、従来と比べよりオープンで充実した検索結果を提供できるものと確信しています。
 
この数年間、カーリルでは「日本にあるすべての本をあたりまえに探せるようにする」というテーマを掲げ、技術開発や図書館への技術提供、連携、実験等を行ってきました。今後はこれらの成果を十分に活用し、より使いやすいサービスの実現を目指します。
 
検索結果への影響
検索インデックスの最適化を並行して進めているため、一時的に検索精度の低下が発生する可能性があります。また、一部書誌の欠落等が発生する場合もございます。長期的には、データの充実を通して検索精度の向上と網羅範囲の拡大を図ります。
当面の間は従来のサービスと同様、カーリルでは「ISBNの付与された書誌(本)」、カーリルローカルでは「図書館のすべての書誌」を対象とした検索結果を表示しますが、今後はシームレスに検索できる方式に移行する予定です。
 
書影(本の表紙画像)への影響
書影は、Amazonの保有する圧倒的に豊富なデータにアクセスできなくなることにより、短期的には網羅率の大幅な低下が発生します。今後はopenBDのデータ充実を通して改善を図ります。
 
図書館業務向けサービスへの影響
カーリルが展開する図書館業務向けサービスや、館内向けサービスについては従来よりAmazonの提供するデータベースを利用していないため影響はありません。
 
図書館APIへの影響
無料で公開する図書館APIへの影響はありません。 
 
経営に与える影響
Amazonアソシエイトによる広告収入は、カーリルの運営にとって重要な役割を果たしてきました。しかしながら収入源の多様化を推進してきた結果、Amazonから受ける広告費は収入全体の5%以下となりました。そのため経営に与える影響は軽微なものとなります。
 
 
カーリルでは、ご利用いただいているユーザーの皆様への影響を最小限にしながら、オープンな書誌情報の世界にスイッチします。いろいろと不完全なところもあるかもしれませんが、皆様からの積極的なフィードバックお待ちしています。随時、Twitter、ブログ等で最新情報を発信いたします。
 
※この情報は現在進行中の情報をあらかじめお知らせするものであり、確定的な情報ではありません。具体的な時期等についても決定しておりません。
 
※AmazonおよびAmazonロゴはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の登録商標です。

一部サービスの終了について

カーリルでは、図書館業務向け高速横断検索API「Unitrad API」や、自由な書誌情報API「openBD」など、サービスを本質的にに改善するインフラ技術の開発に注力してきました。現在カーリルでは、これらの成果をウェブサービス上で一般のユーザーの皆様にも広く還元できるよう新しいサービスの開発を進めています。

それに伴い、開発リソースを集中するため、いくつかのサービスを廃止することにしました。現在、該当のサービスをご利用中の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、後継サービスをご利用いただきますようお願いします。

廃止されるサービスは次の通りです。

  • カーリルのiモード版
     
    ― 2017年6月末まで
  • カーリルローカル カスタム横断検索
     ― 2017年3月24日で新規受付を停止(4月末まで)

カスタム横断検索は代替サービスを2017年夏以降にリリース予定です。
業務用途でご利用の方は、有償のUnitrad APIに移行できます。業務用途で、2017年3月24日までに継続的にカスタム横断検索を活用いただいていた図書館については、最大60カ月間、Unitrad APIを無償提供いたします。(contact@calil.jpまでお問い合わせください)

図書館レファレンス支援システム「リッテルナビゲーター」の事業譲受について

日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する株式会社カーリル(所在地・岐阜県中津川市、代表取締役・吉本龍司)は、図書館レファレンス支援システム「リッテルナビゲーター」の営業権及び特許使用権を株式会社ネクストより譲り受ける事業譲渡契約を締結いたしました。

同システムの開発者、清田陽司博士には引き続きアドバイザーとしてご協力いただき、同技術の幅広い活用を目指します。

「リッテルナビゲーター」は、東京大学情報基盤センター学術情報研究部門の自然言語処理に関する研究成果を元に開発されたサービスで、図書館分類体系(統制語)とWikipediaカテゴリ(非統制語)の統合利用を目指したものです。

各種機関による書誌データのオープンデータ化やopenBDのような民間ベースでの情報共有も進んでおり、今後はリッチな書誌データベースを前提とした、シンプルな検索技術(インターフェース)が求められます。カーリルでは、同技術を発展させウェブサービス内で活用するとともに、図書館業務向けに展開する各種サービスにおいても標準搭載していく予定です。

なお、従来のサービスを契約いただいている図書館においても、2017年4月以降も引き続きこれまで同様に同サービスをご利用いただけます。

株式会社ネクスト リッテルラボラトリー
販売代理店 : 紀伊國屋書店によるリッテルナビゲーターの紹介ページ

 

京都府図書館総合目録ネットワークシステムの充実を図る産官学連携プロジェクトに参加します

カーリルは、11月30日に京都府立図書館から発表された「京都府図書館総合目録ネットワークシステムの充実を図るための産官学連携プロジェクト」に参加します。

共同プロジェクトの仕組み(京都府立図書館作成)

カーリルが提供する業務用高速横断検索API「Unitrad API」では、ISBNによる高速な書誌同定(各図書館が所蔵しているタイトルで同一のものをまとめて表示)を実現しました。しかし、ISBNの運用は出版者に任されているため、しばしば誤ったバーコードが印刷されてしまったり、重複してコードを利用している例があります。またISBNのない本については、同一かどうかの判定が機械的にできないため、バラバラに表示されます。このような状態を図書館用語で”書誌割れ”と呼びますが、検索キーワードによっては書誌割れが多く十分な精度の検索結果が提供できない場合がありました。

今回のプロジェクトでは、これらの問題にクラウドソーシング(L-Crowd)により書誌同定のヒント情報を集め、それらのヒント情報により書誌割れを抑制し、検索精度を大幅に向上することを目指します。このプロジェクトは国立国会図書館・同志社大学・筑波大学・千葉大学・株式会社カーリルとが連携して、実際の京都府内の書誌データをクリーニングすることにより、検索精度を向上したり情報の豊富化を図るなど、サービスの充実を図るものです。

カーリルでは、共同プロジェクトの成果を技術開発に生かし、全国規模での蔵書検索の精度向上を目指します。

京都府立図書館によるプレスリリース

 

横断検索向け高速連携プロトコル「Unitrad Fast-Link」を提唱

カーリルは、横断検索向け高速連携プロトコル「Unitrad Fast-Link」を提唱し、図書館システムの開発企業と広く協力して革新的なサービスの提供に取り組みます。

Unitrad APIは横断検索システムの効率を飛躍的に向上することで大幅な高速化を実現しました。しかし、各横断検索先とのデータ交換プロトコルには、まだ大きな改善の余地があり、さらなる高速化と効率化が期待できるのです。そのため、各図書館のシステムと効率的にデータ交換できる負担が少なく実用的なプロトコルが求められていました。

今後、オープンソースとして公開した汎用的な蔵書検索インターフェース「Unitrad UI」でもこのプロトコルをサポートすることにより、カーリルのクラウドサービスを通過できない非公開OPACや館内OPACなどでもこのプロトコルの恩恵を受けられるようになる可能性があります。シンプルなプロトコルで実装されたシステムは一般的に速度や安定性が向上するため、長期的にはWeb-OPACの信頼性向上につながります。

Fast-Linkの役割
Fast-Linkの役割

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