2012大学読書人大賞が決定!

大学生の、大学生による、今若者に一番読んでほしい本を決める「大学読書人大賞」。
2012年の大賞を決定する公開討論会が、4月21日(日)に行われました。
日本に数ある文学賞の中でも、一般読者によって選ばれるのはこの「大学読書人大賞」だけ。
その文学のお祭りに、今年もカーリルが取材に行って来ました。

(大賞候補作一覧や、候補作決定までの流れはレシピ「2012大学読書人大賞」をご覧ください)

今年の公開討論会会場は、千代田区立日比谷図書文化館です。
日比谷公園の中にあるこの図書館、上から見ると建物が三角形。
建設予定地が三角形だったから、自然と三角形の建物になったんだとか。

運営は全て大学生の手によって行われており、図書館の入り口では委員の学生さんが出迎えてくれます。

図書館に入って正面の階段を下りると、会場の大ホール。
観覧者は受付を済ませて中に入ります。

受付には、大賞候補作がずらり。

討論会は、推薦者からのプレゼンテーションの後、登壇者全員での討論が行われます。
以下、推薦書と推薦文、簡単な討論の内容をご紹介します。

推薦書『馬たちよ、それでも光は無垢で
推薦文「タイムマシン的書籍として」by 法政大学もの書き同盟 古味祥吾さん

「この作品に面白さがあるか」それを問われたならば、私は「貴方は一体何をもって本を面白いと判断しているのか」と一昼夜を通して聞き出さなければならないだろう。

東日本大震災について小説という形で読む意味があるのか、震災の訳のわからなさが100%表現できているのか等、震災の体験に焦点を当てた議論が展開されました。

推薦書『青年のための読書クラブ
推薦文「全ての「私たち」に贈る」by 京都府立大学文藝部 井上大地さん

『青年のための読書クラブ』――この作品が描いているのは、まさに「私たち」である。過去に「そうであった」私たちであり、「そうありたかった」私たち、もしくはこの先「こうあるかもしれない」私たちである。

誰にでもあるかもしれない”黒歴史”を追体験する必要があるのか、今この大学生のときに振り返る意味は何か等、笑いを交えながら厳しい意見が交わされました。

推薦書『天帝のはしたなき果実
推薦文「向き合うことについて」by 関西大学現代文学研究部 和田晃さん

まず、想像してもらいたい。貴方に親友がいたとする。そして貴方はその人のことなら何でもわかっていて、何から何まで知っている。さらに、相手も自分のことを100%理解してくれている。そういう想像を。

真剣にわかろう、わかり合おうとする事が大切だと思う、しかし読みにくい文体でこの長い物語を読み切るのは難しいのではないか等、いかにこの本を読みきるのかに焦点を当てた討論が行われました。

推薦書『図書館戦争
推薦文「図書館戦争(笑)」by 立教大学文芸批評研究会 藤掛伸さん

はじめに、図書館で戦争をしているという状況を考えてみよう。無数の棚に本たちが静かに並び、そして市民が静かに本を読む空間である図書館。そんな図書館という空間だけが、平和なこの日本の中で唯一戦場になる――これだけならギャグである。

本が嫌いな人にも本を巡る戦いの話を薦めるのはなぜか、マクロの視点とミクロの視点はどちらが大切で必要なのか等、現代社会をどう見るのかという方法論も提示されました。

推薦書『ハーモニー
推薦文「伊藤計劃という「視点」」by 中央大学文学会 佐貫裕剛さん

あなたには、憧れの作家がいるだろうか。魂の中枢に刻み込まれた、座右の書があるだろうか。私にはある。伊藤計劃と、彼の遺したその作品群だ。

この作品は一般に「現在」について書かれたSFだとはみなされないのではないか、なぜ今、3.11の前に亡くなった作家の作品なのか等、”今”をキーワードとしてそれぞれの見解が示されました。

推薦書『ビブリア古書堂の事件手帖
推薦文「全ての本好きに捧ぐ。」by 大東文化大学國文學研究会 中村嘉音さん

古い本には中身としての物語だけではなく、本そのものの物語がある。活字が全く読めない五浦大輔は古書店の美人店主篠川栞子と出会う。そこから古書に纏わる物語が始まる。

本を読まない人に、たくさんの本が出てくる物語を薦める理由は何か、最後に出てくる「本好きじゃない人にはわからないから」という台詞に興ざめした等、本好きの学生ならではの意見が多く出されました。

全ての発表が終わった後は、観覧者も一緒になって議論が行われました。
会場からもたくさんの意見や疑問が出て、活発な意見交換がなされました。

そして、大賞の決定です。
登壇者が自分の推薦作品以外に得点をつけ、最高得点を獲得した作品が「大学読書人大賞」となります。

今年の最高得点は、著者への愛に溢れた論理的な発表が印象的だった『ハーモニー』が獲得、大賞に決定しました!

討論会のコーディネーターをなさった永江朗さんからは、震災後に、3.11を経験せず亡くなった作家の作品が選ばれた事には意味があるだろう。年々大学読書人大賞のレベルも上がっており、大変喜ばしく思う、という講評がありました。

大賞の推薦者、佐貫さんにお話を伺いました。

敬愛する伊藤計劃さんの作品が大賞に選ばれて本当に嬉しいです。
こんな作家がいたという事を、たくさんの方に覚えていてほしいと思います。とのことでした。

伊藤計劃さんの著書の中では、昨年度の大賞最終候補にあがっていた『虐殺器官』が一番好きなのだそうです。こちらも是非多くの方に読んでもらいたいとのこと。要チェックですね。

最後に、実行委員長の森希衣さんと副委員長の北虎大樹さんにお話を伺いました。

大役をやりきる事ができて、ほっとしています。やったー終わったー! という感じです(笑)
今年は推薦文も今までの3倍も集まりましたし、会場からもたくさん質問や意見が出て、とてもいい討論ができたと思います。
運営委員の出席率がなかなかあがらない等大変な事もありましたが、すばらしい大賞だと思うので、ぜひ文芸サークルの皆さんには、下の代にどんどん引き継いでもらいたいと思います。

 * * *

例年、受賞作の著者を招いて行われる贈賞式ですが、今年の大賞の伊藤計劃さんは既に物故者。どなたを招いてどのような式にするのか、実行委員の企画が楽しみですね。

贈賞式は6月の予定。
公開討論会に参加できなかった学生さんも、是非参加してみては?

<関連リンク>
最終候補作をまとめて検索! 2012大学読書人大賞|カーリル・レシピ
大学読書人大賞公式ウェブサイト
大学読書人大賞 on Twitter
2011大学読書人大賞|カーリル・レシピ
「大学読書人大賞」公開討論会に行って来ました|カーリルのブログ
洋書の森に行ってみよう & 「大学読書人大賞」贈賞式

カーリル、「こどもの読書週間」の謎に迫る!?~君と未来をつなぐ本

4月末から始まり、約3週間続く「こどもの読書週間」。

ゴールデンウィークと重なることもあり、各地の図書館でもこどもの読書週間にまつわるイベントが多数行われます。こどもの読書週間を推進している、社団法人読書推進運動協議会の片岡伸子さんにお話を聞きました♪

【謎1】こどもの読書週間って何?

こどもたちにもっと本を、こどもたちにもっと本を読む場所をとの願いから、「こどもの読書週間」は1959年(昭和34年)に誕生しました。もともとは、5月5日の「こどもの日」を中心とした2週間(5月1日~14日)でしたが、子どもの読書への関心の高まりを受けて、「子ども読書年」である2000年より現在の4月23日(世界本の日・子ども読書の日)~5月12日に期間を延長しました。開始当時より、図書館・書店・学校を中心に、こどもたちに本を手渡す様々な行事が行われてきました。
幼少の時から書物に親しみ、読書の喜びや楽しみを知り、物ごとを正しく判断する力をつけておくことが、こどもたちにとってどんなに大切なことか……。こどもに読書を勧めるだけでなく、大人にとってもこどもの読書の大切さを考えるとき、それが「こどもの読書週間」です。

【謎2】だれがやってるの?

主催団体は社団法人読書推進運動協議会です。
そもそもの発端は、終戦直後に始まった「読書週間」の実行委員でした。毎年実施するのであれば、毎回委員を招集・解散するより、年間を通して読書運動を推進していく団体を、ということになり、現在の法人となりました。
秋の「読書週間」、春の「こどもの読書週間」とも、当法人と構成団体のメンバーで運営しています。

【謎3】どんなことをするの?

特に決まりはありません。
学校などで読書呼びかけのきっかけにして頂いたり、自治体や図書館でイベントを主催なさっているところもあります。
面白いイベントは、天文台を併設している図書館でお泊まり会を実施したというものがありました。絵本や学年別の企画展示を行うところもあり、毎回報告頂くのが楽しみです。
(その他の行事については、報告書でご覧頂けます

 * * *

【報告1】今年のポスターと標語はこれだ!


今年の標語は「君と未来をつなぐ本」。応募総数3230点の中から選ばれました。
ポスターは1997年から杉田豊さん作。優しい色使いの動物シリーズです。


(過去の「こどもの読書週間」のポスター)

【報告2】ウチでも「こどもの読書週間」をアピールしたい! という時は。

「こどもの読書週間」をアピールして頂くのは大歓迎です。
自治体や学校、図書館に限らず、読書サークルや個人でもぜひ。
ポスターをご希望の場合は協議会までお問い合わせください。(データも提供しています
また、バナーやPOP、しおり等のデータもご用意していますので、ぜひご利用ください。

【メッセージ】

「こどもの読書週間」を通して、こどもにもっと本と触れ合う環境を提供できるようにしていきたいですね。同時に大人にも、こどもの本やこどもの読書に触れてほしいと思います。大人が関わっていかないと、こどもだけでは絵本以降のステップに進めません。こどもが読みたくなるような本を図書館で一緒に探して、気に入った本はぜひ購入して本棚においてあげてください。

いかがでしたか?
読書に親しむ、こどもと一緒に本を選ぶ、図書館に行くきっかけとして、「こどもの読書週間」活用してみるのもいいかもしれませんね。

2012年「こどもの読書週間」
 4月23日(月・こども読書の日)〜5月12日(土)

<関連リンク>
社団法人読書推進運動協議会

カーリルの対応図書館が6000館を突破しました

4月を迎え、新しい図書館のオープンや図書館システムの導入が進んでいます。
それに伴い、カーリルでも対応図書館が大幅に広がりました。

本日(2012年4月18日)、カーリルの対応図書館が6000館を突破。
6000館目は滋賀県の栗東市立図書館でした。

まだまだすべての対応リクエストにはお応えできておりませんが、
順次調整を進めて対応図書館・エリアを拡大していきます。

今後ともカーリルをよろしくお願いします。

カーリル全国図書館マップ


2012年4月にカーリルで新規対応した図書館
(4月18日現在)

◆公共図書館
香川県綾川町
熊本県荒尾市
熊本県宇城市
福島県矢吹町
岩手県洋野町
静岡県松崎町
北海道弟子屈町
高知県日高村
沖縄県八重瀬町
長崎県波佐見町
滋賀県栗東市

◆大学図書館
名古屋芸術大学
新潟経営大学
日本映画大学
第一薬科大学
日本薬科大学
新潟薬科大学
大阪薬科大学
岩手県立大学宮古短期大学部
武蔵野音楽大学
日本体育大学
成安造形大学
徳山大学
環太平洋大学短期大学部
西日本短期大学

◆専門図書館
国立能楽堂
伝統芸能情報館
国立文楽劇場
国際協力機構(JICA)
民音音楽博物館
国立国語研究所

カーリルセキュリティアラート「匿名FTPによる図書館内部データの開放について」

日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」では、岡崎市立中央図書館事件に関連して発生した図書館の情報流出事故を教訓として、「カーリルセキュリティアラートシステム」を運用し、定期的に図書館システムのセキュリティ問題について確認を行なっております。

今回、2つの図書館システムにおいて匿名FTP(パスワード不要の公開FTP)による内部データの開放を確認しましたので、該当の図書館・自治体及び開発元に対して通知を行いました。
その対応が完了しましたことから、概要を発表いたします。

1.広島県内の公共図書館
・システムの実行ファイル
・データベースのダンプと思われるデータ
・データベースサーバーの内部パスワード
・最終システムリプレイスは2011年5月

2.山口県内の公共図書館
・予約データ(2005年10月~2012年4月6日)
(利用者番号・電話番号等を含む)
・最終システムリプレイスはカーリル運用開始以前

なお、データの詳細な解析は行なっておらず、個人情報の有無については不明です。
データの概要については、ファイル名及び簡単な確認により判別可能なものについて記載しました。

今回の2件とは別に、Windowsのファイル共有ポートが開放されている図書館システムも多数見受けられます。
設定によっては誤って内部データが開放される可能性が高いため、図書館・システム開発元への注意喚起を進めております。

カーリルでは、安心して図書館のウェブサービスをご利用いただけるよう、図書館やシステム開発元とも連携して安全かつ先進的なサービスを提供してまいります。

担当:
吉本龍司(Nota Inc エンジニア/セキュリティアラート担当)

<関連リンク>
カーリルのブログ:岡崎市立中央図書館事件に対するカーリルの見解

カーリルから「本が好き!」「e読書.jp」への連携を開始しました

カーリルの本のページに、新しくリンク先を追加しました!

皆さんの読書スタイルにあわせて、ぜひご利用ください♪


⇒早速カーリルで見てみる

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