図書館活用のすすめ。暑い夏はクールシェアで乗り切ろう!

暑い日に一人でエアコンをつけるのではなく、涼しい場所に集まって一緒に過ごす「クールシェア」という取り組みが広がっています。図書館もクールシェアスポットとして注目されているようです。

クールシェアは、ただエアコンを消したり、設定温度を上げたりして節電しようという、従来のエコの考え方とは姿勢が異なります。複数人で集まって、時間や活動を共有しながら涼しく過ごすのがクールシェアのポイントだそうです。そこで、クールシェア提唱者の堀内正弘さん(多摩美術大学教授)にお話を伺いました。

きっかけは東日本大震災での電力不足

クールシェアのアイデアは、東日本大震災直後の大学のゼミで学生たちのディスカッションの中から生まれました。当初は計画停電回避プロジェクトとして始まりましたが、ピーク時の電力をカットするためにどうするかを考えた結果、今のクールシェアの形になりました。

2012年度には環境省の施策にも取り入れられたことで、全国に広まりました。

楽しむことで取り組みが広がっていく

これまでの「節電」「省エネ」対策と異なるところは、頑張らない、無理をしないということです。例えば今までは冷房の温度を28℃に設定して節電を、使いすぎの自粛を、と呼びかけられていたのですが、28℃では暑くて結局温度を下げてしまって節電にならないし、そもそも面白くない。

クールシェアは、ある程度人数が集まっていれば、温度を下げてもいいと思っています。出かけたり、人と一緒に過ごしたりすることで気晴らしにもなるし、交流があれば面白いですよね。

出かけなくても、家で自室にこもるのではなくてリビングに家族が集まるのも立派なクールシェア。家族での交流も出来るし、結果的に省エネになります。

クールシェアは皆がハッピーになる仕組み

クールシェア事務局の入口

現在では、公共施設だけでなく、カフェやデパート等もクールシェアスポットとして登録されています。カフェや居酒屋は、クールシェア特典があるところもあります。

デパートや百貨店は元々休憩スペースがあるのですが、そういった場所にただ涼みに来てくださいという案内をしています。涼んでもらうことで、新たな発見があったり、ついでに買い物をしてもらえるかもしれない。お客さんは涼しくて快適に過ごせるし、お互いいいことがあるんですね。

クールシェア事務局はコワーキングスペースなのですが、ここもクールシェアスポットとして登録しています。一緒に仕事をすることはもちろん、キッチンを使って料理をしたり、音楽イベントをしたり、子育て中のお母さんが来てくれてもいいんです。

他にも、自宅の空き室を近所の方に開放して交流するのも楽しめますね。

もちろん、公共施設に行くのも立派なクールシェアです。最近では自治体で推進しているところも多くて、お茶や水のサービスがあったりします。中でも図書館は数が一番たくさん登録されている施設です。

クールシェア、ウォームシェアを世界へ

冬の寒い時期も同じように「ウォームシェア」を提唱しています。一人ひとりが少し行動を変えることで、トータルでエネルギー消費を減らしていく活動。これは全世界で取り組むべき課題です。

地域の人と一緒に楽しみながら、ぜひクールシェア、ウォームシェアを世界に広げていきたいですね。

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シェアマップで近所のスポットを探してみよう

どうでしょう。クールシェア、ちょっと気になってきませんか?
クールシェアを実施している場所は、マップで探すことが出来ます。(モバイル版もありますよ)

ちょっと見てみると図書館の他にも、立ち寄ってみたくなる場所がありそうです。暑い夏、クールシェアで乗り切りましょう。

(杉山@カーリル

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